2巻に入り、茂兵衛の仕官先は、国衆の一人である夏目次郎左衛門から国守の家康に変わり、本多平八郎の配下に配属されました。ただの足軽から武将の旗印を掲げる旗指足軽となり、じわりと出世しています。
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足軽仲間たちはいつしか、茂兵衛の指示を仰ぐようになっています。戦術的視点だけではなく、戦略的視点も身につけつつある茂兵衛が、このまま少しずつ出世していくことを思わせます。
今巻で印象に残ったこと。
これは笑いのツボにはまりました。「だら」だって、充分訛っているよ。
「討ち捨て」とは、敵の首級を獲らないことです。茂兵衛は首を獲ることに嫌悪感があるので、ある意味討ち捨ての命令は歓迎なわけです。でも首を獲らねば敵を倒した証明にならないわけで、だからこそ同僚の辰藏は「討ち捨て」の命令を「只働き」と表します。将兵共に滅私奉公で戦っていたように思うのは、大間違いなわけですね。まさに個人事業主。
ほほう。
一日六合!? 宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」が一日あたり玄米四合ですが、戦国時代の足軽は一日六合かぁ……。
木曽川、長良川、揖斐川が流れているから「三河」なのだと、初めて認識しました。
絶します。
日本で馬車が発達しなかった理由はこれかと、納得がいきました。
長い引用となりましたが、戦争には食料だけでもどれぐらい必要かがよく分かります。これに加えて、弾薬なども当然必要なわけですから、いかに戦争にお金がかかるかということですね。
ようやく出世への意欲が出てきた(出ざるを得なくなった)茂兵衛が、ここからいかに成長していくかが、楽しみです。
見出し画像には、「みんなのフォトギャラリー」から掛川城の写真をお借りいたしました。今巻では、掛川城攻めが主題なので。
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