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アンリマユ
2024年7月14日 22:09
彼は、小さなライブスペースのある、小さなバーのマスターだ。歳は30代半ばで、性別問わず人間が好きなんだと思わせる、人たらしな顔をしている。私が偶然、彼の店で歌うことをきっかけに、彼と知り合った。そんな彼から「最近、奇妙なことが起きて困っている」との相談を受けた。彼の話によると、隣の店のお客さんが自分の店に来るようになり、それが原因で隣の店の店主から反感を買ってしまった。それをきっかけに、身
2023年12月21日 13:37
眼を覚ますと、宇宙の中で浮遊している自分に気づいた。目の前には、強大な眼があった。それこそ蚊ほどの大きさの私と比べると計り知れないほどの巨体で、観音像のような姿をしていた。その肌は生きたダイオウイカを思わせるシルバー色で輝き、水銀のような金属質を帯びていた。私が想像していた神聖な存在よりも、むしろエイリアンのような印象を受けた。人間は脳から発せられる電気エネルギーが信号として神経を伝達して
2023年12月20日 11:44
私には小学校4年生から今だに関係が続いてる男友達が居る。子供の頃から私はクラスの中で特異な存在だった。特別いじめられることはなかったが、いつも4、5人の友達と一緒にいて、彼らには「兄貴」と慕われていた。私たちの小さな集団は、時にはクラス全体と対峙することもあった。クラスの行事がある度、私の派閥はクラスの他の生徒たちと対立し、緊張感が漂っていた。そんな時も、彼はいつも私のそばにいた。私たち
2023年12月18日 14:20
自らの特殊能力を自覚した私は直ぐに試練の到来を予感した。本来なら気づく事なく生きて行ける力を自覚すると言うことは、普段からそういう力を必要とする生き方をしてると言うことだ。そんな環境で生きてる為に普通の人が目覚めない力に目覚める。それはチーターに追いかけられた鹿が、命懸けで走り抜け続けた先に知り得る自らの逃亡力の高さみたいなものだ。自分が作り出した妄想だと思っていた世界や事象を、全く同