第十一の覚書(カラオケ好きのNKSさん)
第九の覚書で作業療法のことを少し書いたが、作業療法がうれしかったのは、少しの間だけでも新鮮な空気が吸えることだった。
閉鎖病棟は窓が開かない。たぶん近年のコロナ禍でも状況は変わらんかったのではないだろうか。
フロアの入口に鍵がかかっており、別のフロアに行くのも医師の許可のもと、看護師や介護士の引率でしか移動ができない。
精神的・物理的に閉じ込められる感覚が、これほど人間をむしばむことはないと思った。
そんなたまの作業療法の時間。Tさんはよく屋外でPCさんとキャッチボールを