図1

『THE TEAM 5つの法則』を読んで。

リンクアンドモチベーションが書いたチームづくりの本。
マネジメントの学びが多くあったので備忘録として、以下の通り書き残しておきます。

<共通の目的がない集団はチームではなく、グループ>

チームとグループの違いとはなにか?
本書では「共通の目的」があるかどうかだと定義している。

例えば小学校の頃にあった「集団下校」。
「仲良くおしゃべりして帰りたい」「早く学校に着きたい」など、みんなの目的がバラバラだとそれはグループとなるが、共通の目的、例えば「みんなで安全に帰る」があればそれはチームとなる。

ビジネスにおいて、共通の目的がない組織というのはあまり考えられないけど、希薄になっていたり、メンバーがはき違えていることはあるかもしれない。

では共通の目的が明確でないとき、組織はどうなるか?

<意義目標がなければ作業と数字の奴隷となる>

そう、言葉の通り「作業と数字の奴隷」になる。
最近よく聞く「OKR(=Objectives and Key Results)=意義目標」である。

OKRを分解すると以下の通りとなる。

・実現すべき目的や意義(Objectives) → 重点商品を通じた事業の改革
・創出すべき成果(Key Results) → 定量成果目標
・実績  → 実績

実績を上げるだけではなく、実現すべき目的や意義を統一し、ルールとすること。
ちなみに2010年サッカーWC時に岡田監督がチームの意義目標を以下の通り設定したらしい。

意義目標:
日本サッカーで史上成し遂げたことのない成績を残す

行動目標(6つの指針):
①楽しんでやる(Enjoy)
②自分でやる(Our Team)
③勝つためにベストを尽くせ(Do your best)
④今目の前のことに集中せよ(Concentration)
⑤常にチャレンジせよ(Improve)
⑥まずは挨拶せよ(Communication)

監督としては成果で評価されるものだと思うけど、選手・スタッフとしては意義目標がなければ成果を上げれない。
さらに行動目標を立てることで意義目標を明確なアクションに繋げることができるというわけですね。

<ルール設定の4W1H>

①What(設定粒度)
 ルールが少ない ⇔ 多い
②Who(権限設定)
 メンバーが決める ⇔ チームで(リーダーが)決める
③Where(責任範囲)
 個人成果に責任を負う ⇔ チーム成果に責任を負う
④How(評価対象)
 成果を評価する ⇔ プロセスを評価する
⑤When(確認頻度)
 確認が少ない ⇔ 確認が多い

上記のルールを「環境の変化度合い」「人材の連携度合い」に応じて使い分けるべきだと定義している。

環境の変化が大きい場合、ルールを細かく決める必要がないし、権限もリーダーに持たせた方がチームの為になる可能性が高い。
人材の連携度合いが少ない場合、責任範囲は個人成果によるところが大きくなり、さらに確認頻度はあまり多くない方がいいかもしれない。

つまり人材によってルールを分けるのではなく、環境と仕事によってルールを仕組み化することが重要だとまとめている。

<相手の特徴を知るモチベーションタイプ>

①アタックタイプ(達成支配型)
反応しやすいワード:「勝・負 敵・味方 損・得」
嬉しい言葉:「すごいね」

②レシーブタイプ(貢献調停型)
反応しやすいワード:「善・悪 正・邪 愛・憎」
嬉しい言葉:「ありがとう」

③シンキングタイプ(論理探求型)
反応しやすいワード:「真・偽 因・果 優・劣」
嬉しい言葉:「正しいね」

④フィーリングタイプ(審美創造型)
反応しやすいワード:「美・醜 苦・楽 好・嫌」
嬉しい言葉:「面白いね」

これはとてもなるほどなぁ!と思った定義。
周りの社員を当てはめると結構個性が出る。

<ポータブルスキル(能力)>

①外向的スキル ⇔ 内向的スキル
 ※対自分力
  行動や考え方のセルフコントロール能力
②父性的スキル ⇔ 母性的スキル
 ※対人力
  人に対するコミュニケーション能力
③右脳的スキル ⇔ 左脳的スキル
 ※対課題力
  課題や仕事への処理対応能力

上記のモチベーションタイプが「扱い方」だとすると、ポータブルスキルは「実務として必要な能力」といったところでしょうか。

ポータブルスキルによって実務に優れた人材を適材適所に配置し、配置した人材をモチベーションタイプによって扱い方を変える。
こうすることでより良いチームになるわけですね。

<心理的安全の4つのポイント>

①無知だと思われる 
 → 垂直質問 → 聞いてもいいんだ
②無能だと思われる
 → 失敗共有 → 間違ってもいいんだ
③邪魔だと思われる
 → 発言促進 → 言ってもいいんだ
④批判的だと思われる
 → 反対意見 → 人と違っていいんだ

メンバーというのは緊張状態にあるうちは自己開示ができないため、意図的に自己開示を促すことが大事だと記されている。

時にはリーダー自身が失敗例となり、自らをさらけ出したり、メンバーの失敗咎めず、チャレンジしたことを奨励する文化をつくることが肝要となります。

<エンゲージメント(共感創造)の4P>

①Philosophy(理念・方針)
②Profession(活動・成長)
③People(人材・風土)
④Privilege(待遇・特権)

組織のエンゲージメントを高めるためには上記4Pがある。
というかエンゲージメントを高めるには4つしかない、と言っている。

・ビジョンに共感する!あの社長についていきたい!
・仕事にやりがいがある、成長できる
・あの人と一緒に働きたい!
・給料が良い、待遇が良い

ベンチャーだったら①Philosophyだと思うし、コンサルファームだったら②Profession、大手企業なら④Privilegeかもしれない。

このいずれかにメンバーは帰属するが、すべてを兼ね備えるのではなく「うちの会社は●●に帰属して欲しい」と強いポリシーを持てるかがポイントだと思う。

以上、簡単ではあるが気になる箇所を抜粋してまとめてみた。

一応、自分も中小企業のマネージャー職に就いているけど、正直できていないことだらけでお恥ずかしい限りだ。。。

<ルール設定の4W1Hを心得よ>
<相手の特徴を知るモチベーションタイプ>
<心理的安全の4つのポイント>
<エンゲージメント(共感創造)の4P>

特に↑のあたりは課題感を持ちまくりなので、改善していこう。

組織としてうまくいかないのは、
・(自分が)メンバーが動きやすい仕組みを作っていないこと
・(自分が)メンバーに動いてもらう動機付けができていないこと
・(自分が)発言しやすい風土をつくっていないこと
にあると思う。

上記が出来て初めて、メンバーが自発性・責任感を持って動き始めるはず。

よし、やるぞー。

おわり。


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