AIによる採用の自動化が進んで起きている事【あなたの応募書類、会社の「人」に読まれてません】
こんにちは、まじこじまです。
今日もホットなAI関連の話題ですが…直近でキャリア相談をさせて頂いた時にこの話になりました。
人事まわりの仕事の自動化・DXって具体的にどういう部分が自動化されているんですか?というお話です。
きっかけは2024年9月から「ビズリーチ」が
職務経歴書をAIで作成できるようにしてくれたこと。
最新の話題ですね。ただ
職務経歴書がAIで作成できちゃう
ということは
職務経歴書がAIで読めちゃうということでもある
タイトルにある「採用プロセス」の自動化は少し前からグイグイ進められています。人事に近しい人以外からすると、なんだか不思議な感じがしますよね。だって「採用」ってメチャメチャ重要じゃん!人の人生を左右するような仕事なのに、そこが「自動化」されてるの?とお思いになる方も多いと推察します。
ただ、焦らないで聞いていただきたいのですが
これまでに行われてきた採用プロセスの自動化というのはどちらかというと事務手続き周り。
採用広告の作成や配信
面接の日程調整(スケジューリング)
候補者からの問合せ対応
入社手続きまわり
このあたりが、ちょっと前までの「IT化」というレベルで効率化されていたプロセスです。
ただ、直近(ここ5年くらい)の間には、皆さんも気になるであろう
選考のプロセスにおいても自動化が進んでいます。
具体的には以下の2つです。
書類選考(応募者のスクリーニング)
面接分析
このあたりは、抵抗感の強い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
だって、志望する会社には機械じゃなく
できればその会社の「人に」自分を見て
判断して欲しいて思いますよね?
でも残念ながら、その会社の「人間」に応募書類を見られる前に、
AIがあなたの応募書類を読んで落とす時代が来ています。
これについては賛否両論があると思いますが、落ち着いて最後まで読んで頂ければ、なるほど悪くないかも?と思う方も出てくるかもしれませんので、ぜひ一番下まで読んでみてくださいね。
※私は別にAI選考を会社に売っている立場ではないですが…(笑)
自動化が進む採用プロセス全6種
はじめに、企業の採用においてどのようなプロセスが自動化されているのかをおさらいしておきましょう。
採用プロセスの自動化は、大別すると6種類あります。
それぞれ、テクノロジーの進化と共に段階的に導入されてきました。
1. 求人広告の作成と配信
内容
AIが求人内容を自動生成し、ターゲット層に適した求人媒体に自動で配信するシステムがあります。手動で求人情報を作成・投稿する時間が削減され、効果的な求人配信が可能になります。導入時期
約5〜7年前(2015年〜2017年頃)から、AIを活用した求人広告の最適化や配信自動化が始まりました。LinkedInやIndeedなどのプラットフォームがこの技術を採用しています。
2. 応募者のスクリーニング
内容
AIが応募者の履歴書や職務経歴書を解析し、キーワードやスキル、経験を基に候補者を自動的に選別するシステムです。大量の応募者の中から、最適な人材を迅速に絞り込むことができます。導入時期
5〜8年前(2015年以前)から、応募者スクリーニングにAIが導入され、大企業を中心に普及しました。現在は中小企業にも広がっています。
3. チャットボットによる候補者対応
内容
AIチャットボットが候補者からのよくある質問に自動で対応。これにより、採用担当者が個別に対応する負担が軽減され、迅速なコミュニケーションが可能になります。導入時期
3〜5年前(2018年〜2020年頃)から導入が進み、特に大規模採用を行う企業で活用されています。
4. 面接のスケジューリング
内容
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールを使って、候補者と面接担当者のスケジュールを自動で調整し、面接日時を設定するシステムです。大量の候補者とのスケジュール調整が効率的に行えます。導入時期
4〜6年前(2017年〜2019年頃)からRPAの活用が進み、大企業を中心に導入されました。
5. オンライン面接の分析
内容
AIがビデオ面接で候補者の表情や声のトーン、ジェスチャーを解析し、性格や適性を評価するシステムです。これにより、より深い洞察を得て、面接プロセスを効率化することが可能です。導入時期
約3〜4年前(2019年〜2020年頃)に本格的に導入され、特にコロナ禍の影響で急速に広まりました。
6. 入社手続きの自動化
内容
採用後の契約書や入社書類の作成、提出手続きをデジタル化し、電子署名や自動通知システムを使って入社プロセスを効率化するシステムです。導入時期
約5年前(2017年頃)から導入が進み、特にリモートワークの普及によりデジタル入社手続きが一般的になりました。
はい、読んでみて頂いていかがでしょうか?
会社の人事回りのお仕事をされている方は、これらのプロセスにかかる工数で悩んでいたら自動化の検討を
新卒・中途に関わらず、これからの時代に就職・転職活動をされる方は特に②と⑤の、AIによる書類選考・スクリーニング+面接分析に対策をしていくことが重要になってくるかと思います。
※参考リンク
AIによる書類選考について
応募した会社の人が書類を読んでくれないことに対してモヤモヤする気持ちが残るかもしれません。でも、ぜひ考え方をこう変えてみて欲しいです。
「確実に読んでくれる」ようになった
そう、実際に応募者の書類1つ1つをすべての採用担当者・関係者が読み切るというのはもともとかなり無理な仕事であり、今までは
「読まれることすらなく落とされていた」
という事実が、現実にはあったということです。
もちろん、人事や経営層がマンパワーを発揮して
「全て目を通している」という会社もあります。
ただ、それにはとてつもない労力がかかります。
例えば、私の入社した2010年卒のLIONの応募者は約12000人でした。
(採用されたのは70名くらい)
採用担当の人事の方は、アツい方でしたから
全部読んだ、とおっしゃられていましたし、私もそう信じています。
ただ、全ての会社がそうとは限らない。。。
大手企業には上記のように1万通を超える応募書類がきます。
商社などの超人気企業であれば、もっと応募は多いところもあるでしょう。
以下、採用担当者になったつもりで考えてみてください。
①限られた期間で(1カ月とか)
②担当者が全て隅々まで読み
③評価を数値化して
④例えばこの〇〇さんは59点だから60点未満は不採用
次のこの〇〇さんはう~ん、72点で面接まで通過だね
など現実的に完璧にやり遂げられるでしょうか?
1カ月のあいだに営業日が20日間あるとして
10000÷20でも500通です。
毎日500通、あなたは応募書類を読んで正しい評価ができますか?
たぶん、アツいハートを持って残業・土日出勤してやり遂げたとしても、スタートした日に比べ後半になるにつれ集中力の低下が起こるでしょうね。
AI時代以前の書類スクリーニング
採用の自動化、あるいは採用プロセスのアウトソーシングは実際に企業でずっと昔からある仕組みです。
ドライなことを言いますが
ちょっと前まで、大学名で足切りされていた事実があるのは周知の事実。
私は綺麗ごとは言いません。
ただ、別にこんなのは不公平でもなんでもなく、企業というのは利潤を追求する営利組織なわけですから、採用においてどんなフィルタリングをしようと誰も何も文句を言う権利はないというのも私の意見です。
広告代理店に入りたかったら慶応義塾大学に入学するところから就活が始まっているという現実を2010年の新卒就活当時に私は受け入れていますから。
あとは、書類選考のプロセスをアウトソース(外部の会社に委託する)ことも今でもよく行われています。(面接の委託もありますが)
「私たち採用のプロが戦力になる候補者を漏らすことなく、人事の負担を軽減します!」みたいな会社さんですね。
何が言いたいのかというと…
👉もともと、応募した会社の人が自分の応募書類を必ずしも読んでくれていないってこと。
もう一度考えてみてください。
ここまでの話を踏まえて再度考えてみると、AIが職務経歴書を読んで選考する、一定のスクリーニングをかけるというのは、あなた(応募者)にとって本当に良くない事なのでしょうか?
少なくとも、AIはあなたの職務経歴書を隅々まで読んでくれます。
大量に書類が届く新卒採用ではなく、中途採用の場合でも
➤「職務要約」の部分だけ読んで「無いな」と読み飛ばされたり
➤職歴(会社名と経験年数・役職)だけ読んで「無いな」と判断されたり
これは採用の裏側で起きている事。
「忙しさ」の犠牲です。
でもAIはあなたの職務経歴書を「隅々まで読んで判断」してくれる。
その会社の中の人が読んでくれないというのは、複雑に感じるかもしれません。ですが、あなたにとって、果たしてどちらの方が公正な選考になるでしょうか…?
AI時代の選考対策3選
また改めて、詳しくこの対策だけで記事を書こうと思いますが結論だけ。
AI時代の就職・転職活動においては、以下のような書類作成スキルが求められてくると思います。
婉曲的な表現を使わず、ストレートな表現をする
自分の会社や業界で慣習的に使われている言葉ではなく
一般的に広く浸透しているビジネス用語で記載するChat-GPT4.0等を日頃から使い、AIと会話するトレーニングをしておく
※AIプロンプトスキルを磨く
職務経歴書を含む応募書類は、書類選考の時だけでなく、その後の面接などでも常に使用されるものですが、書類で落とされては土俵に立てません。
ヒトも読むが、AIにまず読まれて経歴やスキルを要約されることを念頭に置いて書く必要があるでしょう。
私自身、実際にAIで職務経歴書からスキルを読み取ってくれる自動化システムを使用したことがありますが、「AIが正しく漏れなく自分のスキルを読み取ってくれるような書き方」を意識しないと落ちるな、と実感しました。
曖昧な書き方や、一般的でないワードは許されません。
例えばですが、あなたの特性やスキルをPRする際に
×:学生時代は~~サークル内で中心的存在として~
〇:〇〇大学では××人の所属するサークル内でリーダーシップを発揮し
上記のように「リーダーシップ」とハッキリ記載しないと、AIが「リーダーシップという特性があなたにある」と認識してくれない可能性が高い、みたいな感じです。
加えて、数字が入れられることは必ず入れる。
リーダーや管理を務めた組織が10人の所属する組織なのか、3人の組織なのか、あるいはPRしたいことの実績が1年なのか、5年やったのか。
AI時代と上手く付き合っていくためには、これが今まで以上に求められています。そのために有効なのは、積極的に身近に触れるAIを利用してみる事。
Chat-GPT4に自分の欲しい動きをさせる練習をするだけでも、けっこう感覚がつかめてきますよ。
どれくらい具体的に指示を出さないと望む回答をしてくれないか?
これが掴めれば、AIに評価してもらえる書類が作れるはずです。
※もうひとつ裏技。
自分が書き上げた職務経歴書を一度Chat-GPTに読み込ませて
「私のスキルや特性、適性を読み取ってください」
と指示してみましょう。そこで自分のアピールしたいスキルを読み込めていなかったら、「伝わってない」と判断することができます!
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