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【企画展】対峙する眼 | 岡本太郎の「静」と「動」。

青山の街のなかにすっとスマートに佇む岡本太郎記念館。

アトリエ兼、自宅として使用していたことが垣間みえる「静」と

熱量高い作品たちが放つ「動」のエネルギーが、まざりあう。

それが岡本太郎記念館をおとずれた印象です。

ではただいま開催されている企画展とあわせて感想を書いていきたいと思います。

0. 岡本太郎ってどんな人?

岡本太郎(1911〜1996)

日本の芸術家です。

代表的な作品は、1970年の大阪万博の「太陽の塔」(現:万博記念公園)やいま渋谷駅の構内に展示されている巨大な壁画「明日の神話」などがあります。

作品だけでなく、ご本人もメディアに多数出演されていたので、ご存知の方も多いことと思いますが、ざざっと簡単に。

1911年(明治44年)漫画家の父、一平と、小説家の母、かの子のもとに川崎市で生まれます。

東京美術学校(現東京藝術大学)に入学するもすぐに退学し、家族で渡仏。

太郎は一人パリに残り芸術を追求します。

ピカソの絵に感銘をうけて抽象芸術を学んだり、パリ大学で民俗学を学んだりしながら、世界の芸術家と交流を重ねていきます。

が、第二次世界大戦の影響でやむなく日本に帰国。戦地にも赴いています。

戦後は、前衛芸術家として精力的に活動を続け、メディアにも出演。

力強い作品と情熱的なメッセージは今でもなお、大きな影響を与え続けています。


1. 【企画展】対峙する眼

1月31日まで開催予定だった企画展「対峙する眼」が延期になり3月14日(明日!)まで開催になっていました。

岡本太郎さんの作品の「眼」に着目した作品たちが展示されています。

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このトランプのクイーンが好きでした。

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上のクイーンは儚げな表情に対して、下のクイーンはキッとした表情でこちらを見ている。この二面性を感じさせる表情と構図がカッコいい。

そして作品を見ていて思ったことがあります。

近くで眺めていると、これ、何の絵だろう?ちょっとこわいと感じるときがある。

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でも、絵から離れて全体をみると、なんだか愛らしく見えたりするんですよね。

ちょっとユニークというか、楽しそうにすら見えてくる。この感覚不思議だなと思いました。

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でもこれって、人と似ているのかも、な、とふと思いました。

この人、変わってるなー、とか、苦手だなーと人のある一部分しか見ていないと不快に思うときもある

でもその人をひいて全体を見てみたら、なんだ、やさしいところもあるんだ、かわいいとこもあるんだ、なんて見えてきたりする

苦手、とか思うのはこちらの視野の狭さだったりするのかもしれないな、と太郎さんの作品たちをみて感じました。

2. 太郎さんのアトリエ。

青山の岡本太郎記念館は2Fが作品の展示、1Fは太郎さんが実際につかっていたアトリエを見ることができます。

ちなみにこのアトリエに向かう廊下をぬけると、絶妙な角度で太郎さんがいて、ばっちり眼が合うので、ちょっと「ひぃ」ってなります。

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わたしの後ろからきた方も「ハッ!!」と大きな声を出していました。

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太郎さんがまだそこにいるのではないか、と思うほど、絵の具もキャンバスもそのままたくさん置かれています。

博物館のような空気感ではなく、太郎さんのおうちにおじゃました、という感じです。

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応接室?のテーブルにおいてある太郎グッズも激かわいい。そして窓から見えるお庭の作品たちにも癒やされます。では実際に外に出てみましょう。

3. 岡本さんちのお庭。

お庭にも太郎さんの作品たちがたくさん。

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なんだか「置いてある」、というより「遊んでる」みたいに見えました。

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お二階のベランダから「太陽の塔」がのぞいてるよー。

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木のかげにいました。みーつけた!

4. 癒やしと活力が得られる場所。

岡本太郎記念館は、対局する「静」と「動」のエネルギーが混ざり合っているからこそ、「癒やし」と「活力」を与えてくれる場所だと感じました。

ほとばしるエネルギーのような作品群の「動」

そしてその作品を「ご自分と静かに向き合いながら作品を生み出していた」のでは、と感じるアトリエが発する「静」

見ているだけで、その場にいるだけで、肩の力がすっとぬけて、よし!わたしもまたがんばろう!と思える、そんな時間を過ごすことができました

作品からも、言葉からも、存在からも、勇気づけられる岡本太郎さん。

また次の企画展も、そしてお庭の植物が違う表情を見せ始める季節にもまた訪れたいなと思いました。

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※岡本太郎記念館の敷地内にあるカフェ「a piece of cake」のお話も書きました。


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