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いじめと名付けられない違和感

いじめって何だろう。。。スクールカウンセラーのお仕事でいじめ防止委員会に参加しました。最近私が頭の中でぐるぐる考えていたこと。

最近地元の同級生と飲みに行きました。
当時私には周りから見ても、私としても、とても仲良しの友達がいました。
今は疎遠になっている彼女とのことが話題に上がりました。

特に何があった訳でもない(と、思っていた)けど、何だか居心地の悪い毎日の高校生活。友達は私のことを想って、いろいろ言ってくれたりやってくれたり(と、思っていた)

「カズコは何もせんでいいけん、私が全部するから」
と、部活に参加させてもらえず、部員からは「何もしないマネージャーだね」と言われる。
「カズコは何も話さなくて居てくれるだけでいいから」
と、置物のようにその場にいるだけで話すこともできず。
「カズコはしっかり寝て早く良くなってね」
と、学校に復帰したら、私の彼氏がその子の彼氏になっていたり。
「カズコの友達は私の友達」
と、私の友達を全て紹介するように言われ、私より仲良くなっていく。

「あれ?」「何で?」と思いながらも。
「カズコの為だから」「うちら親友だから」を信じて。
「駄目な私の為にありがとう」と惨めな気持ちを日々抱えながら。

大学生になり、地元を離れた私は、そこで本当の親友に出会いました。
今でも彼女達は私の幸せを心から願ってくれています。
当時大学生の頃、私の高校時代の話を聞いた親友は、
「カズコちゃん!!何てお人好しなの!そんなの本当の友達じゃないよ!!もうその子とは連絡をとっちゃ駄目だよ!」
と、私よりも腹を立てて悔しがってくれた彼女達。
『あぁこの子達と一緒なら、私は本当の私になれる!』心から安心できる親友との出会いは私の人生の宝となりました。

久しぶりに思い出した高校時代の苦い苦い記憶。。。
ここで注意が必要です!
私がnoteで書きたかったことは、悪口や愚痴ではありません。

今、カウンセラーやソーシャルワーカーとして中高生との出会います。
彼らは相談の中で、
「いじめ」と名前がつけることのできない
誰から見ても仲良く見える状況・・・だけど違和感があって、どうしてもその場に居るのが息苦しい。
そんな苦しい胸の内を話してくれることがあります。

皆さんに伝えたかったのは、目に見える状況でなく、子ども達の体験の中から、苦しさの本質や支援のポイントが見えてくる、と言うこと。
言葉にならない辛さを言葉にする大切さと難しさ。そんなことが私の体験から感じてもらいたくて、書きました。

今は疎遠になっている高校生の頃の友人も、決して悪気があったり、故意に私をおとしめようとした訳ではなかったんだと思います。
きっとそんなやり方や考え方が、彼女の誠実な愛情表現だったんだと思います。
そして周りの友人達にも、私と彼女が仲良しに見えていた。だから私が「自分らしく居られなかったのでは」と疑う人は誰もいません。

子ども達が「何でだか分からない。だけど何だが学校が嫌なんだ」と言葉にできない状況を、頑張って打ち明けてくれた時に、私が気をつけていること。
それは、原因追及はせず、「そんな状況もあるよね」と疑うことなく本気で受け止め、一緒に考え続けていくこと。

私は一度だけ他の地元の友人に思い切って相談したことがありました。「そうだよね!わかるわかる」と言われてとてもほっとした。だけどその後、何も変わらなかった。。。その時私は二度とこの話をするものか!と心に決めました。

そんなガッカリした気持ちに子ども達をさせたくない。
相談してくれた子ども達の声にならない声を、焦らずゆっくり彼らのペースで探していくと、その奥に隠れていた『寂しさ』『悲しさ』『虚しさ』そんな気持ちが見えてくる。

「いじめ」と名前が付けられる、「殴られる」「意地悪を言われる」「仲間外れにされる」そんな目に見えて分かりやすい意地悪ではなく、加害者も被害者も傍観者も、みんな目に見えない、名前の付けられない違和感。そんな複雑な心の動きもしっかり察知できるカウンセラーになりたい。

飲みながら、友人から当時の私について「わけのわからん奴だった」とか、「何で地元の友達と疎遠になったんか意味わからん」と言われて、とてもガッカリした私・・・。やっぱり私の辛さは誰にも理解されていなかったのか。そして悪かったのは私だったのか???

それから暫くして「高校時代、面白くなかったんよね」と友人からぽつり。
毎日やんちゃして楽しそうだった友人がそんな風に感じていたなんて!

なぁんだ。気づいてないのはお互い様。
高校時代なんやかんやあったけど、誰もが一生懸命。誰もが自分のことに精一杯に生きていたのか!

そう思うと私の苦い経験も良い思い出に変わっていく。

放課後の教室のお菓子パーティー、彼氏と手を繋いで帰った通学路、風を切ってこいだ自転車、ジャージで飛び込んだ海水の冷たさ、クラスメイトや友達のまぶしい笑顔と楽しい笑い声。。。

私にも楽しい高校生活が、ちゃんとあった。

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