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TAKIBI Vol. 1を開いたら、3人寄れば多様性の宝庫であることに気づいた

ファシリテーター・ライフコーチのまなみです。
2024年5月19日、6月1日に無事松下琴乃さんことこっちゃんと一緒に、「TAKIBI Vol. 1:わかっているようでわかっていない多様性/公平性/構造的差別 〜自分の立っている場所を知り、声を出してみよう〜」を開催できました!
ご参加いただいた皆さん、ご参加を検討していただいた皆さん、Peatixやstand.fm、このnoteをご覧いただいた皆さん、ありがとうございました!

TAKIBI Vol. 1にはなんと、中学一年生のこっちゃんの娘さんにもご参加いただきました!
中学校でもこの多様性の問題についてもやもやを感じる場面があるそうで、大人から子どもまでTAKIBIでの学びの場が幅広く応用できることを知る機会になりました。



TAKIBI Vol. 1では、次の三点をゴールと設定し、普段参加者の方が感じているもやもやから多様性・公平性・構造的差別の理解を深めていきます。
多様性・公平性・構造的差別については「自分の意見が言える」ことが大切になってくるのですが、日本人はそもそも意見を言う練習をする機会があまりありません。
そもそも感想と意見の違いって?意見に必要なものはなんだろう?というところを考えてから、最後に多様性・公平性・構造的差別についての意見を発するワークを行いました。



今回私まなみがファシリテーションをしていて、一番興味深かったところは、TAKIBIの場で開くブレイクアウトルームの場自体が、すでに小さな「多様性の宝庫」だということです。
TAKIBI Vol. 1の最後のワークでは、3人グループになって多様性・公平性・構造的差別について話すのですが、一緒に話す人は初めて会う人ばかり。
たった3人が集まるだけで、その小さな世界の中で相手は自分より上なのか下なのか、何を言って大丈夫で何を言うとよくないのかという瞬時の判断が無意識に働くのが人間なのだと感じました。
個人の発言は常に組織・社会の中での関係性によって形作られ、変化していくのだということを、参加者と一緒に改めて気づくことができました。


ちょうど読んでいた『多様性の科学』という本にも、TAKIBI Vol. 1の状況とまったく同じ、順位制のことが語られていました。



実際、見知らぬ5人を1部屋に集めて1つの課題に取り組ませる実験をすると、たちまちヒエラルキーが形成される。しかも面白いことに、そのグループを外から観察する別の被験者は、5人の声さえ聞こえない状態で表情やしぐさだけを見て、誰がどのポジションにいるのか的確に当てられるという。
ヒエラルキーは意図的に形成する場合もあるが、人間はそもそもこういう生き物なのだ。

『多様性の科学』p. 177


それでもなぜ、この多様性・公平性・構造的差別のテーマをTAKIBI Vol. 1で取り扱うのか?
それは色々な背景を持った、色々な人の色々な意見が融合することで、そこから新しい知恵やアイディアが生まれると信じているからです。
日本語でも「3人寄れば文殊の知恵」とはよく言ったものです。

新しい知恵がアイディアが生まれる場を創出するためには、誰の声なき声に耳を澄ます必要があるのか。
それを多様性・公平性・構造的差別という枠組みを通して考えることができると、全員にとってもっと生きやすい社会をみんなでつくりあげていくことができるのではないかと思っています。
これこそがTAKIBIでやりたいことだし、MANABIのビジョンそのものだとTAKIBI Vol. 1を通して改めて感じることができました。

多様性・公平性・構造的差別をきちんと取り扱えるようになることで、様々なバックグラウンドの方が生きやすい組織・社会を追求したい方、多様性の力を使って身の回りの組織・社会を活性化させたい方は、次回以降のTAKIBI Vol. 1にぜひお越しください。


無意識のバイアスを取り除くのは、公正な社会に向けての第一歩だ。同時に、集合知の高い社会に向けての第一歩でもある。あらゆる背景の人々に才能を追求するチャンスを与え、知識のネットワークを拡大すれば、現代社会が直面するさまざまな問題に答えを出していける。そのためには構造的なバイアスの解体が欠かせない。

『多様性の科学』p. 333


チーム作りそのものに限らず、チームワークやコラボレーションにも多様性は大きく関わる。多様な意見は秩序を乱す脅威ではない。組織や社会を活性化する力だ。率直な反対意見も成長には欠かせない。第三者に意見を求めるのは、チームへの忠誠心が足りないからではなく、忠誠心が高いからこそ。新たなアイデアを融合して、新たな挑戦のために結束力を高めていくためだ。今や融合のイノベーションを起こさずに、急速に変化する世界についていくことはできない。

『多様性の科学』p. 342


最後に、参加者のみなさんからも、アンケートやXを通して、参加者の声をいただきました。みなさんありがとうございます!!





TAKIBI Vol. 1を通しての学びや気づき:

・自分が多様性、公平性、構造的差別を自分の言葉で説明できないこと

・多様性、公平性、構造性差別の言葉の解像度が上がりました。参加者のもやもやから考えていくのがリアリティーがあって理解しやすかったです。

・多様性、公平性、構造的差別に関するベースの知識を学ぶことができました。自分の立っている場所は、マジョリティにもマイノリティにも成り得ることを知りました。今まで正面切って真剣に向き合ったことが無かった問題だったけど、意識することで気づきが生まれることが分かり、その気づきを大切にしたいと考えるようになりました。

・参加した理由である“自分の意見が言えない”の背景に、「自分がどこに立っているか」が思いのほか関係していることに気づきました。感想は言えるけど、意見が言えなくなるのはこれか!と気づきました。感想と意見の違いも勉強になりました。 意見が言えない時には、ラベリングをしていて、だから意見が言えないのかもしれないというひとつの可能性に目を向けてみること。自分の立っている場所を確認すること。これを意識してみようと思いました!
そして、私が公平性についてモヤモヤしていることとして、「若いから健康」について場に出して話しました。しかし、今日場をともにした方に対し、年齢を推測してかける言葉や態度を変えていたことに気づき、ハッとしました。背景が見えないからぱっと見の雰囲気でラベリングをしているんだなと思いました。TAKIBIの場でびっくりありがたい体験をさせてもらいました。
推測でモヤモヤが起こることも多いのかも?と思ったので、まずは自分が「見えている景色を伝えること(背景を知ってもらうこと)」そこから“意見を伝える”第一歩が始まるんだなぁ!取り組んでみたい、もっと伝えてみたくなりました!

みなさん熱い感想を綴っていただき、本当にありがとうございます!



TAKIBI Vol. 1は秋以降も継続して開いていきたいと思っています。
参加に興味がある方は曜日や時間などご相談できればと思いますので、noteのコメントや各種SNSで教えていただければと思います。

また、この多様性・公平性・構造的差別の考え方は今後コミュニケーションの常識になっていくと思っています。
TAKIBIという場に限らず、企業や学校でも多様性・公平性・構造的差別について話し合う場を設けてほしいというお声もお待ちしています。
多様性・公平性・構造的差別について知ることは、みんなが生きやすい社会を創っていくためにとても大切なことだと思っているので、色んな方とコラボレーションできると嬉しいです。


次回のTAKIBI Vol. 1では、さらに幅広い背景をお持ちの方のご参加をお待ちしています!
みなさんぜひお誘い合わせて、ご参加ください。


すべての人が組織や社会の中で自分らしく生きられるようにワークショップのファシリテーションやライフコーチングを提供しています。主体性・探究・Deeper Learningなどの研究も行います。サポートしていただいたお金は活動費や研究費に使わせていただきます。