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働くことを考えた時、高齢者か、障害者か。

「福祉や介護の仕事に就きたいんです」

 そう思って、介護職員初任者研修を受けて、資格を取得することが多い。そして、就職する場合、色んな求人情報を見て考える。

ー自分に向いているのはどんなのだろう?
ー楽なところで働きたいな。

 講習の中でも、話を聞いてイメージを膨らませて、見学、説明会にも行った。ただ、何となく不安な時がある。

高齢者介護を目指そう!

 数も多いし、他の人達も働いているから、いろんな話が聞けるはず。しかも、講習では、高齢者介護のことばかりだから、出来るはず(と思う)。

【高齢者施設ではたらく】
①一人で6~8人の高齢者を担当する。
②夜勤あり。1人で25人くらいを介護する。
③夜間に対応することが思ったより、多い。
④講習で学んだけれど、認知症対応や排泄介護、入浴介護は、現場でできるかどうか。
⑤職員との人間関係に悩むときがある。
⑥慣れれば、楽(と言われている?)
⑦先人の知恵が学べることはいいが、自分の趣味も次第と影響されることがある。

障害者支援をめざそう!

 身体介護は講習を通しても学んでいたが、あまり得意ではなく、元々「障害者支援」を希望としているときにはこっち。

【障害者施設ではたらく】
①障害の種別や年齢層が幅広いので、個別対応が必要なことがある。
②職員よりも、職員らしくしている利用者がいる。
③夜勤がある場合でも、利用者は落ち着いていることが多い。
④講習ではあまり障害者支援について学んでいないから、最初の対応に悩む。
⑤身体介護と言うより、心理的支援や作業の指導が必要なことがある。
⑥マニアックな趣味に詳しくなることがある。

ただ、こんなことはないだろうか?

 介護保険サービスを利用して施設に入居(ショートステイ)する特定疾病(40~65歳)の障害者

 障害福祉サービスを利用する65歳以上の高齢者

 こうなると、職員としては、やりにくいこともあるのかな。

 僕も、特別養護老人ホームで介護職員として働いていた時に、40歳代の障害者がショートステイを利用していました。
 2泊くらいで利用している時に、たまたま夜勤対応。本人は「ここがどこなのか」を理解できていない中で、発熱。寝てもらおうとしても落ち着かず、ベッドから降りてきて、職員に対して困った顔をしている。ベッドに戻るように伝えても、僕の頭は「特養」になっているし、本人は言葉使いに慣れず、戸惑っている。

最後に一つ。

 福祉を続けていくと、自分の年齢と共に対象者は変わっていく。
 自分の体力、結婚、生活環境、家族状況 など。若いころは体力があり、身体介護も難なくできていたことが、年齢と共にできなくなってくる。
 しかも、自分の経験も積んでいく中で、役職だったり、ベテランになってきて、利用者との接し方も変わってくる。「できること」も「できないこと」も範囲も広がってくる。

 最初に「楽かどうか」と書いてしまったが、「福祉に楽な仕事はない」というのが僕の意見です。もしも、楽だと思っている福祉・介護職員がいるとしたら、対象者の生活の一部しか支援していないと思います。「その場面だけ」支援しているのではなく、生活全体を見ていたら「ここはどうなっているんだろう」「ここを良くしたいな」と思い、悩むこともあるはず。
 「こんなんじゃなかった」「もっと楽かと思った」とグチを言う人がいるけれど、だったら福祉に対してどんなイメージだろうか?
 「楽しくできればいい」と言っても、そこに至るまでの支援の道筋があってのことで、最初から自分の思うとおりになるわけではない。
 というか「思うとおりになる」と思っていること自体が僕は気にしています。

 そして、対象者を選んでいてはいけない。「対象者を限定してしまうこと」は、自分の中の可能性を狭くしていると思っています。
 自分の目の前にいる利用者に真剣に向き合う。
 ただ、得意不得意があるなかで、ちょっとやりにくいな、コミュニケーションがとりづらいな、と思っていても、そこは自分を成長させるために必要なこと。

 「地域共生」「多様性」が言われてきている中で、高齢者も障がい者も生活している人すべてが、福祉の対象者となり、支援者になる。

 どんな人でも、どんな状態でも、どんと来い!!

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