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子育て知恵袋―呼べ!名前を!

2023/1/24(火):子育て知恵袋⑭
 今日も覗きに来てくれてありがとうございます。
 子どものこと、ちょっと振り返って見てみるきっかけになれたらいいな。

 さて今日は、子どもに話しかけていますか?という話。
 私が保育士をしていた頃、「赤ちゃんの間なんて言葉は分からないから、話しかけても無駄。恥ずかしいし…」ということを口にした保護者さんから聞いたことがあります。
 そしてこの保護者さんの思いはきっと特異なことではなく意外と多くの保護者さんが陥ることではないかと思います。返事をしてくれない相手に対して話しかけ続けるのは単純に恥ずかしさもあり、「言葉が分からないから」という口実で無意識に逃げてしまうのです。

 でも、子どもの言語能力は年月が過ぎれば勝手に備わっていくものではありません。周りからの刺激や働きかけがあって、初めて育っていくものなのです。
 そして何より注目すべきなのは、この「まだしゃべれないから」と言い訳してしまう乳児期からかかわりをもっていないと、言語的な成長だけでなく、情緒的な成長の妨げにもなってしまうから留意したいところなのです。 

 過去に赤ちゃんの成長に関する、ある実験がされました。乳児を対象に「食事、排せつ処理、睡眠」などの命を繋ぐ最低限の育児を施し、「声掛け、視線を合わせる、抱っこをする」などのコミュニケーションをはからない状態での成長を見守る…というもの。
 この環境下で育った子どもの成長はどうなったのでしょうか?

 答えは…「死」。
 コミュニケーションをもてない子どもたちは実験期間の終了を待たずして死んでしまったというのです。
 また、乳児さんのコミュニケーションを調査した別の実験では、乳児さんが一番不安を覚えたのは、相手の怒った顔ではなく無表情な顔だった…という結果が出ました。これは私も保育士時代の経験として、実感があります。こちらが真顔であったりすると、赤ちゃんは相手に笑いかけることで相手の笑顔を引き出そうとする傾向にあります。
 つまり子どもの情緒的成長には周囲の人たちとのコミュニケーションが必要不可欠であり、また適切にコミュニケーションを重ねていると、子どもは自分からもコミュニケーションを図ろうとする存在である!ということなのです。

 では、どんなかかわりが良いのでしょう?
 私の記事を覗いて下さっている方はピンと来ているかもしれません。
 そう!ポイントは、大人なら当たり前のこと。
 「子どもに話しかける」
 …
これだけの単純なものなのです。

 私の身近な知人も「うちは家族が多いから、言葉の発達に良いねん!」なんて安心してしまっている人がいますが、「言葉が聞こえる環境にある」というだけでは決して充分ではありません。
 ただ近くで会話が聞こえるというだけでは、頭上でキャッチボールをしているようなもの。ボールの行き来を見つめているだけでは投げたり受けたりするのができるようになるわけではありません。
 あくまでも「自分とのやり取り」「自分へのコミュニケーション」を経験
を積み重ねることで、子どもたちは養育者との関係に安心感ややすらぎを抱き、成長していくのです。

 だからどうか、照れないで。子どもの名前を呼び、目を見て沢山語りかけ、笑いかけてあげてください。
 何を話してよいか分からないなら、まずは行動の報告で大丈夫。
 「○○ちゃん、ウンチ出たね。おむつ変えようね」
 「おしりきれいになったよ、きもちいいねぇ」
 「はい!すっきり!」
…そんな感じで。
 きっとお子さんに付けた名前に慣れるまで、呼ぶのはとっても照れくさいものでしょう。
 でも、お子さんの為にその「照れくささ」を乗り越えて、まだ言葉に出会ったばかりの我が子とのおしゃべりを楽しめるようになってください。

 お子さんとのおしゃべりができるようになると、お子さんの変化にも気付きやすくなり、愛着も持ちやすくなります。子育ての意味合いも変わってくると思います。
 どうぞお試しください。

今日はここまで!
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
子どもと過ごす毎日が、少しでも楽しいものになりますように…


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