新紙幣、どうなんだろう…
20年ぶり(2024年予定だけど)の新紙幣。
幸い、娘と一緒に歴史の勉強をしてきているので、肖像画を使われるお三方については、名前だけでなく、
渋沢栄一:日本の資本主義の父
津田梅子:女子教育の先駆者
北里柴三郎:日本の細菌学の父
ということで、どのような功績を残した方たちなのか、わかる人ばかりだった。
渋沢栄一さんは、第一国立銀行(現・みずほ銀行)や、田園都市(現・東急電鉄)や、王子製紙、東京証券取引所、東京瓦斯、帝国ホテル、キリンビール、サッポロビール、たくさんの事業の設立と初期運営に携わっている、とんでもない人だ。
しかも、四大財閥みたいに「渋沢財閥」なんて軽く作れそうなものなのに、『私利を追わず、公益を図る』ということで、財閥を作らなかったという、めちゃめちゃ人間ができていたらしい人だ。
津田梅子さんは、まだ6歳の時に、岩倉使節団に随行する留学生として、アメリカへ行ったという、すごいエピソードを持つ、女子英学塾(津田塾大学)の創始者だし。
北里柴三郎は、破傷風菌の血清療法を発見したり、ペスト菌を発見したりしていて、その北里研究所の出身には、赤痢菌を発見した志賀潔や、先に(現)千円札となった黄熱病の研究をした野口英世がいるという、まさに『日本の細菌学の父』なのだ。
お三方とも、なかなか素晴らしい功績を残した方々なので、それは素晴らしいとして。
この新紙幣の記事を見て一番ビックリしたのは、そのデザインだった…
ユニバーサルデザインの一環として、海外からの観光客に分かりやすいように、現紙幣の漢数字と算用数字(アラビア数字)の位置が入れ換えられ、算用数字が中央に大きく配置される形となっているが、そこがとても気になる。
まずフォント。
大きくなったのに、現紙幣のものよりシンプルすぎるフォント。 間延び感が半端ない。
そして、区別のためなのかなんなのか、千円札と一万円札の『1』の書き始めの出っ張りの有り無しに違いがあるのが謎だ。
そして次に、肖像画の顔と体の比率。
現行では、わりとバストアップ、上半身の半分くらいまでは描かれていて、顔と体のバランスがちょうど良いと思われる。
しかーし。
新紙幣のそれは、なぜか体は申し訳テイドニシカ描かれていておらず、顔の比率が大きくて、とにかく顔だけが強調されている気がする。
顔が大きく見えるのだ。
渋沢さんも、津田さんも、北里さんも、これではなんだかかわいそうにすら思えてくる。
最後に、色。
色は、ちょっと海外っぽい、という印象だった。
これに関しては、けしてマイナス要素だけには感じなかった。
でも、今まで話してきたフォントのバランス、肖像画のバランスと掛け合わせると、なぜだか、相乗効果はマイナス方面に働く気がするのだ。
チープさに輪をかけてしまうような。
海外のお札の色合いを、ちょっとそのまま当てはめちゃいました、みたいな。
要は、フォント、肖像画、色、すべての世界観というか、主張する雰囲気が、バラバラなのだ。
私にはそう見える。
現紙幣には、統一された世界観を感じられるデザインがある。
それが、今回のものには感じられない。
残念だ。
肖像画のものにはお三方が、とても素晴らしい方々なだけに、もったいなくてしょうがない。
2024年までに、もうちょっとデザイン改良されないかなぁ…
案を出された方には申し訳ないけれど、私の一個人の感想としては、そんな思いを持った新紙幣だった。
サポートしていただける、というありがたみ、深く心に刻みます。 子どもに繋いでいけるよう、子どもにいろんな本を買わせていただくのに役立てようと思います。