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Nuovo Cinema Paradiso
「ニュー・シネマ・パラダイス」
私が生まれる1年前の1988年。シチリア島を舞台にしたイタリア映画。
初めてこの作品に出会ったのは、20歳を過ぎた頃。
某レンタルショップで借りた10本1000円の中の1本。
それはただ、タイトルに魅かれただけ。
渋めなジャケットに、何だか夢のあるタイトル。
「 ニューでパラダイスなシネマ 」
とにかくワクワクが詰まったようなタイトル。
スナック菓子に炭酸飲料。さあ、あとは再生ボタンをポチっと。
オープニングの美しさ。一瞬でハートを掴まれた。
ラストシーンの優しさに包まれ
ディスクが止まり目の前には、
ほぼ手付かずの湿度をなくした軽い物体と
グラスいっぱいの刺激を忘れた甘い水分も
ただただ真っ直ぐ画面を向いていた。
綺麗な作品。
それは、映像ではなく、目を奪われるような俳優でもなく、
人と人。大人と子ども。小さな村と村人。そして優しい音楽。
たったそれだけのシネマ。たったそれだけの。たったそれだけ?
だけど、そこには全てがあった。
小さな小さな村だけど、そこには人と人との些細な繋がりが描かれていて
表現しなくとも伝わる愛情で溢れている。
ニュー・シネマ・パラダイス
人々はその中で、大声を出して笑い。泣き。ブーイングを鳴らす。
みんながみんなで共感し合う。本当に素敵な文化だなと感じられる作品でした。
たとえそれが過去になったとしても
その時の光景、匂い、感情。
その全ては、消えることはない。
またいつか思い出せばいい。
きっと何かが、誰かがまたあの頃を思い出させてくれる。
そんな愛に溢れる作品でした。
そして最後に、この映画の主題歌
「 Cinema Paradiso 」
作曲家:Ennio Morricone (エンニオ・モリコーネ)
美しく、悲しく、柔らかい。
音と記憶が包んでくれるような曲。
エンニオ・モリコーネさんが7月7日、永眠されました。
これから先も色褪せないこの曲が多くの愛を彩りますように。
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