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詩のまとめ

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今まで書いた作品のまとめです
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#現代詩

ぼくだけが夏、夏。

ぼくだけが夏、夏。

第18回文芸思潮現代詩賞落選作品です。

今読み返すと稚拙で少し恥ずかしいですが、成長したからそう思えるのかもしれません。

夏が嫌い、怖い。みんなみんな夏を美化してる。
泣きそうな気持ちで書いたのを覚えています。

私の夏は、殺意と倦怠感と孤独です。
眩しくて苦しい。

季節外れですがぜひ読んでみてください。

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ぼくだけが夏、夏。

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Twitterにあげた詩のまとめ⑪

Twitterにあげた詩のまとめ⑪

『あたたかい、いのち』

きみの目に映るしゅんかん、
きみのことが大好きだという顔をしていたいなぁ

いつも幸せでいて欲しいよふわふわの毛並みで

触れるとあたたかい、いのち

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『終末まで』

体温の骨格が透けて見えてた
季節が動いている様が積木くずしに似てる

前頭葉が足りていない
だからあの人に届かない
もう元に戻った白い肌の上に痣

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Twitterにあげた詩まとめ⑩

Twitterにあげた詩まとめ⑩

『不幸産業』

君はほんとはなにを見てた?
不幸産業は、もう、やめにしなよ

大事なものがあることは知ってるよ
大事じゃないものも傍にあることも知ってるよ

不幸産業は、もう、やめにしなよ

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『ありふれたいや』

コップの水は透明、海は青。
わたしだってそうだよ
部屋にいるわたしと外に出たわたしは違うもの。

あの人が嫌い。だから好き。

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『風、オムライスとペーパークラフト』

                
                
様々な色のたくさんの点が
くっついて重なって混ざり合うだけの繰り返し。
一人一人のペーパークラフトにその繰り返しを垂らして色をつける。色をつけた気になる。

それでも着色すること、呼吸、食べかけのオムライス、時間の経過、止まない。

 
転がる石に苔は生えない。ってさ。
わたし達おんなじだよね。同じだったよね。
 
サーバーダウン

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過去作(全5作)


『メルヘン少女旅行』

わたし達は幼くて、一緒に居たら何だって出来たし何だって手に入った。
 それが退屈でならなかった。

 天使から取り上げた羽を抱き締めながらきみが欠伸をする。真似するように欠伸をしてわたしときみは横になった。
 ピンクの天井、雲のライト、数年前に天国へ行ったペットの犬…。
 この部屋は、この部屋だけは居心地が良かった。

                    外には何を喋

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『エレクトロニカを笑わないで』

 人差し指と人差し指、くっつけて小さな電気。ちょっと痛い。
 この小さな電気を集めて集めて発電所ができるわ。
 
 ヒールに付いた泥を落とす。(水溜まりに何故か夏が残っていたので飛び込んだ) 
 あんたの好きなバンドの新曲聴いた、大声で言ったら饒舌になる。
 でもあたし、もう泥に夢中だよ。
 
 あんたの事、全部はわかんないからわかった気になるつもりはないよ。
 だから、あんたもわかんない事、わか

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