【連載小説】あなたに出逢いたかった #30
一方、11月に入った稜央の地元では、あちこちで紅葉が見頃となっていた。
実家の近所には楓の並木があり、鮮やかなオレンジから赤に色付き、週末は地元民に加え観光客も散策する姿が見られた。
横浜から2~3週間くらい経った頃から、梨沙からのメッセージがポツポツと届くようになった。以前のように情熱的にグイグイ来るメッセージではなく、日々の仕事の疲れを労ったり、ちょっとした出来事を伝えてきたりと、控えめなメッセージだ。稜央もあんな事を言った手前、出来る限り返信するが、彼女に対するいじら