『ノンフィクション カツ4』
それは高校二年生のとある昼休み、学食でのできごと。ゆとるがカツカレーの皿をおばちゃんから受け取り、席に着こうとしたときに遭遇した出来事を綴ろうと思う。
そもそもカツカレーとは皇国にのみ神が与えたもうた聖なる食べ物であることに加え、我が母校のカツカレーたるや、まぁそのあれだ、なんだ、うまいんだよ。
自販機でカラフルなプラスチックの食券(リユースするやつ)を買う。カレーが240円とか?そのくらい。そしてトッピングのカツ(チキンカツ)は60円ということで、まぁ載せないという選択肢はないわけで。
カツがあまりにも旨すぎて、食欲ならびにその他欲求の旺盛な高校生たちは軒並み「カツ2」、つまりカツを2枚トッピングするというのがほぼ当たり前になっていた頃。
ゆとるの視線の先で、信じられない光景が。
すぐる、カツ3じゃねーか
すぐさま、隣のしげるに報告する。すぐると面識のあるしげるは、あぁあいつはそうだよとその程度のリアクション。まぁたしかにすぐるの体格からして、黄色人種の規格には収まらないので納得といったところ。
しばらくあって。
トランプの大貧民(大富豪)か何かで罰ゲームどうするかとなった折。そういえばすぐるのカツ3てすげぇけど、カツ4はまだいねぇよなとなったわけ。おぉ罰ゲームカツ4でいいじゃん当然自腹でと盛り上がり、案の定負けたのがしげるだったという。
我々はいざ昼休みの学食へ。カツ4をしぶしぶ(と言ったイイ表情で)頼むしげる、食べ始めたらたしかにこれはきついぞと思われるガチ目のリアクションがまたイイのであった。
するとそこへ事情を知らない他クラスのさめる登場。「おいしげる何やってんの、カツ多すぎじゃね?1枚くれよ」とかいう発言はまぁしかたないとして、「いやこれは罰ゲームなんだ俺は喰わないとダメなんだ」というしげるのレスポンスに対し、いっさい企画の主旨を理解しようともせずに「いいじゃねーかケチくさいぞ」「だからぁー」という問答を繰り返させる、寒いったらありゃしない男、さめる。
面識のないワイゆとるもさすがに見かねて、これは罰ゲームでしかもしげるはオイシイ(ふたつの意味で)ので邪魔をしないでほしい旨を伝えたところ、さめるは引き続き理解できないといった様子で、首を傾げながら退散して行った。
さめるの本名も顔も思い出せないけど、こういうやつっていまだにこういう感じで、きょうもどこかで人を冷めさせてんのかなと思うとゾッとするというかうすら寒いというお話。つまんねぇやつだなって。
ところで学食のカレーが喰いたくなった。校舎リニューアルしたっぽいけど、まだあるのかなあのカレー。もうないかな、あるんならカツ2でお願いします。赤い福神漬けを爆盛りにしてね。