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独立のための⑦:事業計画書をつくる~作付け計画をたてる前編~

みなさまこんにちは。
定期的な更新にもだいぶ慣れてきました。
読書感想文がめちゃくちゃ苦手だったわたしがこんなに文字を書くことができるようになるなんて。

では今回のテーマに行きましょう。
今回は「作付け計画を作成する」です。

①5年後の売上と所得を決める
②ネギの相場、単収、収穫時期を調べる
③ネギをどれくらい売れば①の売上を達成できるのか計算する
④どのくらいの面積をやればよいのか計算する
⑤作付け計画を作成する
⑥施肥設計をする
⑦どれくらいの経費が掛かるのかを計算する
⑧5年目の事業計画を月単位で試算する
⑨所得が①で設定したものになるように調整する
⑩最初に必要な農機類を整理する
⑪1年目から4年目のストーリーを作る
⑫1年目から4年目の経費を計算する
⑬1年目から5年目までのキャッシュフローを試算する

前回までで売り上げを達成するための延作付け面積を計算しました。

1000万円の売上を達成するためには単収240kg/aの収量で延157a必要でした。その数字を使って作付け計画を作っていきましょう。

作付け計画を作成する手順は以下の手順で作りました。
今回は計算が多くわけわからなくなりそうなので何回かに分けて書くことにしようかと思います。

・圃場の使用効率を計算する
・何月に何キロ収穫するか決める
・何月に何アール定植するか計算する
・何月にどれくらい播種するか計算する

・圃場の使用効率を計算する

ここで私がなぜずっと作付け面積を“延”作付け面積といっているのかというと実際に必要となる圃場は圃場を稼働させていけば基本的に延作付け面積よりも小さくなる場合が多いからです。

野菜栽培には圃場回転数という考え方があります。
これは簡単に言うと年間で何回収穫ができるかという数字になります。
私自身がこれを概念でしか理解していないので正確な単位はわからないのですがここでは(作/年)で考えていきましょう。
これは1作の期間圃場で生育させる期間植え付け準備にかかる期間を足した数字で12か月(1年)を割った数字で表すことができます。

例えば、お米(愛知)であれば定植から収穫までの期間が5か月で次の植え付けまでの準備期間が7か月あります。ですので圃場回転数は1作/年です。それとは違い、ベビーリーフは植え付けから収穫まで年平均1か月で圃場準備期間が0.7か月。ですので圃場回転数は約7作/年ということになります。

ではネギではどうかというと、夏秋どりは定植から6か月、秋冬どりは定植から7か月、春どりは定植から8か月でした。
ここから平均するとネギは植え付けから収穫まで7か月ということになります。さらに収穫後の耕耘をした後に次の定植までの期間を2か月と取ります。
そうすると定植してから次に定植できるまでの期間を求めることができます。これをここでは1作当たり圃場占有期間(月/作)と呼ぶことにします。したがって白ネギの場合の1作当たり圃場占有期間は9月/作となります。
この数字を使った圃場回転数は以下の計算式で求めます。

【12(月/年)÷1作当たり圃場占有期間(月/作)】
12÷9≒1.3(作/年)

ネギの圃場回転数は1.3作/年となります。
つまりネギは1年間で1.3作できるということになります。
実際の圃場で考えると1回目の定植から収穫そして2回目の定植が終わるということが1年間でやれるイメージかと思います。

この圃場回転数を使えば実際に必要になる圃場の面積が計算できます。
計算式は以下の通りです。

【年間の延作付け面積(a/年)÷圃場回転数(作/年)】
157÷1.3≒121(a/作)

となります。したがって、ネギで37,680kg(240kg/a×157a)を収穫するために必要な面積は約121aということになります。
実際には、収穫が遅れたり片付けが遅れたりと栽培のタイミングがずれることもあるためこの面積があれば確実に足りるということではありませんが、圃場を集める際の目安として考慮します。

と、いうわけで今日はここまでにしようと思います。
今回の圃場回転数という考え方は少しややこしいかもしれません。
ですがこの考え方は農業をやるうえで非常に大事になってきます。
特にハウスなどの施設栽培をする方々はハウスの回転効率をどこまで上げられるかがとても大事になってきます。
最初から完璧に理解する必要はありませんが常にこのことを意識して営農活動に取り組むと能率が上がります。

では皆様さようなら。

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