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『ミレニアム関連の話』


「あぁあと1年を切ったかぁ…」


「これまでの経理データ全滅かも…」


「ライフラインが全部止まる可能性あるよね…」


「さすがにここまでの時間の経過、想定されてないんだね…」



西暦9999年1月某日


西暦10000年問題のXデーまで

残り1年を切った


あらゆるデジタルのシステムは

5桁には対応していないから


金融、医療、軍事、通信、交通、商業…


西暦の桁が繰り上がることで

どういった誤反応が起こり

どういった影響があるのか


各方面は初めてのことで

対応は皆

後手後手に回っていたという




世界中が困り果てていたそのとき

あるひとりの天才が閃いて

こう提案した


「いっそのこと、1万年はゼロ4つで0000年ってしたらダメです?」

「あーそれいいかもね、どうせその当時パソコンとかないし」


ということで無事

男の案は採用されて




--




「やべえよやべえよ通信衛星落ちたよ…」


「えぇーなんで各国の証券市場取引できないの?」


「えっ?全自動生命維持装置がダウン?すぐに人工呼吸を!」


「うわーわたしが貯めた楽天ポイント消えてる!!」



西暦12000年頃


なぜか世界中で

ありとあらゆるシステムが一斉にダウン


理由を突き詰めてみれば単純明快


ITが世の中を

支配するようになった頃


つまりいま私たちが

こうして生きている

2000年代のこの世の中に


デジタルデータ上では

世界まるごと

タイムスリップしてしまったわけ




西暦10000年のときに

しっかり考えていれば

こんなことにならなかったんだよね




ましてや我々

西暦2000年代の現代人も

まさかそんな先まで

存続するシステムがあるなんて

誰も考えていないわけで












(あとがき)

ミレニアムが1000年なので10000年はなんていうのかなって調べたら、ten millenniumだそうです。あっそ。
それから「世界まるごと」と聞いて、あの顔と声のデカい司会者が浮かんできた人は1990年以前に物心ついてた人ですね。












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