見出し画像

女性ホルモンはコレステロール上昇を防ぐ味方!?更年期にとりたい薬膳

健康診断を受けて、コレステロール値が気になっている人も多いと思います。女性のコレステロール値は、女性ホルモンの影響を受けているため、気をつけるべき時期が男性とは異なるのです。
本記事を読んで、女性ホルモンとコレステロールの関係や、対策の一つである薬膳について知っていただき、ぜひ健康的な身体を手に入れてください。


コレステロール値とは?

コレステロールと聞くと悪いイメージが真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、細胞膜やホルモン、胆汁酸をつくる材料であり、身体に必要な栄養素です。
食事から吸収されるのは3割程であり、残りの7割は肝臓などで合成され、体内で適量を保つようにうまく調整されています。

コレステロールには2種類あります。

・HDL(善玉)コレステロール … 余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す役割
・LDL(悪玉)コレステロール … 肝臓からコレステロールを全身に運ぶ役割

このコレステロールの生成と回収がバランスよく行われることが大切です。
しかし、加齢やストレス、食生活の乱れ、運動不足などが原因となり、HDLコレステロールとLDLコレステロールのバランスが崩れると、悪玉コレステロールが増えて動脈硬化などを引き起こす要因の一つとなります。



女性と男性ではコレステロール値が上がりやすい時期が異なる

20〜30代の女性でコレステロール値が高いという人はあまり見かけないですよね?その背景には、女性ホルモンがコレステロールの上昇から守ってくれているからなのです。

女性ホルモンの一つである「エストロゲン」は、LDLコレステロールを減らしてHDLコレステロールを増やす働きがあります。そのため、ストレスや食生活の乱れが多少あっても、コレステロールの急激な上昇を抑えてくれているのです。

しかし、女性ホルモンが徐々に下がってくる40〜50代になると、それまで保たれていたコレステロールのバランスが崩れやすくなります。そして、悪玉コレステロール値は急激に上昇して、男性の平均値よりも上回ってしまう人も多いのです。

令和元年 国民健康・栄養調査の数値を参考にグラフを作成

女性ホルモンとコレステロールのバランスが変わる時期に対策をしていないと、健康診断でコレステロール値が要検査となり、高脂血症などを引き起こす可能性があります。身体が変わりやすい時期だからこそ、早めの対策が必要なのです。


お腹周りの脂肪はコレステロール上昇のサイン?

エストロゲンは内臓脂肪の燃焼を促す働きもあります。そのため、エストロゲンの分泌が減ってくると、内臓脂肪を燃やす働きが弱まり、お腹周りに脂肪がつきやすくなります。

エストロゲンが低下して更年期症状が出る人もいますが、あまり気にならないという人もいます。最近、腹囲が上がってお腹周りの脂肪が落ちにくくなったという人は、エストロゲンの低下とコレステロールが上昇しやすくなっているサインかもしれません。



40代から始める早めの薬膳


更年期症状が出てから気になり始める人も多いと思いますが、エストロゲンが急激に下がってしまうと内服薬などの治療が必要になる場合もあります。
症状が気になる前から体調・体質を整える工夫をすることで、早めに対策がとれて、体調不良を起こしにくくなります。

その一つの方法として、普段の食事を工夫できる薬膳をおすすめします。


  • お肉より魚介類を食べる

魚(特に青魚)には、不飽和脂肪酸(DHA、EPA)が含まれており、HDLを維持したままLDLコレステロールや中性脂肪を減らし、血液の巡りをよくする効果があります。

コレステロールの生成・排出に関わる肝。中医学でも肝は「気・血」を巡らせ、代謝に関わっていると言われています。肝が弱まると、気・血などの巡りが滞ってしまい、代謝や解毒作用も弱まってしまいます。そうすると、コレステロールのバランスが崩れるだけでなく、イライラ、めまいなどの症状も出やすくなります。

肝のパワーを補う食材には魚介類が多いため、お肉より魚介類を食べるようにするのがおすすめです。

いか、たこ、あさり、しじみ、ホタテ、カキ、サケ、さば、さんま、アジなど


  • 大豆などの豆類で身体を整える

大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きを持つことでも知られており、大豆タンパクにはコレステロールが体内に吸収されるのを抑える働きがあります。

また、薬膳では更年期になると「気・血・水」のすべてが少なくなり不足しやすいと言われています。そのため、身体を潤すためにも豆類は積極的にとりたい食材の一つです。

豆乳、豆腐、黒豆、とうもろこし、大豆など


  • 巡りをよくする食材を追加する

巡りが悪くなっていると、肝のパワーを補う食材をとってもうまくエネルギーが循環しない可能性もあります。そのため、巡りをよくする食材もとるとより体質がよくなりやすいでしょう。食材の一つに使用したり、果物やお茶は食後のデザートなどとして取り入れるのがおすすめです。

たまねぎ、らっきょう、そば、パセリ、みかん、オレンジ、グレープフルーツ、ゆず、ジャスミン、ローズなど




まとめ

女性ホルモンとコレステロールには関連がありますが、やはり早めの対策が重要といえるでしょう。普段の食事などを少し気をつけるだけで、体調不良に悩まされないように工夫することが可能です。

もちろん悪玉コレステロールを増やさないためには、油の多い食事を摂りすぎないことや、適度な運動習慣、規則正しい生活リズム、ストレス発散、禁煙なども大切です。身体が変化する時期でも、自分をいたわり健康的に過ごしましょう。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?