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海外ノンフィクション書評#5「トレバー・ノア 生まれたことが犯罪!?/トレバー・ノア著・齋藤慎子訳」(2018)
(有料にしていますが、全文読めます。良かったら投げ銭をお願いします。) 本作の主人公は、自信の置かれた境遇を跳ね返すことも、笑い飛ばすこともしない。ただ強く生きていく。その姿に、生きる希望が湧いてくる。 「トレバー・ノア 生まれたことが犯罪⁉」は、アメリカを拠点に活動するコメディアン、トレバー・ノアの自伝である。幼少期から高校卒業後、人気コメディアンになる以前の出来事が描かれている。 1984年の南アフリカで、黒人の母・パトリシアと白人の父・ロバートの元に生まれたトレバ
有料100海外ノンフィクション書評#4「キッチンの悪魔 三つ星を越えた男/マルコ・ピエール・ホワイト、ジェームズ・スティーン著 千葉敏生訳」(2019)
(有料にしていますが、全文読めます。良かったら投げ銭をお願いします。) 努力の果てに何が見えるか。一つの夢にその身を捧げ続けた先には、どんな未来が待っているのか。これは、ある男が前人未到の称号を手にするまでの記録である。 「キッチンの悪魔 三つ星を越えた男」は、イギリス人シェフであるマルコ・ピエール・ホワイトの半生を綴った自伝だ。10代半ばで料理人となったマルコは、本書執筆時点で、ミシュランの三つ星を獲得した唯一のイギリス人シェフである。 シェフの父親を持つマルコは、高
有料100海外ノンフィクション書評#3「セガVS任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争/ブレイク・J・ハリス著・仲達志訳」(2017)
近年、ゲーム業界は大きな盛り上がりを見せている。スマートフォンで気軽にゲームがプレイ出来るようになり、何より「eスポーツ」の世界で戦うプロゲーマーも、市民権を得ている。 そういったゲームの世界の現状を知るための本も多く出ているが、今回紹介するのは、長いゲームの歴史の一部を描いた、とても濃厚な一冊だ。「セガVS任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争」である。著者のブレイク・J・ハリスは、ニューヨーク在住の作家、映像ディレクターで、本作がデビュー作となっている。上下巻出ているが、