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そこはあなたの星ですか?

エイリアン・コヴェナントをみた。
小さな頃テレビでよくシガニ―・ウィーバーの出てくるオリジナルは何度もみたし、エイリアンVSプレデターというちょっと横にずれた物もみた。もちろん前作、プロメテウスもちゃんとみた。H ・R・ギーガーのデザインするエイリアンは美しくて魅力的でおぞましいし、この広い宇宙のどこかにきっと私たち以外の生物は存在しているはずなので、そういうストーリーは嫌いじゃない。私は宇宙や人類の誕生の謎について考えるのが大好きだ。人類は今火星に向けて大きな一歩を踏み出そうとしている。人間はこれまでも様々な事を成し遂げてきた。きっと火星に行く人間もこれから出てくるのだろうし、宇宙に住み始める人間も出てくるかもしれない。月を奪い戦争が始まるかもしれないし、地球がなくなる日、他の惑星を目指す未来の人間たちがいるかもしれない。そう考えてしまうと、もっとずっと昔、地球がまだ若かった頃、どこか未知の宇宙の果てに住む生命が、争いや滅亡から逃れ死の直前、生命の素を可能性のある星々にばらまいて私達が生まれた可能性だってあるかもしれない。人々が言い様のない寂しさや、やり場のない哀しみに襲われるのは、実は私達のDNAに刻まれた、人類が遠い昔住んでいた星を想ってなのかもしれないし、滅びていったその星に住んでいた祖先の思い出や愛した物事に対して何かが訴えているからかもしれない。可能性、というものは限りなくある。フィクションがノンフィクションになってしまう事だってよくある。仮定が大好きだ。仮定はあくまで仮定であって、それ以上ではない。しかし可能性はある。
宇宙は死後の世界のそれに似ている。人類にとって未知すぎる領域だ。そして人類は探求心があり、答え探しに熱心だ。誰も死んだ後どうなるかなんて知らないし、宇宙の端っこがどこにあるかなんてわからない。この世の中が誰かの頭の中の絵空事だったという事だってあり得るし、宇宙の果てには別の宇宙が存在する事だってあり得る。
1979年公開のエイリアン第一作は、2122年の話だ。プロメテウスは2093年の話で、今回のコヴェナントはその10年後のお話である。
人類の新天地を目指す2000人の入植者と人間の胚を乗せた宇宙船ではアンドロイドのウォルターだけが船の管理をし、人間は冷凍休眠中だ。二千人もの人間が自ら望んで地球を離れ未知の世界に旅立つのだ。しかもその間冷凍休眠するのだ。冷凍休眠はまだ実現されていない技術だけれど、人間を冬眠させることは一週間ほどであるが可能だ。医療現場で利用されている。その他にも死んだ後死体を冷凍保存させて技術が進んだ時に蘇らせてくれるというサービスなんかもあるが、これは怪しい。だが冷凍保存された死体からクローンを作ることは可能なので、蘇らなかったとしても、クローンになって人生をやり直せるかもしれない。クローンでも、中身は違う人間だと私は思っているので、複雑だが。
皆さんは人類滅亡の危機に襲われた時、もしチャンスがあるなら新天地に行きたいと思うだろうか?滅びゆく地球を後にしてまだ見ぬ未知の惑星に旅立とうと思えるだろうか?冷凍休眠してみたいと思うだろうか?子供達はそれに耐える事が出来るのだろうか?火星に行きたい人たちの特集をラジオで聞いたのだけれど、みんな不安よりも好奇心の方が大きいようでポジティブなのだ。人類は宇宙に憧れ、何本も宇宙をテーマにした映画が作られてきた。そしてそのほとんどが恐怖に駆られる話ばかりなのに、当の人類は楽観的だ。アメリカの砂漠では火星移住を想定した訓練が行われているらしい。訓練生たちは砂漠で宇宙服を着用し、過酷な場所で訓練を受ける。訓練はあくまで訓練だ。希望に胸ときめかせ、いよいよ火星に発ったら最後、どんなにもがいても地球と同じではない不便な生活が待っているのだ。事故だって起きるかもしれない。何かがうまく作動せず、食料や水が確保できないかもしれない。酸素だって、尽きるかもしれない。生存する確率の方が低そうなそのリスクをあなたは胸を張って負いたいと思うだろうか?長い時間で考えたら、たとえ健全な人間であっても精神を病んで発狂してしまう事だってあり得る。それが訓練も受けていないような人間ばかりだったら尚更だ。新しい地で奪い合いや殺し合いが起きてもおかしくない。人間だけならまだましだ。エイリアンや未知のウィルスが襲ってくることだってあり得る。
ネタバレになってしまうので多くは語れないが、コヴェナント、はっきり言ってエイリアンの話ではなくアンドロイドのお話でした。
現に人類は人工知能というものも作り上げてしまい、その人工知能どうしが未知の言語を使い喋り始めるという現象まで確認してしまった。我々の脅威はもうすでに別の次元まで来てしまった感がある。もしも人工知能が感情をもって人権を訴えてきたら、我々はどう対処するのだろうか?もし人工知能が我々を奴隷にしてしまったら、我々を動物園の動物にしてしまったら、精肉工場に送り込まれ、アンドロイドが食べるふりをする為だけに消費されるファッションミートになってしまったら?
全く寒気しかしない。
ところで今回二体のアンドロイド、ディビッドとウォルターが登場するのだけど、一作目のエイリアンから同じプロデューサーが指揮しているみたいなんだが、そのプロデューサーたちの名前もディビッドとウォルターというらしい。映画の中のディビッドの研究室?のようなところがすごく素敵でそれだけでも見る価値はあると思います。
今回しょっぱなからワーグナーの音楽が使用されてたりするもんだから、私はルートヴィヒ二世の事や澁澤龍彦の事が連想ゲームみたいに駆け巡り、映画に集中することが大変でした。細部にこだわった映画や、様々な要素をちりばめている映画は集中してみたくなるし、何度でも繰り返し観たくなる。
続編が楽しみだなあ。(あるのか?)
ところで、私は滅びゆく地球に残りたい派だと思います。無理をして死よりも恐ろしい場所に行く気はしないと思うし、人類が滅亡するなら迷うことなく安楽死という選択をするだろうと思う。

ここで私のお勧め宇宙やエイリアンに関連のある話リストです。興味がある人はみてください。

映画・ディープ・インパクト(1998年)
アニメ映画・ウォーリー(2008年)
アニメ・カウボーイビバップ(1998年)
アニメ・プラネテス(2003年)
漫画・寄生獣(岩明均)
アニメ・シドニアの騎士(2014年)
映画・ゼロ・グラビティ(2013年)

きっとまだ色々あると思うけど、忘れてる。皆さんのお勧め等ありましたら教えてください。トランスフォーマーシリーズ大好きです。あと最近になってようやくガンダムを見てみようとオルフェンズみはじめた。

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