豆塚エリ(まめん)

ゆるふわポエムガール。車椅子ユーザー。温泉街で猫と楽しく暮らしてます。生きづらさについ…

豆塚エリ(まめん)

ゆるふわポエムガール。車椅子ユーザー。温泉街で猫と楽しく暮らしてます。生きづらさについてよく考えます。エッセイ「しにたい気持ちが消えるまで」三栄より2022年9月16日発売。

マガジン

  • しにたい気持ちが消えるまで

    三栄より2022年9月16日に出版されたエッセイ「しにたい気持ちが消えるまで」の試し読み、noteで見つけた感想をまとめたマガジンです。

  • 小説「ネイルエナメル」

    ナツの指先はいつもきれいだ。 退屈な数学の授業に頬杖をついているときも、鏡の前で唇をつきだしてメンソレータムのリップクリームを塗っているときも、ナツの指先はネイルエナメルで輝いている――。 高校二年に進学した純子は、斜め前の席のナツに恋をする。ナツには社会人の恋人、モリモトサンがいた。 17歳、セーラー服。 たったひとつが欲しくて、すべて壊してしまう。

  • 画家と詩人の往復書簡

    画家二宮敏泰との詩と画による往復書簡

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    二宮敏泰原画(額装込み)船と少女シリーズ①

    画家・二宮敏泰のよる原画です。額装・送料込みの価格となります。額装のイメージはアイテム画像の2枚めと3枚めをご覧ください。お届けまでに約2週間かかります。船と少女シリーズ①鉛筆画
    ¥25,000
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    二宮敏泰原画(額装込み)動物玩具シリーズ①

    画家・二宮敏泰のよる原画です。額装・送料込みの価格となります。額装のイメージはアイテム画像の2枚めと3枚めをご覧ください。お届けまでに約2週間かかります。動物玩具シリーズ①鉛筆画
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【短編小説】月をはらむ川

恋人を待っていた。 校門の前、ビニール傘に雨がぶつかる音。花壇に植えられた葉牡丹が、雲に厚く覆われた空を見上げていた。 先刻より雨は弱まった。校舎の窓から見た時は、まるで霞がかかっているように見えるくらい、しのつく雨が降りそそいで、いつもなら遠くに見える墓地公園の森の茂みが白くぼやけて見えなかった。 重く湿った空気がまとわりつき、しんしんと寒い。リノリウムの床は結露で滑りやすくなっていて、上靴がキュッキュッと音を立てた。誰もいない辛気臭い美術室でストーブもつけずにイーゼルに向

    • 【短編小説】ミラージュ

      ミラージュ、という言葉の響きに私はゲンナリした。 「昨日入荷したばかりの、数量限定のお色です。よくお似合いですよ」 鏡の中の自分の口元が薄っすらと歪むのを誤魔化すように、私は両唇を合わせた。 「ええ、素敵ですね」 私はすばやく椅子から立ち上がる。ハイヒールがコツ、と床を叩く。 元々コットンと化粧水を買いに訪れただけだ。カウンターにずらりと並んだルージュを何の気なしに手にとった。秋らしい、こっくりとしたブラウンレッド。まばゆい照明にパールが艶めいた。お試しになられますか、と声を

      • 【短編小説】かげぼうし

        逃げよう、と言うので、そうした。佐々木さんは冗談が面白い人で、だからといってこれを冗談と思ったわけではないけど、でも、佐々木さんの冗談のように面白そうだったのだ。 ひとを笑わせる能力って、なんだか、安心感がある。無駄な力が抜けて、なんでもどうにかなるような気がしてくる。そんな感じだった。 逃げよう、とわたしの手を握って、にかっと笑うから、わたしも何だかおかしくなって、くすくす笑いながらうんと答えて、佐々木さんの大きくて厚ぼったくて温かい手を握り返した。 佐々木さんは子供みた

        • しにたい気持ちが消えるまで―第一章―可愛いお人形さんになれなくて、男になることにした

          最初の記憶は、キッチンにぺたりと座り込んで、うなだれて、子供のように泣いている母の背中。色白の母の足の裏は一層白くて、作り物みたい。お腹が空いているのかもしれない、と思って、私は哺乳瓶を探す。けれど、それは手の届かないところにある。どうしようもなくて、私は呆然と母を見ている。その時の私はまだ、かける言葉というものを知らない。 その次の記憶は、街の夜景を見下ろす大きなガラス窓に写り込んでいる、不機嫌そうな私。母の迎えを待っているのだ。同い年くらいの子どもたちは、かけっこをして

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          しにたい気持ちが消えるまで―序章―ベランダ

          ベランダ この日のために生まれてきた そう思えて ならないのです 12月のそらは くもりひとつなく あたしを包んでいます ビルディングだらけの近所は もう二年も付き合っているというのに 無愛想なまま でもそれでいいのです きっとあたしの踏みしめたアスファルトは あたしの足のサイズくらいは 薄ぼんやりと覚えてくれている はずですから この日のために生まれてきた そう思えて ならないのです 国道10号線を走る車たちは 今日も あたしの知らないところへ だれかを連れて行っている

          しにたい気持ちが消えるまで―序章―ベランダ

          JR駅無人化反対訴訟の第4回口頭弁論傍聴してきたよ(後編)

          14時ちょうどに口頭弁論が始まる。まず準備書類に関する確認のやり取りがあり、徳田弁護士の意見陳述、今後の日程の確認。なんと10分と少しで閉廷。今回は弁護士による意見陳述のみで、法廷では原告の言葉は聞けず、また被告も発言することはなかった。海外映画の裁判劇のようなものを想像していた私はちょっと拍子抜けだったが、その後弁護士会館に移動して今日の総括と意見交換とが行われ、そちらにも参加した。 徳田先生による意見陳述の内容についての解説があり(内容については前編を御覧ください)、原

          JR駅無人化反対訴訟の第4回口頭弁論傍聴してきたよ(後編)

          JR駅無人化反対訴訟の第4回口頭弁論傍聴してきたよ(前編)

          11月11日、大分地方裁判所でJR駅無人化反対訴訟の第4回口頭弁論が行われたので、傍聴に行ってきた。 提訴から1年以上が経過しているが、そもそもの事の始まりは4年前。大分市内の8駅で、無人駅化の動きがあった。駅員の代わりに監視カメラを置いて、前日の午後8時までに予約がある場合には係員を派遣するSSS(スマートサポートステーション)計画が明らかに。 車椅子の私が電車に乗るときには介助が必要だ。電車とホームの間には段差や隙間がある。1人では乗り降りができず、簡易スロープを置い

          JR駅無人化反対訴訟の第4回口頭弁論傍聴してきたよ(前編)

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          別府市 "太陽のうた" 〜We are you〜

          別府市の公式PR動画に出演しました!「障がいの有無・性別・世代・国籍に関わらずすべての人にむけておもてなしを届けたい」バリアのない観光都市別府へ♨️ これから市の公式HPへの掲載、庁舎正面玄関ロビーでの放映などを行い、広く情報発信していくとのことです。 歌名:太陽のうた 作詞:別府市民・清川進也 作曲:清川進也 歌手:永山マキ (http://www.iima-music.com/news.htm) 制作:別府市 プレスリリースに寄せて文章書きました。以下↓ 別府に暮らし始めてちょうど10年になります。 10年前、当時女子高生だった私は生きづらさから自殺未遂をして重度障害者になって、もといた家に住めなくなり、学校はやめざるを得なくなり、うちにはお金もなくて、にっちもさっちもいかない状況でした。そんな私を救ってくれたのが別府の街の人たちでした。 彼らはよそ者だった私をあたたかく迎え入れてくれて癒やしてくれました。車椅子の私のために協力して温泉に入れてくれ、住める家を探し、私に出来る仕事も与えてくれました。別府は、源泉かけ流し、湧いても湧いても次々溢れてくるアツアツの別府温泉のような豊かな人情の街です。 だから私は別府市民になることを決めました。私もそんな街の人になりたい、助けてもらったように、私も誰かをあたたかく迎え入れたいと思ったのです。それは10年経っても変わらず、街の人たちに助けられ、私もちょっぴり役に立ちながら(?)楽しく暮らしています。 ところが今、観光都市である別府はコロナで苦しめられています。別府では働く人の9割近くが宿泊業や飲食業を含むサービス業に従事しています。町の人達の暮らしはひっぱくし青息吐息です。ソーシャルディスタンスは孤立感も深めます。精神的にも追い詰められ、不安でいっぱいです。こんな私でもなにか出来ることはないか、と思っていた矢先に、このPR動画のお話が。別府への恩返しの気持ちで出演を決めました。いつかこの街の人たちに「独りじゃないよ」と救われました。だから私も言いたい。独りじゃないよ。皆で助け合ってなんとかやっていこう。そんな思いが伝わる動画になっていることを願います。 最後に市長をはじめ市民の皆様、このような恩返しの機会を与えてくださってありがとうございます。なかなか綺麗事だけじゃどうしようもない世の中だけど、それでも理想を持ってやっていきたいものです。こんな時だからこそ、別府が市民もお客様も誰一人取り残さない、ユニバーサルな街になるように、市政も今まで以上に支援してください。

          別府市 "太陽のうた" 〜We are you〜

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          画家と詩人の往復書簡 2021.3.2

          売られたって別にかまやしない 欲しがるやつに全部やるだけさ そもそも何もないものあるのは からだひとつこころひとつだよ 私が生きてる限り心は私のもの そろそろ支払うべきでしょうよ 操り人形だって嗤ってたやつら これから喜劇が始まる私たちの ためだけの喜劇、ゲームはもう 既に終わってるから待っててね

          画家と詩人の往復書簡 2021.3.2

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.26

          女の昼と夜は ぱっくりと分けられて 方や夜は明けず、 方や日は沈まない

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.26

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.19

          どの私も私でしかないのなら 私は祈ることをやめる

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.19

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.9

          ほとほと疲れてしまう 怒りや悲しみに浸ること ママは手紙を待ってばかりいます 愛なんてそもそもが嘘なのに 大切なものなど手に入りはしない 何を食べてもサボテンと変わらない 暴いて意味を充填させようとする大人たちと 生き延びるため無視され続ける身体 喋りたいことはたくさんあるのに まるで通り過ぎていく いつまでも小さな子供のまま 燃えさかる街を観ている クリスマスにはリボンをください やわらかくてすべすべする どこにも行けないままに いつか選ばれる夢を見ます

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.9

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.8

          どこにもたどり着くことのない夢、 望まれた形の器に融かし切れないもの 不感症の男達 愛の名の下に跪かされ 女は名を、身体を、子供を 永遠に奪われる

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.8

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.1

          先生、あなたは、鏡に映った私。 白い足の裏に縫い止められた黒い影。 背中に張り付いている羽根。 先生、あなたは、水たまりを覗き込む私を、 水たまりの中から見つめている。 口から出るものは嘘、目に入るものは本当。 ひとも自分さえも騙して 幻想に埋没する私を、 じっと見ていてください、 先生、言葉が過つ時 私にはなす術もありません。 孤独は瞬く星のようで 途方もなく隔たっている。 けれど見上げればそんな星々が 大勢いることを知れる。 あらゆる破壊があっても 永遠はひ

          画家と詩人の往復書簡 2020.7.1

          【短編小説】 余白の日々

          出欠を取り終えたので、私は重たい学生鞄を持って席を立った。 必要なものをぜんぶ詰めてあるから、ぱんぱんに張り詰め、肩にかけるのも一苦労だ。 わきをしめ、鞄を身体に密着させて持つ。盾みたいだ、とおもう。あるいは銃か何かか。 武装は必要だ。私は弱いから。 人って、視線を感じるものなのだろうか。 席についてじっとしていると、シャープペンシルでかりかりとひっかくような、つめたい痛みを感じることがある。 ほんとうにそんな視線を浴びているのか、目を上げることができないから、確認するこ

          【短編小説】 余白の日々

          【短編小説】ゆきのふらないまちの雪

          その日の寄宿舎は、深夜から十七年ぶりの雪が降る、という話題で持ちきりだった。 先週末、冬休みに入ったため、ほとんどの生徒が里帰りをしており、いつもよりひそやかではあるが、普段と変わらず、清掃員のおじいさんや調理人のおばさんたちの景気の良い挨拶とチャイムの音で一日が始まった。 食堂からは焼き立てのパンと温かいスープの匂いが漂い、洗濯室にはせっけんの清潔な香りが充満し、体が不自由な生徒の世話をするシン先生のテンポよく打ち鳴らされる踵の音が廊下に響いた。 目の見えないマリは眠りか

          【短編小説】ゆきのふらないまちの雪