記事一覧
ショートショート4 香織の声
十月二十一日
笹野は、同僚である竹本の家にいた。テーブルを挟んで向かいのソフアに座る竹本は笑みを作っている。テーブルには新聞があった。見出しには高齢出産増加の文字が躍る。竹本の妻がコーヒーの入ったカップ二つ運んできた。笹野は手刀を切って頭を下げた。一口、口に含み飲み込む。
「今日来たのは杉本 香織について聞きたいと思ってまして」
その名前を出すと竹本の表情に翳りがみえた。
「何が聞きたい」
ショートショート3 ありふれた朝の風景
カーテンの隙間から日差しがちょうどわたしの顔に伸びていた。
眉根を寄せて手で顔を擦り瞼をあけた。半身を起こしカーテンを少し捲ると地面は濡れている。雨は斜めに降り注いでいた。どうやら風も強いらしい。家の前の道路にあるはずのないゴミたちが風に舞っていた。ふぁ~と情けない声を出し伸びをすると、ベッドから足をおろした。身震いを起こす。寒い。木々たちが色付き木の葉たちが地面に広がり風に乗っている。寝巻を着て
ショートショート2 【羨望の終わり 嫉妬の始まり】
【マリーゴールドの棺】というお題を貰いました。
ショートショートを書かないかという依頼?がありましたので今回はこちらにショートショートを書いていきたいと思います。
【羨望の終わり 嫉妬始まり】
マサが席に着くと、店員にコーヒーと言った。
かしこまりました。といい店員は頭をさげる。
街に緑が広がりを見せ始め、吹く風も温かみを帯びている。とはいえまだTシャツ1枚で外に出るには心許ない。
マサ