【連載小説】あなたに出逢いたかった #37
渋い顔をしていた遼太郎は、夏希が説得を始めた事に少々驚いているようだ。
「駅の商店街にある喫茶店で会うって言ってるから。それだったらそんなに遠くまで行かないし、人目もあるからまだ大丈夫でしょ? やり取りも見せてもらってる。そんなに頻繁に会える距離でもないし、向こうもお正月でも会えるなら構わないって言ってくれてるみたいだし…せっかくの機会だから。ね、梨沙も遠くに行かずに、そこのお店で会うようにして」
「うん」
「でも…」
「梨沙はベルリンへの留学だってそれほど大きな問題もなく