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日本史授業脚本「41.松方デフレ政策」

「松方デフレ政策」という単語になっている程、デフレ政策と言えばこの人「松方正義」。のちに第4代総理大臣にもなる薩摩藩出身の大物政治家です。

財政を担当させたら、この人って感じですね。もともと「金銀複本位制」でスタートした明治政府ですが、さまざまな改革や西南戦争での出費などにより、苦しい財政事情になりました。

明治政府はその補填のために「太政官札」を発行して急場をしのぎます。それに加えて、渋沢栄一が設立した「国立銀行条例」により、民間の銀行がそれぞれ不換紙幣を発行できるようになり、大量の不換紙幣が出回るようになりました。

起業勃興のためには必要な政策とはいえ、経済の原理として通貨が多くなり過ぎればインフレを招くことにもなります。

渋沢栄一は確かに「日本の資本主義の父」ですが、その功績が輝かしいものになったのは、その後に松方正義がインフレを抑えてくれたおかげという面もあると思います。

デフレを意図的に作るのは、決していいことではないです。「不況」や「失業・倒産」と表裏ですからね。「増税」もされるし、「公共事業」は減らされるし、国民にとってはイメージがとても悪い。

それでも松方正義がデフレ政策にこだわったは、インフレを抑えるだけではない戦略があったからです。

松方デフレ政策の結果、「北海道の開発」が進んだり、「企業労働者」が確保されたりします。

デフレ政策で苦しい状況に置かれた人たちに、新しい選択肢を用意することで、別なプラスを生み出したわけです。

つまり、「積極的な緊縮財政」という逆説的な策ですね。

ところで、「国立銀行条約」の負の側面を改善するために、松方正義によって設立された唯一の発券銀行の「日本銀行」。

その日本銀行が発行する新紙幣の肖像に「渋沢栄一」が採用されたというのは皮肉っぽくて面白いと思いませんか?

松方デフレは、渋沢栄一との関係性を意識しながら授業づくりをしたいですね。渋沢栄一の功績の一端は、松方正義の功績でもありますから。

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