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7月25日に公演を終えて考えるもの。

ゲキ集団BumpyBox「WHO ARE YOU?」の公演が終わった。半年振りの舞台。5月にやる筈だった舞台。 BumpyBoxを立上げての初舞台。色んな想いがあった。

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想像もしていなかったコロナ禍。この名前を出す事すら本当に気分が滅入る。ありえない事が起こってしまった。これからという時に。これからが本当の演劇活動だという時に起こってしまった緊急事態宣言。全てが闇の中へ突き落とされた気分だった。自分自身でどうする事も出来ない歯痒さ。正直、世論が騒ぐ程の事とは自身は感じていなかったが世論はそうはいかない。割り切れない感情との狭間にずっといたこの数ヶ月。当たり前が当たり前ではなくなった現実。あたりようのない毎日に精神が蝕まれていった。車椅子乗りになった時より酷い。

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俺は死ぬ事があまり怖くない。感情が死んで終う方が怖い。だから5月に公演を中止した時、オンライン稽古をやり出した時、実は危なかった。精神的に。なんとか乗り越えられたのは周り人達、Bumpyという居場所とメンバーがあったからに他ならない。

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そして、解除。すぐに箱を押さえた。兎に角、進みたかった。出来なくなるかもしれない、そんな考えより精神が死にたくなかったからだ。そこからガイドラインを必死に調べやれる環境作りに時間を使った。少しでも安心して来て頂けるように。自分自身の考えは世論には通じない。想いは世論を超えられない。であれば少しでも安心を。稽古と並行して考えていたのはそればかりだった。直接的にはなかったがやはり批判はあった。

「本当にやるのか?」

メンバーは誰一人、延期を言い出さなかった。ただただガムシャラに稽古をしていた。2パターンの演出に四苦八苦しながら稽古をしていた。このメンバーにやってよかったと思ってもらいたい。批判の中、応援してくれる人達を裏切らないために。

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本番1週間前。ある劇場にてクラスターが発生したとマスコミが大々的に報道した。最悪の状況。しかし表ではそんなことに落ち込んでる素振りさえ出さず稽古をした。やりたかった。もう延期にしたくなかった。そこには本当に本当に覚悟が必要だった。想像を絶する覚悟だった。自分がいくらコロナはマスコミが煽る程のものではないと考えていてもそんなものは通じない。ただ、社会は動いていて、仕事は行けていて、娯楽も動いている中、舞台だけが出来ないなんて舞台だけが自粛なんて自分の中で納得がいかなかった。「正しく怖がる」。その言葉を信じて前に進んだ。

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だがやはり現実は甘くなく告知はしていたが、個別で声を掛けたりは出来なくまた、メンバーにもやらなくてよいと話した。そんな状態だから動員は正直諦めていた。赤字覚悟。でも赤字よりこんな状況の中でもチケット予約をしてくださった方、行きますといってくださる方がいた。その方達に安心して楽しんで頂きたい。10人以下でも自分には100人くらいの意味があった。客席は90名程入るところを25名の客席に。オリジナルマスクの配布。検温。アルコール除菌の徹底。自動空気循環。やれるだけの事はやった。どうしてもこれない方、色んな状況の中で出れない方の為に不慣れなオンライン観劇も実行する事にした。

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そして本番当日。

4公演。全公演、ほぼ満席となった。オンラインも告知ギリギリにも関わらず15名の参加があった。こんな状況の中、沢山の方に観劇して頂けた。涙が出る程嬉しかった。ラスト公演の挨拶では想いがこみ上げてなんとか止めたが本当に泣いてしまった。

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今はまた再燃とか世間は騒いでいる。まだまだ演劇の公演については厳しい環境だ。ただ厳しい環境という事はまだやってはいけないとの事ではないのだ。劇団としては経費的には決してよい状態ではない。でも今回の公演をやって、改めてお金ではない。芝居をしたい。観たいと言ってくれる人がいる限り演劇がやりたい。

「正しく怖がる」精神でやれるところまで。芝居が大好きな仲間と芝居が大好きなお客様の為に。

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9月もやります。

オンラインでもまたやります。生舞台もやります。演劇を舞台を芝居を楽しんでください。

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車椅子の役者、演出家として活動していく事で観る側だけでなく演る側のバリアも崩していきたい。活動にご支援の程宜しくお願い致します‼️