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画家と詩人の往復書簡

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画家二宮敏泰との詩と画による往復書簡
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記事一覧

画家と詩人の往復書簡 2021.3.2

画家と詩人の往復書簡 2021.3.2

売られたって別にかまやしない
欲しがるやつに全部やるだけさ
そもそも何もないものあるのは
からだひとつこころひとつだよ
私が生きてる限り心は私のもの
そろそろ支払うべきでしょうよ
操り人形だって嗤ってたやつら
これから喜劇が始まる私たちの
ためだけの喜劇、ゲームはもう
既に終わってるから待っててね

画家と詩人の往復書簡 2020.7.26

画家と詩人の往復書簡 2020.7.26



女の昼と夜は
ぱっくりと分けられて
方や夜は明けず、
方や日は沈まない

画家と詩人の往復書簡 2020.7.9

画家と詩人の往復書簡 2020.7.9



ほとほと疲れてしまう
怒りや悲しみに浸ること
ママは手紙を待ってばかりいます
愛なんてそもそもが嘘なのに
大切なものなど手に入りはしない
何を食べてもサボテンと変わらない
暴いて意味を充填させようとする大人たちと
生き延びるため無視され続ける身体
喋りたいことはたくさんあるのに
まるで通り過ぎていく
いつまでも小さな子供のまま
燃えさかる街を観ている
クリスマスにはリボンをください
やわらかく

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画家と詩人の往復書簡 2020.7.8

画家と詩人の往復書簡 2020.7.8



どこにもたどり着くことのない夢、
望まれた形の器に融かし切れないもの
不感症の男達
愛の名の下に跪かされ
女は名を、身体を、子供を
永遠に奪われる

画家と詩人の往復書簡 2020.7.1

画家と詩人の往復書簡 2020.7.1



先生、あなたは、鏡に映った私。
白い足の裏に縫い止められた黒い影。
背中に張り付いている羽根。
先生、あなたは、水たまりを覗き込む私を、
水たまりの中から見つめている。

口から出るものは嘘、目に入るものは本当。
ひとも自分さえも騙して
幻想に埋没する私を、
じっと見ていてください、

先生、言葉が過つ時
私にはなす術もありません。

孤独は瞬く星のようで
途方もなく隔たっている。

けれど見

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