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テレビの裏側がとにかく分かる「メディアリテラシー」の教科書

最近読んだ、
テレビの裏側がとにかく分かる「メディアリテラシー」の教科書』
を紹介したいと思います。

■初めに

今回紹介する書籍は長谷川豊さんが、2014年に出版したものです。
長谷川さんは、『情報プレゼンター とくダネ!』、『めざましテレビ』、
と言った番組を担当し、14年間フジテレビでアナウンサーとして働いていた方です。
現在は経営者やプロデューサーとして、多方面でご活躍されています。

この書籍は長谷川さんがアナウンサー時代の経験から、
一般の人々は知ることのないブラックボックス化された、
報道やテレビ番組の裏側の部分を暴露したぶっちゃけ本となっています。
また、メディアリテラシーの重要性を説いた教養本の側面もある内容です。

■メディアリテラシーとは

メディアリテラシーってなんでしょう。
言葉自体は聞いたことがある方も多いでしょう。
ですが、どういう意味かを人に説明してくださいと言われると、
簡潔に説明できる方は少ないと思います。

総務省のWebサイトでは下記のように定義しています。

メディアリテラシーとは:
次の3つを構成要素とする、複合的な能力のこと。
①メディアを主体的に読み解く能力。
②メディアにアクセスし、活用する能力。
③メディアを通じコミュニケーションする能力。

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/hoso/kyouzai.html

まとめると、
「メディアから得た情報をそのまま受け取るのではなく、自分自身で見極める能力」だと私は解釈しました。
本書では下記のように述べています。

「メディアリテラシー」。
一言でいうと「メディアを一度、疑ってかかること」。                             


■アメリカと日本の情報認識の違い

アメリカと日本の情報認識及び捉え方の違いについて、
アメリカ人が当たり前のように信号無視をすることを例に、下記のように述べています。

信号を見て、青になったら渡ります。日本人の常識だ。
でも、アメリカでは「道路が安全かどうか」はそもそも、
「自分の目で見て確認する」のだった。
事故をする確率が高いのは信号無視をしている車が歩道が青信号にもかかわらず突っ込んできている時が一番だそうだ。

アメリカでは信号無視をしてもいいけど、
仮にそれで事故を起こしたとしても、
自身の判断の誤りという自己責任の考え方が強いです。

ここで長谷川さんが伝えたいのは、
日本人は常識に囚われすぎているということです。

日本はお国柄的に素直で正直な方が多く、親切だと言われています。
それは日本人の長所であり、
世界的に見てもとても素晴らしいことです。

しかし、その中で思考停止的に情報を受け止め、
自分自身で吟味もせずに取得していくことについて、
本書では警鐘を鳴らしています。

日本は、
今こそメディアリテラシーについて学び、考える力を養うときです。

■バラエティ番組は全てやらせ!?

テレビ番組のやらせはニュースで見ることも少なくないと思います。
やらせが発覚したらそのテレビ局の上層部が謝罪会見を開いたり、
その番組が打ち切りになることが多いです。

なぜやらせが起きるのか、
それについて考えるにはまず理解しなければいけないことがあります。
「そもそも、テレビ局もNHKを除けば株式会社ですよと。」
長谷川さんは指摘します。

つまり、
テレビ局=株式会社
この構図をしっかりと理解してほしいということです。

株式会社は株主のために利益を作るのは当たり前であり、
テレビ局も一般の民間企業と同じだということを強く強調しています。

会社を運営していく上で、番組を作るためにはお金が必要、
そのお金を出してくれるのは?
➡︎株主であり、スポンサー

株主やスポンサーの為に利益を作るためには、
「面白い番組を作り、視聴率を上げる必要がある」
その為、結果としてやらせが発生するのだと述べています。

そうすると、
「いやいや、でもやらせは良くないでしょ」と、
インターネット等で、
炎上することや批判について「ほこ×たて」という、
過去の番組を例に下記のように述べています。

もし本当に全話ガチンコで戦っていたと仮定しよう。なんで毎回毎回、毎週日曜日の7時から「たった1時間」きっちり絶対に「盛り上がる瞬間」が繰り返されるんだ??そんなことあり得るはずはないだろう。
そもそも盛り上がらない展開だった場合、視聴率が下がるだけだ。
面白くないのだし、そんなことは出来ない。
すでに述べたように、テレビ局は株式会社なのだ。
そこまで考えると、
「ほこ×たて」とは「やらせ」をやっていたので面白かった!

本当にガチンコでやったら面白い番組は作れないし、視聴率も取れない。
だから、やらせは必要だし、今後も絶対になくならないだろうと、
長谷川さんは示唆しています。

そのうえで、
テレビとの向き合い方についてこのように述べています。

民放は金儲けの株式会社。その前提でしっかりと判断したい。
バラエティー番組は全て「やらせ」である。
番組を作っている人間は「やらせ」だなんて思っちゃいない。
でも、世間的な意味合いで言うと、バラエティー番組は「やらせ」だと思っておけばそれでだいたいあっているのだ。
すべて台本通りであり、タレントさんは演じているのであり、演出がかけられている。当然だが、「真剣に勝負!」という文言自体が演出なのだ。

■まとめ

長谷川さんが元アナウンサーということもあり、
テレビを例にしたものが多かった本書。

その中で、
一番伝えたかったのは、
「情報を疑い、思考停止を止めること」
だと感じています。

日々、情報を右から左に受け流すだけでなく、
一歩立ち止まって疑問を持つように心がけ、
情報リテラシーを高めていきたいです。

最後は私の好きな漫画「LIAR GAME」の主人公・秋山の
この言葉で締めたいと思います。

最後までご覧いただき有難うございました!

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