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『いい意味で』深く考えて、ハマる映画だった。

香取慎吾と岸井ゆきの主演の映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』を観た。

私は、岸井ゆきのさんが大好きなので、今回の映画もツボにハマった。


『いい意味で』が口癖の夫と、”旦那デスノート”を書いている妻。

この映画は『いい意味で』変わっている夫婦の、不思議な物語。

この夫婦だからこそ成り立つ、独特な世界観があっておもしろかった。


夫婦でも、もちろん他人同士だから、価値観も違って分かり合えないことがあるのは当たり前で。

でもそれは、直接言わないと分からないし伝わらないということは、この映画でも表現されていた。


”夫婦”という形にとらわれてしまったことで、"ふたりだけの世界"にあった楽しさを忘れてしまって。

お互いに、現実から目を背けて向き合わなかったから、妻が一方的な別れを押し付けることになった。


この映画で私は、香取慎吾が演じる夫の口癖『いい意味で』という言葉について考えた。

『いい意味で』は、褒め言葉にも聞こえるけれど、遠回しにネガティブな表現にも思えてきた。

『いい意味で』かわいい。

『いい意味で』おもしろい。

『いい意味で』変わってる。


そんな、『いい意味で』のあとに言葉を足すと、『どういう意味で?』と聞き返したくなる。

『いい意味で』という言葉は、よく考えると褒めているようにみせて、適当に流されているだけなのかもしれない。

そして、これだけ『いい意味で』を使いすぎると、よく分からなくなる、ということ。


だから、この夫は『いい意味で』という言葉を使うことで、本音で向き合うることから逃げていたり、"褒めている風"にしていたんじゃないかな。


とにかく、この夫婦だけにしか分からない独特な世界のおもしろさは、観ていて楽しかった。

やっぱり岸井ゆきのさんの演技と雰囲気は、リアルな日常を表現するのが上手で大好き。




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