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君はいい俳優だ

『SWICHインタビュー 達人達』(NHK Eテレ、2015年9月5日放送)という番組で、リリー・フランキーさんがいいことを言っていた。

彼は大好きだった石井輝男監督に誘われて、『盲獣VS一寸法師』(2001年)でいきなり主演デビューすることになったそうだ。その時のエピソードを、リリーさんはこう語っていた。

「その映画が終わったときに、石井輝男さんが僕に言ってくれたのは、『君はいい俳優だ』って言ってくれたんですよ。『何でですか』って聞いたら、『君はね、セリフ覚えてなくて、言えなくても、僕がOKって言ったら涼しい顔で楽屋へ帰る。それでいい』って。『マズイ役者は言うんだよ。もう一回やらしてくれって』って。『監督ってのはね、もうここのシーンいらねーなとか、もう編集しながら映画を撮ってる。君が涼しい顔して帰ってくれるっていうのは僕のことを信頼してくれてるからなんだ』って。『じゃあこれからもそうします』って」

なんだかしんみりいい話だ。

ちょっと飛躍するかもしれないけれど、僕らも自分たちの人生というものを、もっと信頼してもいいのかもしれない。

自分で「失敗したなあ」と思っても、それを演出している神様(?)は、きっとそれでOKを出しているのだ。最終的にそれを編集するのは神様の仕事(ということにしておく)。だから僕らは涼しい顔して楽屋に帰れば「それでいい」。

とすれば、そのことをすでに知っていたのが、「これでいいのだ」のバカボンのパパだった、ということなのかもしれない(笑)。

ダメな自分に遭遇した時こそ、僕らはもっと涼しい顔をして生きていればいいのだ。

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