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今日も生きてる、明日も生きてく

日々過ぎていく時間を特に意識することもなく毎日を過ごしている。だいたいの人はそうかな。学校に行き、授業を受け、課外活動をし、普通に流れていく時間は当たり前。高校1年生まではそう思っていた。

「また明日ね!」

ほぼ毎日友達と手を振りながら言い合っていた言葉。たまに冗談で「テスト勉強で死ぬからもう一生会えないかも〜」ってゲラゲラ笑いなら返していた。最近やっとそれを口に出せるようになったが、高校2・3年生の頃はある事件のきっかけでその言葉が吐き出せなかった。

高校生の頃はだいたい毎日放課後、なにかしらの用事があったためあまり友達と会う時間がなかった。なので、だいたいクラスの移動時間中か学校が始まる前に話していた。高1の時はバスで登校していて、いつも授業が始まる20分程前に学校に到着していたので、それまでは何人かの友達と廊下で集まって話していた。その中にいた一人の子はかっこよくてスポーツ抜群で人懐こい人でみんなに好かれていた。私はその人とは一つもクラス一緒になったことがない、ただ共通の友達が多かったからよく話していただけ。けど一応毎朝その人に「おはよう!」と「また明日!」は言ってたので私の友達の中には入っていた。でもあの時もっと仲良くしとけばよかったなって後悔している。「じゃあまた明日!期末頑張ってね!」ってその子がニコニコしながら私に言ったその日の夜、友達から連絡がきた。その子が自殺したと。

「冗談はやめようぜ」

って返事したら返信がこなかったので、不安で不安でその日は寝られなかった。次の日の朝、バスが異様に静かだった。期末の時期だからみんな勉強してんのか!ってポジティブに考えていた自分が学校に入った途端気持ちががらっと変わった。いつも集合していた場所に誰もいなかった。電話も出てくれない。「これはなんなんだ。ドッキリだよな?はやく出てこいよ」ってぶつぶつ言いながら教室へ向かった。そこで先生が発表した。私の学年の子が亡くなったと。

あまりの衝撃で言葉が出なかった。そして気付いたら涙がこぼれ落ちていた。毎日色々な人に笑顔を与えていたのに君は孤独な暗い世界で苦しんでいたのか。友達関係の悩みだったのか、それとも家族問題だったのか。死んで楽になったのか。彼に問いかけたいことがありすぎて頭がおかしくなりそうだった。そして自分を責め始めた。毎日会ってたのになんで気付いてあげられなかったのだろうって。

「大丈夫」

ちょうどその頃友達との関係が悪化し始めていて、勉強するモチベーションも消えていて、成績も落ちてきていて、何もかもいってなかった。うまくいってなかったけど、考えなければ大丈夫と自分の中で決めつけていた。大丈夫じゃなかっただろうなのに大丈夫大丈夫って言っていた。

気付いたら記憶が薄れてきてて、毎日のように頭痛があって、授業中に教室からでて嘔吐することもあった。

ある日、学校で失神して、記憶力の低下とその他の症状で母親に心配されて脳外科に連れてかれた。高い医療費出させて申し訳なかったけど連れてってもらったおかげで自分が精神疾患持ちだと分かり、学校のカウンセラーにも出会えることもできた。そのカウンセラーはなぜか話しやすくて、自分の全ての感情を吐き出すことができた。そこで気づいた。自分が友達と一緒だったこと。もし病院なんかに連れてってもらわなかったら人前で笑顔を出して「大丈夫」って言い続けて、いつか精神的に追い込まれてたかもしれない。

数ヶ月後、信頼できる新しい友達ができ、カウンセラーの存在を忘れるくらい学校が楽しくなって、思いっきり笑っていた。「作り笑い」が「真の笑い」なった。そしてただここにある日常に感謝する気持ちが大きくなった。今も不思議とさらに素敵な友人に恵まれて、本当に幸せな日々を過ごしている。

今でも私は素直に感情を吐き出すのは苦手。人と人生について語ったり、馬鹿な発言をしたり、ウェイなノリで接しあうことはできるけど、自分の感情について話すのは世界一苦手。悲しい時はつい「大丈夫だよ!」って嘘をついてしまうことも今でもし、嫌なことがあっても、相談せずに一人で考え事をずっとしてしまう。そして余計な心配を人にかけたくないからいつも黙っている。その友達が亡くなったことも両親はいまだに知らないし、誰にも話したことがない。悪い癖だ。

けど苦しい時は「苦しい」、悲しい時は「悲しい」ってはっきり周りの人に伝えるべきだと高校生の頃学んだ。自分の体が少しでもおかしいと思った時もすぐに病院に行って診断してもらった方がいいし、家族や友達と感情を共有しあった方が幸せになれる。

「大丈夫」という言葉を頭から抹消させろ

今はそれを頭にインプットしようとしている。

そして亡くなった友達の分まで
明日も、明後日も、生きたい。
そう思っている。

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