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水滸伝が好き過ぎて、干し肉作ってみた--いい感じの牛塊肉を手に入れた時に作るもの

こんにちは。乳がん闘病中のまいです。


そうなんです。

私、水滸伝が好きなんです。

それも、北方謙三の水滸伝・楊令伝・岳飛伝三部作が大好き。


これについてあまり語り合ったことがないのは、近くに同じ趣味の人がおらんから。

誰か、北方水滸伝好きな人おらんかなぁ~~~。


そう、水滸伝があまりに好きすぎて、干し肉を作っちゃいました。


水滸伝とは

『西遊記』『三国志演義』『金瓶梅』と併せて中国四大奇書の一つ、『水滸伝』。

11~12世紀の宋(北宋)を舞台にしてるん。

宋の高官が封じ込められてた108の魔物を解き放ってしまい、その後天下が荒れた際、「梁山泊」という反乱組織が作られ、108人の勇士が集まって国に反旗を翻すという物語なのです。


国を倒し、民の為の国を作るという「志」の旗印のもと、集まった男たちの人生が描かれとるんです。

湖に浮かぶ島に「梁山泊」という新しい国を作ってしまい、軍事だけではなく内政や商業、諜報活動までと活動が多岐に渡っている。ただの「闘いの物語」ではなく、「国をどうやって作っていくのか」という壮大なストーリーなんです。


水滸伝をモチーフにしたゲームで「幻想水滸伝」っていうんがありましたね。このゲームを通じて、108人の武将たちと水滸伝って名前を知ってる人は結構おるんかも。ゲームと小説のストーリーにあんまり関連はないらしいんですけど(^^;


大体、中国歴史小説にはまる人って、入り口は三国志よね。それも横山光輝の漫画。ご多分に漏れず私もその一人。

その後、北方謙三の「三国志」を読み、北方ワールドの虜になったわけです。


北方謙三「水滸伝」の魅力

北方謙三は、いろんなキャラクターを描き分けるのが実に上手い。

一人一人バックボーンがあって、そして決して「善人」ばかりではなくて、邪な部分や弱い部分を持った主人公たちが、それぞれの人生の中で闘いに向かっていくん。


秀逸だな、と思うんが、、、

敵方に感情移入してしまうんよね~~~!


水滸伝の場合、主人公は「梁山泊」、反乱軍側やから、北宋側は倒すべき敵なわけ。それでも、李富や童貫に感情移入してしまう。彼らも彼らなりの真義に則って北宋を守ろうとする。いい男に描かれてるんだなぁ~~!立場が違えば友になっていただろうってセリフも途中であるくらい。

義侠心に溢れた男たちが魅力の一つ。


で、普通水滸伝って、梁山泊がなくなって終わりなんやけど(ネタばれごめん!)。

あれだけかっこいい男たちが最後には次々と死んでいく、、めっちゃ切ないラストよ(>_<)

彼らの人生賭けた志はここで潰えるんか!?


ってわけで、北方さん、続編を創作しちゃったんです!

大水滸伝シリーズ

水滸伝から始まり、楊令伝・岳飛伝と続く三部作のことを、北方謙三「大水滸伝シリーズ」と言うそうな(笑)

楊令伝、岳飛伝は完全創作です。時代背景は史実に則りつつね。

水滸伝は晁蓋・宋江を首領とする梁山泊の元に、男たちがどうやって集結して宋と闘い、敗れていったかというお話。

楊令伝は水滸伝に出てきた楊̪志の遺児、楊令が主人公。梁山泊をもう一度興し、金や西夏も巻き込んで南宋をやっつけようというお話。

岳飛伝は楊令の宿敵であった南宋の将軍・岳飛が梁山泊の志を継ぐ者たちと手を携えて南宋と闘うお話。ここまでくると話も世界観も広がり、舞台は中国に留まらずなんと東南アジアから日本まで含めた壮大なお話になるんです。東南アジアのジャングルの中での戦闘とか出てくるけん~!密林の中での闘い!!日本とは交易のお話が中心で、阿波の国も出てくるんよ(^^)v


北方謙三が描くキャラクターの魅力が、次巻にもしっかりと受け継がれている。

孤高の英傑・九門竜史進や孤独な拳を持つ戦士・武松。三作通して彼らの人間的成長が見られるのも面白い。

楊令伝以降は「子」の代になって、歴代の英傑の子孫たちが活躍するのもまた楽しい。英傑の子は、やはり英傑。かっこよすぎ。そして強い。無敵か??


本来ならば、敗れて終わりの物語に、未来を紡いだ北方謙三の男気。

それも、楊令伝ではああいう終わり方をしておきながら…!!

憎いですよぉ、この三部作のつなげ方!!

ものすごく長いので、前に読んだところを忘れていくから、何度も読みたくなるん(笑)

水滸伝だけは文庫本で19巻まで持ってるんで、いつでも読み返せる♪

けど、後半になったらだんだん切ない感じになってくんで、最後まで読むのが嫌になるんですよ(>_<) 結末を知ってるから!

できれば宋江たちに宋を倒してほしかった。というのは読者全員の願いだと思います。


男たちの携行食:干し肉

この大水滸伝シリーズでは、よく移動のシーンが出てくるん。中国全土を舞台にしとるからね。

もちろん、今みたいな車や電車、飛行機なんてないから、基本歩きか馬。

中国は広いから、移動中必ず宿場に泊まれるとは限らず。

追手から逃れるための逃避行って時は姿を隠さなあかんわけで堂々と宿に泊まるわけにもいかん。


当然、野宿のシーンがたくさん出てくるわけです。



陽が落ちて、今日寝床にするところを探し。

火を起こすための薪を手に入れ。

さぁ、夕食!という時にすごい頻度で出てくるのが、「兎」。

そのへんの野山で兎を狩って、皮をはぎ、薪にかざして肉を焼き、頬張る。

時間をかけて肉を焼いてる時の、肉汁の滴り具合。火の爆ぜる音。食事を食べたらあとは寝るしかないから、肉を焼くのも焦らない。時間をかけてゆっくりと。

またそれを頬張る時の描写が何とも言えず。


なんて、贅沢な。


肉が余った時、煙で燻して燻製にしておけば、この先、生肉が手に入らない時の非常食になる。


そーんなシーンを何度も眺めていて。



野営で干し肉食べてみたい…!!



そんな欲望が沸々とわいてきたわけです。


干し肉を作る

干し肉、と言っても実際干すわけじゃなくて、牛肉の燻製です(^^;

じゃーーーん!

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やる気の出る塊肉を手に入れました。

これだけ上質で鮮度がいいなら、順当にローストビーフにするべきやったかもしれんけど。

このくらい、いい肉じゃないと、手間暇かけた干し肉なんて作ろうと思えませんよ!だから、いいの!!



さて。

これをどうやって燻製にしようか。

いくつかレシピを調べてみましたん。

その中から厳選して、今回は塊が大きいので、二種類の方法で燻製を作ることにしましたん。


燻製その1:ビーフジャーキー

これぞ干し肉!って感じの見た目を期待して。

ワインとか混ぜ込んだつけ汁に一晩つけておくっていうのが気に入って試してみました。

こちらのレシピを参考にさせていただきました↓


材料

牛塊肉:適当

すりおろし玉ねぎ:1/4個くらい

すりおろしにんにく:ひとかけ

こしょう:適当

ローレル・ローズマリー:適当(これらはなくても大丈夫)

めんつゆ:赤ワイン=1:2(めんつゆ100mlに対し赤ワイン50ml、みたいな)

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作り方

①肉を5m幅に切ります

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②それ以外の材料を合わせて、ジップロックに入れる。

③①の肉を②に入れてもみこむ


④一晩おく

⑤つけ汁から出し、バットに並べて風乾燥2日間。


⑥燻製鍋にチップを敷いて燻製

※注意:肉から水分が出るのでこまめにふき取りながら燻製すること!

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でけた♪


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1日置いた後の方が味が落ち着いてて美味しいと思われます!

つけ汁が良かったね!

燻製時間が少し長かったようで、若干焦げ付いてしまったが!

見た目以上に美味!!

手間暇かける価値、あり!!!

つけ汁の手間はかかるけど、漬け込む時間が短いから結構つくりやすいレシピかも♪気に入った!


燻製その2:スモークビーフ

塊のまま燻製するところが気になって、作ってみたこちらのレシピ↓

めちゃくちゃ、時間かかった(笑)


材料

牛塊肉

ソミュール液(水100gに対して三温糖3g)

塩(ハーブ塩とかいろいろあると良いらしい)

こしょう(いろんなペッパーがあると良いらしい)



作り方

①ソミュール液を作る(水100gに三温糖3gを入れて煮立たせる)

②塊肉に塩・こしょうをすりこむ

③①に②を入れる(ここでウィスキーを入れると薫りがつくらしい!)

④冷蔵庫で7日間寝かせる

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⑤塩抜き(塊肉を洗って水につけて放置)6~8時間

⑥乾燥12時間(ラップをしないで冷蔵庫に入れておく)

⑦燻製にする

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できた~~!見た目、ローストビーフ。

重厚感があって、仄かに薫る、くらいかな。

すり込んだ塩が少なかったからか、しっかり塩抜きできたからか、あっさりめの味付けでいくらでも食べられた(笑)

漬け込み時間が長かったからか、意外と肉が柔らかくてしっとりしてたん。触感が上質な感じ??

コース料理の前菜とかで出せそうな雰囲気でした(笑)


干し肉のロマン

今回は初めて作ったので試作品的な?

干し肉はとんでもなく贅沢な携行食だということがよく分かりました。

今回みたいないい肉じゃなくて(笑)

ちょっと固めで加工せんと美味しくないくらいの肉を、美味しく加工するくらいがちょうどいい路線やろな(*^o^*)



いつか。

時間をじっくりかけた干し肉を携えて。

外で焚火を囲みながら。

皮の酒袋に入った少量のお酒を仲間内で回し飲み。


なーーーんてできたら、完全に水滸伝の世界やーん!

皮の酒袋は別にいいからさ。

外で火を囲みながら、くらいなら実現するかもね。



干し肉で、北方水滸伝のロマンを体現したいという夢。

今回はそこへ向かうための第一歩。

いつか叶いますように。

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