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【英語】日本人の9割が間違える英語表現【1】

今回は『日本人の9割が間違える英語表現100』(キャサリン・A・クラフト著)を読んで,私の独断と偏見で『間違って使いがちな英語表現10選』を作ってみました。
10選と言いつつ他にもたくさん勉強になる項目があるので,次回は『紛らわしい言葉10選』的なものも書きたいなと思っています。

以下に挙げたものは個人的に腹落ち感があるのはもちろんのこと,いずれも比較的使用頻度が高めで,覚えておいたほうが良いと思ったものを挙げておりますので,ぜひ参考にしてください。
# 僕も大いに勘違いしていました。

① ”go” と ”come” の使い分け

『そっちへ行ってもいい?』は日本語的な感覚で言うと『行く=Go』なので,”Can I go over?” と勘違いされがちです。

”go” は『行く』,”come” は『来る』と言う認識が間違っているのです
正しい認識は以下の通りです。

come = 話し手や聞き手の方へ移動する(接近)
go = 話し手や聞き手から遠ざかっていく(離反)

つまり,聞き手のところへ『行く』ときは ”come” を用います。
『そっちへ行ってもいい?』 = ”Can I come over?” です。

② ”What's your job?” は何を聞いているつもり?

知り合ったばかりの人に『お仕事は何ですか?』と聞くときに,”What's your job?” と聞くのは正しそうに見えますが,実際には聞きたいことと若干ニュアンスが異なります。

”job” は『(具体的な)仕事内容や任務,(職務上の)役目』を表す英語のため,具体的な仕事内容を問うときに用いられます。

つまり,”What's your job?” は相手の職業が分かった上で『(それで)具体的にはどんな仕事をしているのですか?』という問いになります。

知り合ったばかりの人に仕事を聞く際には以下の表現がよく用いられます。

『お仕事はなんですか?』= ”What do you do (for your living)?”

ちなみに,”What's your occupation?”(仕事は?)は,お役人の言葉で,まるで税関にいる係員に職業を尋ねられているような響きがあるようです。

③ ”Don't mind.” は『ドンマイ』になる?

どうやら英語には”Don't mind.” という表現はないようで,”mind” を使った表現には ”Never mind.” = 『なんでもない,気にとめないで』や ”Don't mind me.” = 『私のことは気にしないで』がありますが,日本語の『ドンマイ』とは若干ニュアンスが異なります。

日本語の『ドンマイ』に相当する表現は以下のようになります。

”Don't worry about it.” = 『ドンマイ(気にしないで)』

④ 『ハイテンション』は ”high-tension”??

英語の ”tension” は張り詰めた状態や緊張,圧迫を表すことから,精神的な『緊張』や情勢や関係の『緊迫状態』といった意味で用いられます。
また, ”tensions run high” (テンションが高まる)と言えば,ネイティブなら,何か悪いことが起こりそうだと予感するようです。
つまり,”tension” は比較的ネガティブなニュアンスを伝える単語のようです。

気分が高揚するという意味の『テンションが上がる』は以下のように表現されます。

(人) is excited. = 『気分が上がる』

”You look excited today” =『今日はハイテンションだね』のような使い方もできます。

ちなみに,逆に気分が滅入っているという意味の『テンションが低い』は,”depressed” (落ち込んで,元気のない,意気消沈した)という語が使われます。
”What are you so depressed about?” =『なんでそんなにテンション低いの?』

⑤ 『すみません』の表現

私もそうでしたが,例えばエレベーターから降りたい時や道を譲って欲しいときに,『すみません』の意味合いで ”I'm sorry.” がとっさに出てしまっていました。
実際には『すみません』にもいくつかの意味合いがあり,ネイティブは以下のように使い分けています。

(自分の非を認めるすみません)= ”I'm sorry.”
(非を伴わないすみません)= ”Excuse me.”

同じ『すみません』でも,相手の注意を引いたり,相手の体に軽く触れたり,話中に咳やくしゃみが出た時など,つまり,失礼なことをする/したときは,『失礼(しました)』と言う意味の ”Excuse me.” が使われます。

多くの方が,『すみません』= ”I'm sorry.” が定着してしまっているかと思いますが,意識的に使い分けていると自然と”Excuse me.” が出てくるようになるかと思います。

ちなみに,アメリカではくしゃみをした人に対して近くにいる人が ”Bless you.” と言葉をかけるなんだかオシャレな文化があります(詳しくはググってみてください)。

⑥ 『僕もできない』は ”Me, too.” で表現できるのか?

A:I can't swim.
B:Me, too.

上記の会話は一見すると正しいように思えますが,実は間違いです。
”too” は肯定文のときのみ使うことができ,否定文の時には ”neither” もしくは ”not + either” が使われます

A:I can't swim.
B:Me, neither. もしくは I can't swim, either.

”not + either” = "neither" は『…もまた(〜ない)』という意味を表します。

⑦ 『ハーフ』という日本語をどう表現するか

民族の混血を表す『ハーフ』は ”half” だけでは表現できず,『私のルームメイトはハーフだ。』は ”My roommate is half.” とはなりません。

ハーフという言葉は,以下のように『half + 国籍を表す言葉』で表現されます。

My roommate is half-Italian.
My roommate is half-Italian and half-Japanese.
My roommate's dad is Italian and her mom is Japanese.
I'm half German, a quarter Irish and a quarter French.

シンプルに『彼はハーフです』と表現したい場合には,”He is mixed.””He is of mixed heritage/race” と言うことができるようです。

⑧ ”She has a good style.” は体型を褒めている?

英語の ”style” は『(文芸の)様式・(服装や生活の)スタイル』を表すため,”She has a good sense of style.”(彼女は服の趣味がいい)や ”Lots of fans copy of her lifestyle”(多くのファンが彼女のライフスタイルを真似ている)ということはできても,姿かたちの『スタイルがいい』という意味では用いることができません。

そのため,姿かたちのスタイルに言及する場合は以下のように表現されます。

She has a great figure. =『彼女はスタイルがいい』
He is in great shape. =『彼はスタイルがいい』

”a great figure” が『均整のとれた素晴らしい体型(女性の美しさとしてのスタイル)』を表現しています。
また,”in great shape” を使うことで,シェイプアップして,太っていても痩せていてもいず,『healthy-looking(健康的に見える)』といったニュアンスを伝えることができます。

⑨ プリントは ”print” で合っている??

英語の ”print” には日本語の『プリント』の意味がなく,その中心的な意味は『痕跡』です。

配布物のプリントを表現する場合には以下の言葉が用いられます。

"handout" =『(手渡し用の)配布物,プリント,(無料配布の)ビラ』

教室や会議などで配る印刷物のことも ”handout” ということができます。

⑩ ”give up on” って聞いたことありますか?

『諦める』といえばもれなく ”give up” という表現が思い浮かびますが,実はこれにも落とし穴が潜んでいます。

”give up + 名詞もしくは動名詞” には以下の2つの用法があります。
① すでに持っているもの(物,場所,地位,権限など)を『手放す,捨てる』
She gave up control of the company.
② いままで継続してきた習慣を『やめる』
He gave cycling because of a knee injury.

つまり,”give up” はこれまで継続していたことを放棄したり,すでに持っているものを手放すときにしか使えません
例えば,『その自転車を買うこと』は,”give up” できる対象ではありません。

このような場合には,”give up on” =『見切りをつける,愛想を尽かす,を見捨てる,を見限る,(計画などを)断念する』を用いることができます

以上,今回は『日本人の9割が間違える英語表現』(キャサリン・A・クラフト著)より,私が独断と偏見で選んだ『間違って使いがちな英語表現10選』を紹介させていただきました。

今回の記事が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。


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