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誰にでもいる愛おしいモノ

感じの悪いタクシー運転手


私は先日、パッと思いついて韓国に旅行に行っていたのですが、その際に空港からホテルまでの移動時にとっても感じの悪いタクシーに乗ってしまいました。

大前提として海外で言葉が通じないことを差し引いても、すごく高圧的で、運転も荒くて
「もうこのタクシー降りたい……」と思ってしまうほどでした。

そのタクシー運転手は自分のiphoneのGoogleMapをナビとして使っていて、車のハンドルの横に設置していました。

すると運転手さんのiphoneにSNSのメッセージが入ったとき、チラッと画面が見えてほっこり。
その待ち受けは、とっても可愛らしい子犬がスヤスヤ寝ている写真が設定されていました。

この運転手のおじさんが買っている犬なんだろうな。
こんなに怖そうな感じなのに、飼い犬の前ではデレデレなのかな。
早く仕事を終えて一緒に遊びたいよね。

運転手さんの愛おしいであろうモノを見たことで、緊張感や嫌な気持ちが一気になくなってしまいました。

誰もが持つ愛おしい存在


私は25年間フリーランスで働いていますが、同じ編集部にいた一つ上の先輩のことをとっても苦手に思っていました。

結局仲良くなれぬまま私が職場を辞めてしまったのですが……あの先輩にも愛おしい存在はいるんだろうな。

というかそもそも、誰にだって、その人自体が誰かの愛おしい存在であり、その人が愛おしいと思う人やモノがきっとあるはず。
タクシー運転手の愛おしいモノを見てからは嫌な気持ちが解けるように消えていったのに、
先輩のそういう部分が少しも垣間見られなかったことも距離が縮まらなかった要因なのかもしれない。

そうなると、人との距離を縮めるためには、その人の大切なものを知る。
もっと言ってしまえば、その人自体を知る努力が必要なのかもしれません。

好きor嫌いの二択じゃなくて


対人関係の中で人は、「好き」か「嫌い」の2種類に分類してしまうところがあります。
「好き」の人とは積極的に接していたいし、
「嫌い」の人とは極力かかわりたくない。

なので、はじめに「嫌い」のカテゴリーに分類してしまうと、その人を知る機会も減り、ずっと距離は縮まらないまま。
自分で生きづらい世界を作ってしまっているのかもしれません。

「好き」「嫌い」の2択で人を分類する前に、まずは相手のことを知る努力をしてみること。
そうしたら自分にもっと優しい世界が作れるような気がします。
明日からは人を2択に分類する前に、もっと人を知る努力をしてみよう。
韓国のタクシー運転手のおかげでまた新しい発見ができました。ありがとう!

では、また明日お会いしましょう。

西村真紀


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