『~コンサルで、食べていく~』
「なぁヒロキ」
「なんすかニジト先輩」
「俺大学もうすぐ終わるじゃん」
「そうっすね」
「でさぁ、進路」
「はい、就職ですか?」
「なわけねーし」
「え、そしたら…」
「起業っしょ」
「うっわマジっすか」
「マジ」
「どんなことするんすか?」
「ヒロキにわかんかなぁー」
「舐めないでくださいよ」
「コンサルよコンサル」
「あぁコンサルっすか」
「これ見てよ…」
「うっす」
「実際に提案しようと思う」
「…」
「パクんなよぉ?」
「…」
「おまえもウチ来たい?」
「ぇ…」
「ビビんなよ!」
「…」
「つうか2枚目も見た?」
「はい?」
「資料2枚目」
「2枚目…っすか…」
「どうよ」
「…」
「どう?」
「あの、そろそろ俺バイトの時間…」
「考えといてくれ」
「え何をっすか?」
「おまえもウチでさ」
「…」
「コンサルで、食べていく」
「…」
「コンサルで、食べていく!」
「すいませんマジ遅刻するんで…」
中身が空っぽなのは
仕方がないとして
それにしても
もうちょっと
見た目がキレイな提案書が
作れないものかと
呆れる後輩ヒロキ
しばらく先輩ニジトとは
距離をおこうと誓った