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⑤『不浄を拭う人②』

長編公募の参考文献まとめ、5冊目でございます。

やはり宣言するっていいですね。3日坊主の峠は越えられた気がします(笑)
いつも「スキ」をつけてくださる方々ありがとうございます!
ただのひとりごとというかメモに過ぎない駄文なので、まさかこんなに見てもらえるとは思わず、嬉しいやら恥ずかしいやら。

いろんな方に「がんばれ!」と応援してもらえてる気がして、「スキ」やマガジンのフォローなどの通知が来るたび、毎回頑張らなきゃなって気合入れなおしてます!!!

さて、前回に引き続き、コミック『不浄を拭う人』のシリーズです。
以下、文献情報です。

タイトル:不浄を拭う人②
著者:沖田×華(おきたばっか)
原案協力:天池康夫
発行所:株式会社ぶんか社
初出:『本当にあった笑える話Pinky』2019年12月号 


※以下ネタバレです。
作品に使えそうなエピソードや、使えそうな知識を書き綴っていきます。

作品概要というより私のただのメモ書きなので、そこだけご容赦ください!


第12話 外国人のお客様

この回では、過激な外国人のお客様とのやりとりを紹介。

一件目は、中国人の黄(オウ)さんとのやりとり。
単身用アパートの大家をされており、そのアパートで初めて70代の入居者が亡くなった。死後2か月が経過しており、近隣から異臭がするとの苦情が入り、発見に至る。
検死の結果、事件性はなく「病死」と判明。その場合、「自然死」の扱いになるため、リフォームや清掃費を入居者の親族から回収する義務は生じない。つまり、管理会社側の損害賠償が認められないのだ。
※国土交通省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」による。
黄さんに、ものすごい剣幕で怒鳴り散らされた、という話。


2件目。高級分譲マンションの8階で60代男性が孤独死した。死因は病死。
その後、同マンションの7回に住む外国人女性(マリアさん)から連絡が入った。
浴槽の天井の隙間から、黒い液体が垂れてくるというのだ。

その液体というのは、亡くなった方の体液だった。
浴室の排水溝を覆うように倒れていて、ゆっくりと体液が下の階のコンクリートまで浸透してしまい、発見される半年後まで下の階の浴槽に垂れていたのだった。

そこで問題が発生。
・上の階の身内は損害賠償の話が出る前に弁護士を立ててしまい、交渉ができない。
・管理会社側の主張としては、「水漏れ被害出ないため保険は下りない」

そのため、事件現場の下の階のマリアさん宅が弁償しなくてはならないことになってしまった。

浴槽の天井部分を調べると、体液でつなぎめの木材まで汚れており、浴槽のユニットをはがして清掃しなければいけない状態。ざっと、200万くらいかかるという見積もりだった。

それを聞き、マリアさんブチギレ。
その後、マリアさん夫婦も弁護士をつけ、遺族と徹底的に話し合うことに。
なんとか示談を交わし、リフォーム代を半分負担してもらうことで合意。

実際の作業工程はこんな感じ。
①ユニット部分を取り払う。
②天井から続いてる木材の液体が浸透している部分をカンナで削る
③天井は消毒をして、薬剤でコーティング
③天井・壁・床・浴槽・新しいユニットバスを順番に取り付ける

清掃後、マリアさんは感激。
間取り等を気に入っていたマリアさんは、その家に住み続けることに決めたという。
(私だったら、絶対引っ越すだろうなと思います…)


第14話 ペットのいる部屋

亡くなったのは、50代の独身男性。
数年前から病気で働けなくなり、自宅に引きこもっていた。
連絡が取れなくなり、心配した身内が家に訪れ、遺体が発見された。
2階の自分の部屋のドア前で、自分に刃物をさし、血まみれになっていたという。死因は「自殺」だった。

身内に「引き取りたい遺品はなにか」と尋ねると、「3匹犬がいるはずだから、引き取りたい」と話した。

現場に入り、主人公の山田さんたちは依頼にきいた犬たちを探した。
犬用のベッドの上で、三匹とも冷たくなっていた。
餓死にしては毛並みもきれいで、体の肉付きもいい。おそらく、生前に飼い主の男性が、自分の手で殺したのだろうと思われた。

犬を持ち上げてみると、おなかに指がぐっとささった。
すると、腹の皮を突き破って中から大量のウジ虫がでてきた。中は腐敗が進んでいたらしい。

ちりとりいっぱいのウジ虫は、殺虫剤をかけ、ごみ箱にすてた。


第15話 「爆弾」のある家

ごみ屋敷の回。
実は、ごみ屋敷の主は男性より女性が多いらしく、トイレ回りが以上に汚いのは9割が女性らしい。

この回では、認知症を患ったは母の家から、位牌をとってきてほしいという依頼があった。
扉を開けた瞬間、家の廊下にびっしりと使用済みのおむつ。
排泄物まみれ敬のごみ屋敷の住人は、尿をペットボトルにためていて、それが部屋の中に大量においてあることが多いらしい。
それがごみの山にまぎれていると、踏んづけてしまうことがあり、汚染の拡大や感染症にかかる恐れもある危険物なのだという。
それを山田さんは「小便爆弾」と呼んでいるという。


第16話 自殺物件

次の話は、グロ注意です。(今更感もありますが)
私にとっては、想定している事例に近いものがあるので、詳細に追っていこうと思います。


1件目。亡くなったのは、30代男性。

自殺した部屋の遺品からよく出てくるのが、某自殺本『完〇自殺マニュアル』らしいです。
この本は、そもそも自殺防止のために作られたものらしいですが。(皆さんはこの本知ってましたか?私はちなみに知っていました)

自殺を望む人は、やはり最期の選び方を悩みぬくのでしょう。きっと、ブラウザの履歴もそういった検索ワードで埋まっているのでしょうね。

その部屋は、カーテンレールやコート掛け、ベッドに上るはしごなど、いたるところにひもがかかっていたそう。
そしてその彼は、死に方を試行錯誤した結果、自室では死ねなかったらしく、結局屋上から飛び降りたらしい。即死だったという。

現場(屋上)には遺書などはなかったが、ビールの空き缶と靴の横にマンガ雑誌がおいてあり、その掲載作には同じような自殺のシーンがあったという

——これを読みながら、私は思わず想像してしまいました。
屋上の地べたに座り込み、ビールをあおりながら、その自殺のシーンを読む。本を閉じ、そしていろんなつらいこと、そしてきっと楽しいことも思い出しながら、屋上の手すりの前に立つ。下を見下ろし――最期には何を思うのだろう。泣くのかな、笑うのかな、もう感情も何もない、ただの虚無なのかな。


飛び降りた先のマンションの敷地は、血と内臓が飛び散り、悲惨な状況になっていた。
遺体は警察が回収するが、回収しきれないものもたまにある。
山田さんは、その遺体現場に残された脳みその残骸を拾い、捨てたのだという。

そして2件目。
それは、不動産業者からの「入居者退去後の清掃依頼」だった。
嗅ぎなれた「死体」の匂いをかぎ取り、奥の部屋をみせてもらおうとすると、管理会社は嫌がった。
しかしそれを押し切り見せてもらうと、そこには元住人が使っていたらしい布団が畳まれておいてあった。
その布団の中からは、血まみれの敷布団とガスボンベが出てきた。

そのガスボンベは、ヘリウムガスで、風船を膨らませたりするためのパーティー用のもの。しかし、単体だけで吸い続けると、酸素が肺に入っていかなくなり、肺の組織が破裂して塞栓を起こしたり、窒息を起こしてしまう恐ろしいガスである。

おそらく、その部屋の元住人は「ラクに死ねる方法」を探していたのだと思われた。
ヘリウムガス中毒のおもな症状は吐き気と失神。
ガスを一気に吸い込むことで意識を失い、眠るように死寝ると思ったのかもしれない。
しかし実際は運悪く、肺の動脈が破裂。
喀血がとまらなくなり――それは、たとえるなら血液でおぼれるような状態。彼は長い時間苦しみ、苦しんで、死に至ったのだろうと思われた。

その痕跡を、不動産業者はもみ消そうとしていたのだった。
通常のルームクリーニングと、特殊清掃とでは金額が違う。
業者側がする準備も薬品も変わってくるからだ。
そのため、不動産業者が事故物件であることを隠蔽しようとすることも珍しくないという。
山田さんは、事実を隠蔽されていたことを理由に、その依頼は辞退した。


ーーー

最後にこの内容に関連して、私の取材体験記をはさみます。

実は在学時代、ノンフィクションの授業で、遺品整理業者に取材にいったことがあるんです。
その業者の方に、「一番心が痛んだ仕事はなんですか?」と尋ねたとき「部屋で自殺した子の遺品整理」だったとおっしゃっていました。

そして、その子の自殺方法も「ガスの吸引」だったんです。業者の方もおっしゃっていましたが、ネット等で調べると一番この死に方が楽だという風に出てくるみたいですよ。
誰がそんなこと書くんでしょうね。死んだ人間が、楽かどうかなんて書き込めるはずなんてないのに。

これは蛇足ですが、亡くなったその子はちょうど今の私と同い年でした。
新卒の年で、一人暮らし。仕事で思い悩むことがあったのか、部屋で一人で自殺を図った。その子の両親は、遺品整理の現場で泣き崩れ、そこにある衣類も全部そっくりそのまま持ち帰りたいと、なにひとつ捨てたくないといったそうです――。

私も一人暮らしなので、誰にも話せないで思い詰める気持ち、わかります。大学時代は、講義があって、サークルがあって、ゼミがあって。何か理由を作らなくても気の許せる友達と、気軽に会うことができたんです。
でも今はそうじゃない。約束を取り付けて会うにせよ、友達も仕事してるし、時間を合わせるのも難しいしで、遊びに行くことも面と向かって話す機会も少なくなる。ああ、わかるな……なんて今、ふと思い出してみたり。

実はこの取材の内容を自創作にとりいれたいな、と考えたりしています。
なので、今回のガスボンベ自殺の内容はかなり参考になりました。


今日の内容以上です。なんかしんみりしちゃった。
最期まで読んでくださった方、ありがとうございました。


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