見出し画像

教育に焦点を―子どものなぜ?とカッコつけの大人たち

2024/3/7(木):教育に焦点を
 今日も覗いて下さってありがとうございます。
 昨日はどうも体調が優れず、パソコンに向かうことができませんでした。
 今日は、意地でも元気に更新していきましょう!
 


はじめに

 子どもとの生活を送る中で、きっと大多数の保護者が直面するであろう問題「子どもの質問攻め」…今日はこの問題について、倉橋惣三の教えから考えていきましょう。
 大人にとっては、初めは微笑ましく、だんだん厄介になっていく「質問攻め」をする子どもの気持ちは子どもにとってどのようなものなのでしょうか?


子どもにとっての質問の意味と大人の対応

 子どもの質問は大切なもの
 子どもはいろいろのことを問うものであるが、ことに四歳児になると、盛んに質問を始める。この頃を『質問時代』と称するくらいで、質問が沢山出る上に、なかなかしつこく尋ねる。大人の方では、初めは相手になっているが、後にはうるさくなって、「またか」と斥けるようになり、ひどいのになると、𠮟りつける人もあったりする。
(中略)子どもの身になってみれば、もとより真剣なので、教育の上から見て、非常に大切なことである。

「育ての心〈下〉」:倉橋惣三 P126~


  子どもの質問…倉橋の言う4歳児をしてきた保護者さんにとっては
「あるある~」
とエピソードトークをしたくなることなのではないでしょうか。
 子どもの「なんで?」にやっと答えたと思ったら、子どもからその答えに対する「なんで?」が重ねられる…なかなか大人としては大変な部分もありますよね?
 しかも、
「大人の方が物知りだ」
「子どもは物を知らないから、教えてやるべき存在だ」
「正しい答えを教えてやらなければいけない」
という思い込みが強い人ほど、考えたことのない子どもからの鋭い疑問にドキッとするみたい。子どものドンドン深掘られる質問に、自分を試されているような感じがして怒ってしまう保護者さんは少なくありません。
 私が担任した保護者さんも、
「父親の自分をからかっている」
と本気で怒ってしまっているお父さんもいたりして驚かされたことがありました。


子どもの質問の何故?

 物事を注意深く観察する
 子どもはなぜいろいろの質問をするかというに、それには三つの大きな理由がある。
 第一は、見るもの聞くものが珍しいために質問するのである。(中略)
 第二は、一体子どもは、大人が考えているのと違って、物事を注意深く見るものである。(中略)子どもは大人よりも注意力が強いのである。(中略)子どもは、何でも自分の周囲のものを注意深く観察する性質を持っているので、観るもの聞くものにつけて、いろいろの疑問が起こってくるわけである。
 自他の区別をよく知らぬ
 第三は、この年頃の子どもは総て自分以外のものと自分との区別をあまりよく知っていないで、何でも自分と同じものだと考えている。例えば、風が吹いて人の帽子を飛ばした場合に、風も自分と同じ心でするのだと思っている。(中略)
大人は、かなり不思議なことがあっても、「それはそういうものだ」という具合いに、別段疑問を起こさずにいることがよくあるが、子どもは、自然や人事のあらゆる現象を自分の心に引きあてて解釈しなければ安心ができないので、そのために疑問が起こるのである。

「育ての心〈下〉」:倉橋惣三 P126~

 以上の引用は、倉橋惣三の説明する子どもなりの質問の理由についてです。
 どの理由も何となく想像でき、理解できるような気がするのではないでしょうか?
 私達大人は、実は生活のなかで「わからないこと」に溢れているものだと思います。
 だけど、その「分からない」に蓋をして、気付かない振りをしている「分かったつもりの顔をしている」ということばかりではないでしょうか?分かったつもりの仮面をかぶることが当たり前すぎて、自分でもいつのまにか「分からない」に気付くことすらできなくなっているといってもいいのではないでしょうか。
 キラキラと世界を見つめ、「不思議!」「おもしろい!」「なんで?」に溢れいる子どもたちと比べて、私達大人はいかに世界を平らにどんよりと見ているものか…ちょっと切なくなります。
 
 私の担任してきた子どもたちでも、
ガラスを走る雨粒を不思議そうに観察しては気付きを楽しそうに報告し合ったり…
アメンボが水に浮ける不思議について疑問をもってから自分たちで答えを導き出すことができたり…
 子どもが疑問を持つことは大きな成長の可能性を孕んでいるものだと、私は実践現場で実感して来ました。

 どうか、めんどくさがることなく子どものキラキラの世界に付き合って子どもと向き合える大人になりませんか?子どもの「おもしろ」に付き合うと、この世界の「当たり前」がとっても面白くて不思議でいっぱいに溢れているものなのだと気付けせてもらえるのではないかと思います。この大人の気付きは、子どもからもらえる素敵なきっかけでありギフトだと思います。


さいごに カッコつけるな!大人!


 まとめとしてここで声を大にして言いたいのは
「大人!カッコつけなくていいから!」
ということ。
 子どもからの疑問、分からなかったんでしょ?
 なら、素直に「分からない」でいいんです。「一緒に考える」ことも子どもにとって大切なことになるから。
 もし一緒に考える余裕もなかったら、「分かったら教えて」と子どもに託してもいいんです。「なんでも知ってる」と思っていたパパやママに自分が教えてあげられるなんて、子どもにとってこんなに嬉しいことはありません。

 どうぞカッコつけることなく、子どもと一緒に楽しんで世界を見て、不思議がれる親子になってみてくださいね。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また明日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?