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大竹しのぶの怪演を観る映画 『黒い家』

大学生の次男が『黒い家』見たことある?面白い?と訊いたきた。
だいぶ昔に観たことはあるが「怖い映画だった」という記憶しかなかったので、じゃあ観てみようということになった。

amazonプライムビデオで配信していたように思ったのだが無料配信ではやってなかったが、U-Nextで見放題配信していた。

まずは基本データから。

あらすじ
古都・金沢。昭和生命北陸支社に勤務する若槻慎二は、保険金の請求書類に埋もれ苦闘する日々を送っていた。ある日、若槻は中年女性の声で「自殺でも保険金は下りるのか」という問い合わせの電話を受ける。思いつめたその声の様子に、思わず自殺を思いとどまるようなだめたが、相手は彼の名前を確認すると電話を切った。そして翌日、菰田と名乗る契約者から若槻名指しのクレームを持ち込まれる。

映画.comサイトより

製作年:1999年
配給:松竹
劇場公開日:1999年11月13日
上映時間:118分
スタッフ
監督:森田芳光
原作:貴志祐介
脚本:大森寿美男
キャスト
大竹しのぶ、西村雅彦、内野聖陽、田中美里、石橋蓮司、小林薫

映画.comでは評価が異常に低い2.9点。
「そんなだったかなぁ」と思いながら改めて見直しみたら
「なるほど、そういうところもあるなぁ」という評価でした。

24年前の作品、当時の邦画の作り方というか、森田芳光さんの作風というか、最近の映画を見慣れていると
「そのショットいるか?」みたいなインサートがやけに目に付いた。
ひょっとして伏線として後で回収されるのか?と思っても何もなかったり、単にノイズになってしまうような演出が多かったかなぁと、思った。

ジャンルとしてはサスペンス・ホラーにでもなるのだろうか。
保険金詐欺連続殺人の容疑者と対峙する保険会社員がメインのストーリーだが、前半はミステリぽく、保険金詐欺はあったのか?というのがテーマ。

後半の真犯人が判明してからの展開は一気にホラーの様相になる。
特に主人公が黒い家に行くところからのシーンが前回見た時の「怖い映画」と印象に残っていた部分で、目を背けたくなるようなおどろおどろしいショット満載だった。

そして、いったん事件が終息したかに見せてからの、保険会社事務所ビルでの決闘シーンはモンスターホラー。

映画全編通してそうなのだけど、主人公の行動はいちいち
「なんで、そこでそんなことするんだよ!バカなのか?」
みたいにツッコミどころだらけで観ていたのだけど、
特にこの最後の決闘シーンは、
「なんでそこで消化器噴射なんだよ!煙幕張られてかえって危険だろ!
消化器持ったんだったら、それで頭を殴っておけよ!」
みたいな。
いくらなんでも、もうちょっと頭のよい脚本に出来なかったのか。。。

この映画は韓国映画でもリメイクされているらしく、こちらはさらにグロ要素が盛られているようで、なるほど韓国映画向きの題材かもしれないな、と思ったり。

まぁこの映画は「大竹しのぶの怪演を観る」それだけは間違いない。
とにかく怖い、メチャクチャ怖い。
日本映画の歴史でも、一二を争う最恐キャラではないか。
そして、ここまで"普通の論理"が通じないサイコに出会ってしまったら、もう殺るか殺られるかしか選択肢はないので、本当に御免被りたいなと切実に思った。
それくらい怖い、夢に出てくる怖さ。

あと、西村雅彦さんはドラマ『古畑任三郎』の今泉慎太郎と同じキャラでした(笑)
田中美里さん、本当に美しい。
内野聖陽さん、最近観ないなぁ。見どころは黒い家での恐怖のあまりライトを持つ手が震える演技かな。

まだ未見の方は日本ホラー映画の名作には違いないので、ご覧になってみて下さい。



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