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地域で再エネ②(小水力発電/埼玉県秩父市)

前回の「菜の花プロジェクト」に引き続き、再エネの話題です。

以前、私は電力会社の動画制作をしていたことがあります。そういうこともあり、電力業界の動向について関心を持っています。

今では信じられないでしょうが、かつて日本の山村のあちこちに村営や民営の小水力発電がありました。エネルギーの自給自足です。数十から数百世帯を対象とし、送配電線も自分たちでお金を出し合い設置していました。

しかし、戦争中は国が電力を管理し、戦後は地域独占の形で民営化されます。早期に国を復興させるためには、権限を集中させた方が効率的だったわけです。実際、各地の大手電力会社の存在は高度成長期を支えました。(一方で殿様商売化していく弊害も)

地域の小水力発電は時代遅れのものとなり、急速に衰退していきます。

状況が変わったのは福島の原発事故です。大手電力会社に依存するリスクが初めて浮き彫りになりました。多くの都民は計画停電を経験し、福島でつくられた電気が東京に送られていたことを初めて知ったのではないでしょうか。

電気の地産地消を真剣に考える人が各地に現われ、小水力発電も再び注目を集めます。ごく一部の人からではありますが。

また、2009年から始まった売電制度、2014年から始まった再生可能エネルギーの固定価格買取制度が小水力発電の追い風になりました。政府は再生エネルギー普及のために、再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けたのです。

売電による利益に着目し、地域の定年退職者たちが作った小さな電力会社があります。埼玉県秩父市にある陽野(ひの)ふるさと電力株式会社です。山に囲まれた秩父は小水力発電にうってつけの地形です。

陽野ふるさと電力株式会社は自分たちの世代のためではなく、孫の世代のために尽力されています。まさにサステナブルな活動です。小水力発電に興味のある方はぜひ動画をご覧ください。


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