紺野真
即興のため箸にも棒にもかからないので、ここに書いている
今まで書いた作品のまとめです
鬱病の方の生活の参考になれば
日記です
2023年、毎月詩を書きました。 ツイッターにアップしたもの、書いたけどどこにも公開していないもの、短編小説等色々書けました。 ここでは12作をまとめて公開します。 ━━━━━━━━━━━━━━━ きみがかわいい きみがあんまり綺麗だったから、わたしはどんどん惨めになって そんな事少しも知らないでいる泣き顔、ぶってしまいたい。 鼻血が出たなら絵の具にしてきみを描く。 でもきっときみには きみにしか知らない地獄を持っている。救えないなら一生きみの地獄になりたい。
最近不思議な事がある。 〝私〟にそっくりな人間がいるのだ。そっくり、というのも背格好が似ているだとか声が似ているだとか近しい交友関係があるだとかその程度の話ではない。 私にそっくりな、言わば〝偽物の私〟を仮にXとしよう。Xは私と全く同じなのだ。 私は自分で言うのも恥ずかしい位に特筆するに値しないような平々凡々とした地味な人間だ。誰かに憧れられ、真似られるだなんて無縁な話だ。羨ましがられるようなものなど何も無い。 Xの存在、即ち異変に気付いたのは今から一週間程前だっただろ
夢を見たはずだ。 夢を見た、という実感がある。 でも夢の内容は何も覚えていない。 “夢を思い出せない時は、夢が誰かに連れて行かれちゃったんだよ” 昔母に言われた。 「ぼくのゆめ、勝手に、取るなよ」 呟くや否や、目覚まし時計が鳴った。 4歳の誕生日に貰った変な魚の目覚まし時計は、変な音で朝を告げる。 (当初は波音と一緒に「おはよう」と言ってくれていた) なるべくやさしく音を止めてやった。 今日も、暴力的に平凡な一日を過ごすんだろう。 貴方の事を少しずつ思い出せなくなって
3年前の秋にmonogataryというサイトの羊文学賞に応募した掌編を引っ張り出してきました。 (4月は全然創作できていないからです、私は弱く、ずるい) 余談ですが、実はその頃詩を書くつもりはなかったです。 詩に触れる機会も少なく、活字と言えば小説!のイメージでした。 しかし私の文章は抽象的なものが多いこと、普遍的な作品が好きなこと、私の言葉が読んだ人の元で暮らして欲しいと考えたこと などから詩を書き始めました。 実はね。 『ミルククラウン』 神様は君なんだと思った。
昨日か今日見た夢のメモです。 意味不明かつ、オチはないです。 場面1⃣ 駅ビルっぽい建物内の専門学校?に通っている 教室は狭くて女の子が多い 大きな窓がある 窓の外を見ると駅ビル周辺とは思えないくらい田舎になっていて田んぼがある でも道は狭い 隕石が落ちてきてめちゃくちゃな色の空 友達(夢の中限定)とスマホで写真を撮る 下校中の小学生を大声で叱りつけるおばさん (こんな天気なのに下校させるんだ)と思いながら眺める そうこうしているうちに授業開始 家庭科っぽい授業
寒くていい感じです。 頭がスッキリする。冬、さいこう。 数日前「故人が夢に出演するには結構コストがかかる」という内容のツイートを見かけて面白いなと思いました。 信じるかどうかは別としてオカルトは好きです。 たまに見る夢の話をします。 昔実家でシロという犬を飼っていました。 名前の通り白い犬、メス、おっとりしていて優しい子でした。 物心ついた時からシロはいたので、詳しいことはよく知らないがどうやら野良犬だったらしいです。 私が6年生か中学生の頃にシロは亡くなりました。
第18回文芸思潮現代詩賞落選作品です。 今読み返すと稚拙で少し恥ずかしいですが、成長したからそう思えるのかもしれません。 夏が嫌い、怖い。みんなみんな夏を美化してる。 泣きそうな気持ちで書いたのを覚えています。 私の夏は、殺意と倦怠感と孤独です。 眩しくて苦しい。 季節外れですがぜひ読んでみてください。 ----------------------------- ぼくだけが夏、夏。 朝。目覚めて水を飲む。 窓の外は太陽の光で真っ白だった。 夏。ぼくだけが夏。 誰に
シノさんは無口だ。 もっとも、喋る訳がないのだが。 僕はワンルームの家でシノさんと二人暮しをしている。 二人暮し、という表現が正しくない事は分かっている。 シノさんはラブドールだから。 でも僕はシノさんと二人暮しをしている。 僕はシノさんと一緒にソファに腰掛けて昼過ぎから日が暮れるまでを過ごすのが好きだ。 僕はあたたかい紅茶を飲みながら、絵を描いたり本を読む。 シノさんはあたたかい紅茶を冷たい紅茶に変化させながら、ただ座っている。 この前、初めてシノさんの似顔絵を描いた
『あたたかい、いのち』 きみの目に映るしゅんかん、 きみのことが大好きだという顔をしていたいなぁ いつも幸せでいて欲しいよふわふわの毛並みで 触れるとあたたかい、いのち ----------------------------- 『終末まで』 体温の骨格が透けて見えてた 季節が動いている様が積木くずしに似てる 前頭葉が足りていない だからあの人に届かない もう元に戻った白い肌の上に痣の印をつけた 早く帰っておいで もう遅いけど、待ってるよ ---------
お酒、嫌い。 昨日飲み過ぎて転んで膝すりむいた。 血が出た。血、嫌い。 R指定されてないゲームみたいにかわいい色ならいいのに。 でもしょうがないから帰って、洗って、うさぎのキャラのばんそうこう貼ってかわいいの魔法かけといた。 あまい香りのベッドで目覚めたはずなのに夢みたい。 キミの細くてふわふわの髪がほっぺに触れてた。 あたしが起きたのに気付いて「大丈夫?」って言った。 かわいい。もちもちしたピンクの声で、お人形みたいな顔だし。 とりあえずキスしたら「鉄の味!」って言
点滅社さんから出版された『鬱の本』がすごく素敵な本だった。 私も私の“鬱の本”を書きたくなった。 ので、書いた。 ━━━━━━━━━━━━━━━ 学校帰りであろう制服を着た学生と母親であろう二人組を見かける度に焼け焦げる程に胸が苦しくなる。憧憬を抱かずにいられない。私は生後間もなくして母子家庭になり、制服を着る頃には既に母も亡くなってしまった。 その頃から波はあれど、泥の様な憂鬱と過ごしてきた。人生の半分以上を鬱とよろしくやっている事になる。中学生で不登校になった。
この間の中間テストが返却された。今日は三教科ぶん。 私はいつものように平均、平均、平均。 明日にはテストの順位が廊下に張り出されるだろう。 一位はいつものように赤身さんなんだろう。 彼女が一位以外の順位だったところを見たことがない。 窓際の後ろ側の席にいる赤身さんの栗色の髪が、秋の陽射しできらきらしているのが見えた。 彼女は誰とも群れずにいつも一人でいるからどんな人なのか、よく知らない。 放課後、美術室に忘れたロケット鉛筆を探しに来た。 ロケット鉛筆は私の席でない席に置い
11月なのに夏日。 夏、という季節がよく分からなくなりそう。 気候に体調、メンタルが左右され易いのでまんまと軽く気分が落ちています。 軽い鬱は大体そのまま重い鬱になるか、持ち直すかの二択ですが後者が多いです。 でも創作する場合、軽い鬱はフィーバータイムで色々書けることが多い。 というかむしろメンタルの調子がいい時はほぼ書けません。 絞り出せば書けるけれど納得がいくものが出来るかと言うとうーーーん ショートショートの神・星新一はいつもいつも紙に向き合って常に試行錯誤して
10月が終わった。 秋冬が好きなせいかすぐに過ぎ去ってしまって悲しく思います。 東京は雪が降っても積もらなくて、 積もってもすぐに消えてしまって寂しいです。 私は東北出身なので実家にいた頃は雪が降るとワクワクワクワクで毎日雪かき兼雪遊びをひとりでしていました。 上京してから少し驚いたのは雪が降るとみんな傘を差すこと。 地元では傘は差さなかったし、差している人を見た記憶がないです。 気になったので調べたところ、どうやら雪の質が違うようです。 東京の雪は水分が多く、身体に
えんじ色のカーディガンを羽織って窓を開けたら月が見えた。 少しだけ寒くて季節が変わっていくのが嬉しかった。 月が丸くて明るいから、こんな日は仲良しのクマのぬいぐるみ(子供の頃にもみじ、という名前を付けた)と散歩に行くと決めている。 もみじは月が好きみたいだから。 濡れた黒い瞳に月が映ると、もみじは踊る。 もみじに橙色のマフラーを巻いて、手を繋いで公園に向かう。 道中も、もみじは楽しそうで耳をパタパタさせていた。飛んでいかないか心配だった。 公園近くの自販機でお汁粉を買った
なんの変哲もない朝だと思った。 家の外から聞こえる生活音が声がなんだか違う。 カーテンを開けるとその理由が分かった。 エビが、空を飛んでいた。 それもただのエビではない。お寿司のネタの状態のエビが沢山空を泳いでいる。 僕は呆気にとられていて、同じような人々や喜んだり深刻そうにしている人々と一緒に空飛ぶエビを眺めていた。 SNSを覗くとどうやら全国的に空にネタが飛んでいるらしい。 ただ、地域によってまぐろ、イカ、アナゴ、サバなど様々である事が分かった。 駅前の寿司屋は臨