【夢のはなし。】 白い襖
明け方、猫に起こされた。
酷暑のあとの怠さに、半開きの窓からはいる風がひんやりと心地よい。
猫に手の甲をなめられ、横たわったままそっと抱きとると、しなやかな身体をぴったり沿わせてきた。
そのまままた、私はすうっとやわらかな眠りに落ちていった。
夢の中で、私は見知らぬ街をひとりで旅していた。
街歩きを終えて夜に旅館に戻り、ちいさな和室に敷かれた布団で眠りについた。
と、気づくと私は夜の街を歩いていた。
眠っていたはずなのに、とぼんやり思いながら暗い街を歩いていくと、Kさんに会