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Legal, Ethics, Compliance, Risk Management and Audit / Like a Snail 仕事関係の調べもの、日常生活で考えたことのログ 記事の安全性等は保証しません。利用は自己責任にて。

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  • ISO19600解説シリーズ

最近の記事

コンプライアンス部門は必要か(ISO19600検討シリーズ)

この文章の概要 コンプライアンス部門は必要。法務機能とは分けた方が良い。 各種ガイダンスでも、具体的にコンプライアンスの機能組織を置くことを求めているものがいくつかあるというのが、他の機能組織と比べた時の特徴と見られる。 0.はじめに今回もまたISO19600の規定をネタに、企業コンプライアンスにまつわる事柄を考えていきたい。 今回は、コンプライアンス部門の意義について考えたい。 この検討を通じて、コンプライアンス部門が負うべきミッションを明らかにし、そのうち本当に

    • 「公用文作成の考え方」を参考にしよう

      いきなり引用で恐縮だが、「公用文作成の考え方」が70年ぶりに改訂されたとのこと。 この通達(決まり?読売の記事では「手引」と称しているが)自体は存在は知っていたが、読む機会に恵まれなかったのでこの機会に読んでみたいと思い、備忘としてこの記事を書いてみる。 1.民間がこの手引を読む意義旧手引についてのWikipedia解説などでは、「・・・国語改革政策の一環として、また政治・行政の民主化の一環として、さまざまな公文書を「官庁自身や一部の専門家のためのもの」から「広く国民全般

      • 「本業に支障をきたさないこと」は副業制限の理由として不適

        1.はじめに2021年7月、北海道十勝地方で、消防士が許可なく農作業アルバイトの副業をしたとして懲戒処分を受けたという事案が発生したらしい。 最初私はヤフーで見たのだが、ヤフーでは掲載が終わってしまったようなので別サイトを参照させていただく(前文を見るには会員登録が必要)。 https://agribiz-hokkaido.jp/tp_detail.php?id=8838 規則は規則なので処分は仕方ないと思うが、この組織における副業の取り扱い実態がどのようであったかは興

        • コンプライアンスとは - ISO19600より

          私はコンプライアンスが仕事なのでコンプライアンスについて考えていきたいが、そもそも「コンプライアンス」という言葉の意味、射程範囲については文脈や場面によってずれがあるように思われる。 考える対象が違えば議論がかみ合わないので、前回紹介したISO19600紹介シリーズのとっかかりとして、ISO19600がこのコンプライアンスというところの範囲をどう考えているかを検討していきたい。 1. 世間でいうところのコンプライアンス(日本企業想定)コンプライアンスとは一般に法令順守、と理

        コンプライアンス部門は必要か(ISO19600検討シリーズ)

        • 「公用文作成の考え方」を参考にしよう

        • 「本業に支障をきたさないこと」は副業制限の理由として不適

        • コンプライアンスとは - ISO19600より

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        • ISO19600解説シリーズ
          3本

        記事

          コンプライアンスのISO

          前回、コンプライアンスのガイドを作りたい、という話を書いた。ISO規格のように誰でも参照でき・・・と書いたが、実は企業コンプライアンスに関するISO規格は既にある。それがISO 19600:2014 というマネジメント規格になる。 9001や14001のようなマネジメントシステムの規格で、日本語版というかJIS版がないので日本ではとてもマイナーだが(海外の状況は知りません、もしかしたら海外でもマイナーなのかも)、一応ISO規格として発行されているものであり、かつ日本語での解

          コンプライアンスのISO

          法令コンプライアンスについて

          一般的な企業コンプライアンスとして、主に大企業の製造業・サービス業を念頭に置いて、コンプライアンス体制なり活動がどうあるべきかを考えていきたい。 皆さんはコンプライアンス活動、といった時に、具体的にどんな法令なり規範なりを守るための活動をイメージされるだろうか。 会社法はメジャーな法令だが、コンプライアンスの観点からはあまり重要でないと思う。なぜならリーガルスタッフないし外部弁護士に専門的知見をもって対応させることが通常である分野だからだ。 それよりも、法令の専門家でない

          法令コンプライアンスについて

          リアリティショー番組とメンタルヘルス

          1.まえがきここでは企業が自ら行うコンプライアンス活動、特に安全衛生的な観点から検討を行いたい。そのため、テレビ局に(道義的に)責任があるかどうかとか、BPOの判断の是非には立ち入らない。 一つだけ言うとすれば、当該問題は「誹謗中傷をした個人の問題」につきるものと捉えており、「制作側にも問題があった」とは考えない。法的に共犯が認定されてはいないわけで、責任を分散させる言説には賛同できない。(通り魔に襲われた人を見た人が被害者を救えなかったからといって、その人を責めるような

          リアリティショー番組とメンタルヘルス

          iPad用キーボード選び

          1.検討のきっかけこの文章は、iPad ”にも” 対応するBluetoothキーボードを使ってiPadで書いているのだが、ちゃんとした独立型キーボードは安いものでもキーの大きさや広さ、打ちやすさがそこそこ優れている反面、ラップトップPCのように膝上に置いて文章を打つということができない。 文章は快適に打ちたいが、いつでもさっと起動して使えるというタブレットの利点を失いたくないので、違ったキーボードを探すことにしたい。 最初はそれを解決するためにchromebookを探して

          iPad用キーボード選び

          Chromebook選び

          まだ購入していないのでただの机上論にすぎないが、Chromebook購入に興味があるので、選び方のポイントと思われるところを自分向けにメモしておきたい。 1.なぜChromebookか現在、スマートフォンとデスクトップPCとiPad(無印、第七世代)を利用している。 このうちiPadの主な用途は、ウェブサイト閲覧、動画サイト利用、メール、文章作成、簡単な表計算(Googleスプレッドシート程度)、ビデオ会議、といった程度。デバイス性能が必要な用途はビデオ会議くらいしかなく、

          Chromebook選び

          過剰対応が招く 土壌汚染リスクの増大

          3.11に端を発する放射能汚染の問題を機に、ゼロリスク症候群、ゼロリスク信仰、などといった指摘(現象名?)が色々なところでよく見られるようになったという印象を抱いている。 関連する話で、その性質から法規制では必ずしもゼロリスクを求められていないのに、実務ではゼロリスクの要求と戦わなくてはならない事例として、土壌汚染について考察したい。 この事例は一般市民だけでなくプロ同士の取引でも生じうるという点も興味深い。 1.ゼロリスク心理が土地取引を滅ぼす自分の土地や周辺が、過去数十

          過剰対応が招く 土壌汚染リスクの増大

          内容量表示について(景品表示法)その2

          その1から続く。 4.景品表示法以外の法令4.1.計量法商品一般について正確な計量をする義務は努力義務として規定されている(10条)。これに加えて、定められた一定の商品(「特定商品」)については、政令で定める誤差を超えないようにしなければならない。 この誤差を「量目公差」という(12条)。 この義務を履行しない場合には、自治体等から勧告や命令、公表、従わない場合の罰金が科せられる場合がある。 「特定商品」の範囲はざっと見る限り非常に広く、私ではちょっと考えないと該当し

          内容量表示について(景品表示法)その2

          内容量表示について(景品表示法)その1

          1. 内容量にまつわる問題点液体や気体の商品には通常、内容量が記載されている。重量表示の場合もあり、固体の製品では重量での記載が多いように思われる(私見)。 どんな製品でも、製造工程の能力の限界から、必ず誤差は発生する。 誤差はどの程度の範囲であれば、景品表示法により罰則の対象になる「有利誤認」とみなされず、法令抵触を防げるのであろうか? それはパーセンテージか、もしくは絶対量か、モノによって違うのだろうけれども。 ふと気になったので調べてみることにした。これはその備

          内容量表示について(景品表示法)その1

          この場所で書きたいこと

          1. 日常の中で比較的熟慮して決めた判断について、情報収集のログと判断の内容、結果がどうであったかを記載する 2. 仕事のために情報収集した内容について、集めた情報の概要とそれについて思うところを適当に書く 目的としては ①自分がある程度時間をかけて考えたことを言語化して残しておきたい ②自分の考えを客観視したい ➂調べたことをワンショットでなく将来使えるようにしたい あとは、自分が調べものをする際に、個人のブログみたいなものでも参考になる時がたまにあった(全面依拠する

          この場所で書きたいこと