起業編2-起業は本当に限られた人しかできないの?

こちらのnoteは「mameka記」シリーズになります。

「君さ、軽々しく資金調達とか言ってるけど、社会を変えるほどのアイデアじゃないと意味ないからね。資金調達をした後も、しっかりと上場を見据えてEXITしてくれないと僕はリターンを得ることができないんだから。君自身が変わらないといくらアイデアをもってきても変わらないよ」

とても甘かった。”起業””資金調達”、人生を賭けるほどの覚悟が必要だと身に染みた。凡人には、言葉に出すことすら叶わないのか。

この人は、Yさん。スタートアップで結果を残し、独立後、フリーランスで活躍しながら、今やエンジェル投資家をしている方だ。信頼のおける知り合いから紹介してもらった。

「米国では、40代起業家の成功率が1番高いという統計もある。君は、既に20年ビジネスの経験を積んでいる人たちと比べて何が優れているの?」

言葉に詰まった。正直、自分には、技術力もないし、実際に企業を経営した経験もない。

「いいかい、学生や若手にとって、起業するにあたって、なぜビジネス経験が重要か今から3つ教える」
「まず1つ目、成功するビジネスは何度もピボットしている。つまり、適切なタイミングで『誰の』『どの課題を』『どう解決するか』を変えている」
「1発目のアイデアだけでは、甘すぎる。『これがやりたい』『このアイデア1本でいきたい』ではなく、筋の通った事業の理念が必要だ。そして、その理念に基づき、時には、痛みも伴いながら、自らを変える。起業家は、その変化を起こすだけでなく、それに耐え得る適性をもっている」

確かに、恥ずかしながら、学生のときは、ビジネスプランコンテストでアイデアが評価されれば、実際に上手くいくのかな?と思っていた。

しかし、アイデア自体は、全く意味がなく、アイデアを形にするところからがスタートラインなんだ。アイデアを形にするためには、周りを巻き込むビジョン、そして、変化することを前提に、それに耐え得るだけのメンタルをもっている必要がある。

「2つ目に、最近の起業家は、大手企業の会社員として一定の成功を収めている人が多い。その人たちは、企業の看板を活用して人脈を築いている。人脈を築くのも戦略のうちの1つだ。そもそも自分1人で何かを起こせるのはほぼ100%不可能だ」

人脈のなさ・繋がりのなさはまさに今の自分に当てはまることだ。起業して成功いる人は、もっと前から、人脈を広げることを意識しながら生活していたのか。そもそも、今の自分は、どのように人脈を広げていいのかすらわからない。

「3つ目に、データをもとに戦略を立てること。東証マザーズ時価総額ランキングで上位を占めているのは、freee、ラクスル、SanSan、ビジョナル、ユーザーベース、セルソースといったBtoBビジネス。これには、理由があると問いをもったほうがいい。法人向けビジネスの可能性を閉ざさない。君は一体どれだけ企業のことを知っている?」

ビジネスというのは、限りなく多くのステークホルダーがいて、各々の利害という歯車が一致して、回り始めるということは、企業人として経験を積んではじめてわかったことだ。

そして、実際に企業に入社するまでは、稟議や社内プロセスなど、企業がどのように意思決定をしているのかを知らなかった。

また、この新商品は画期的だと思っても、競合他社の商品が競合となるのではなく、業界の商慣習や現場の人たちのやり方が、実は潜在的な阻害要因になり得ることなど全く知らなかった。

確かに、周りを見ても、学生のうちに起業しているビジネスは、大抵、メディア、就職・転職、イベント・サロン系が大半だった。

実際の東証マザーズで成功しているこれらの企業は、創業者自身が会社員時代の経験をもとにして起業しているような事業ばかりだ。

「3つのポイント理解しました。ありがとうございます」

私は、このままモヤモヤした感情を抱えるのに耐えきれなくなり、Yさんに、恥を忍んで質問してみた。

「学生や若手が起業をして成功するケースは0ではないと思います。今の私に足りないものは何だと思いますか?」

「君のことはまだよく知らないので、一般的な回答になってしまうが、米国では、Z世代は世界を変えられると本気で思っている。矛盾しているようだが、大きな変化は若い人にしかもたらせない」
「僕が見てきたなかで、成功している人は、①モチベーション/熱量が高い②世の中を見る目が人と違っている(希少性のある経験をしている)、③社会の転換点に気づいており、バックキャスト的な思考をもっている、つまり、『こういう未来を実現したいから今こういうことをしている』と考えていることだ」
「1番重要なのは、"意志"だ。君は、自分の”欲求””モチベーションの根源”について考えたことがあるか?」

今まであまり考えたことがなかった。自分はどうなりたいのか、何が欲しいのか、強く自分をかき立てるものということだろうか?

それは、好奇心を突き詰めたい?生活の質を高めたい?個人として皆から一目置かれる存在になりたい?経済的自由を手に入れたい?自分が望む世界観に一歩でも近づきたい?起業を通じて生きづらさを払拭したい?

自分が心から熱中できるものって何だろう?

やはり、最後は、自分が「心からやりたい」という想いが大事なのだろう。

熱中できるものを見つけるためにできることといえば?人とは違う経験を積むこと?自分のコアとなる強みを伸ばすこと?世の中を観察する視点を鍛えること?何ができるのだろうか?

いずれにしろ、時間は有限だ。後悔のない人生の意思決定をしていきたい。
今日のプレゼンには失敗したが、今日は自分がいかに考え足りてないことを知れて良かった。

(おわり)

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