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【詩をひとつ。】 夜想曲

こわいのはまちがいをおかすことではなく
まちがう自分を識らないことだ

先への道は幾重にもわかれていて
そのどれもに私がいる
視ることはできないが
それを識ることはできる

みじかい旅に発つ手前の夜に
じっと闇の音を聴き
多くのまちがいの中に立つ私を
しずかに想像する

おそれることはない
きっと無事にまたここに帰ってきて
ここにいる私を発見する
ちいさな奇跡をみるように

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