見出し画像

採用ミスマッチを防ぐには②

前回は採用ミスマッチについて、起こる原因やダメージについて書きました。

今回は採用ミスマッチを防ぐ方法について書いていこうと思います。



1.採用基準について

(1)ペルソナの設定

採用するにあたりまして採用基準を明確にするようにしましょう。

経営理念、ビジョン、行動指針に紐付く人材育成方針に基づいた自社に相応しい人材像、いわゆるペルソナがあり、そのペルソナになれるに相応しい人材を採用するための採用基準があるのが望ましいです。

ただ、中小企業でそこまでできるかと言うと大変難しいのではないかと思います。

そこで、まずは「採用する目的」を再確認しましょう。

既存の業務の強化を図るため、新規事業を軌道に乗せるためなど様々な理由があると思います。より具体的な目的の方が採用するペルソナに近づけます。

目的を確認したら次はどのような人物であればその目的を達成してくれそうか、あるいは目的に向けて行動をしてくれそうかを考えます。

プロジェクトチームに参加してもらいたいのであれば、協調性やプロジェクトへの参加経験、業務上で何かを成し遂げたような人が相応しいですね。

ペルソナの設定については、採用担当者だけで決めるのではなく現場やプロジェクトがあるのでしたら、チームメンバーなど現場を巻き込んだ方がより良いでしょう。

(2)評価項目

ペルソナに加えて大切なのが評価項目です。評価項目として検討すべきは下記のとおりです。

①スキル

保有資格や経歴です。専門的なスキルを必要とする職種であれば必ず評価項目に入れます。

②パーソナリティ

社風にマッチできるか見極めるために重要です。
特に
・コミュニケーション能力
・求職者がやりたいことや価値観とマッチしている
・活躍が見込める行動特性・資質があるか(コンピテンシーを考慮)
という点は非常に重要です。

③志望度

志望動機が明確になっていて、入社への熱意があるかという点も重要です。ここで注意が必要になるのが、志望度が高いからと言って離職しないといことではなく、採用した後にギャップを感じて早期離職になってしまうこともあるということです。

この点は、企業側としても良い点ばかりを示すのではなくネガティブな部分も理解してもらう必要があります。

ホームページなどは求職者に良い面を伝える情報のみの記載となることが多いため、「カジュアル面談」など求職者からの質問も積極的に実施するなどしてネガティブ部分も理解してもらう工夫があると良いです。

2.採用後の定着にむけて

(1)メンター制度やブラザー・シスター制度などの導入

公卿側が離職者の面談時に良く聞くキーワードとして「孤独だった」「誰に聞けばよいかわからなかった」というものがあります。

これを防ぐためメンター制度やブラザー・シスター制度等の導入を検討してみましょう。

①メンター制度

メンター制度では主にメンタル面やキャリア面のサポートを行います。従いまして、新人が配属された部署とは違う部署の先輩がメンターとなることが多いです。

②ブラザー・シスター制度

メンター制度とは違いメンタル面のほか、業務面のサポートもフォロー対象となります。

③エルダー制度

メンター制度やブラザー・シスター制度が精神的なサポートがフォロー対象となっているのに対し、実務面を中心にサポートする仕組みです。

(2)1on1ミーティングの実施

1on1ミーティングは「部下のための時間」であり、部下が話し、上司が聴く時間を多くとるミーティングです。

上司が部下を評価する人事評価面談とは違い、対話を通じて上司と部下が信頼関係を築き、相互理解を深めながら、部下の成長を支援することを目的に実施するものが1on1ミーティングといえます。

これにより、エンゲージメントが向上します。詳しく知りたい方は下記をご参照いただけますと幸いです。

(3)キャリアパスを提示する

新人が今自分は何をしなければならないのか、将来どのように成長できるのか、を可視化したものになります。

成長意欲や向上心を促すのに有効です。

マネージャーを目指すのか、スペシャリストを目指すのかなど自分のキャリアを設計できることもモチベーションアップに効果があります。


ここまでの対策を実施することで、早期離職を防ぐことが可能となります。人材の流出が企業の成長にデメリットとなることは明らかです。全ての対策を一気に実施するには負担となることも多いと思います。

経営をしていくために重要な要素のひとつであるヒトを考える時間を持つことは今後の経営にも大きな影響を与えることになると思料します。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?