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渡部有希
2022年5月14日 13:08
鳩が座ったまま死んでいた。首を丁寧に折りたたんで、何色とも言えない羽根に押し沈めていた。そこにだけ朝日が当たって、辺りの寒々しい空気を溶かしていた。美しい生の終わりを見た。真っ白な空に今にも飛び出しそうだった。その隣にはシュレッダー済みの紙が詰められた袋が何十と山になって積み上げられている。さっきまで重要の判を押されていた紙が、裁断されてゴミとなっていく、あのさま。
2020年11月19日 11:34
アブラザメの夢を見た。港の近くの道路を歩いていたら、黒くて大きい何かが向こうからやってきた。真っ黒い肌で、目は明るい青色で、口が大きく開いていて、鋭い歯の隙間から白い涎のようなものを垂らしてた。サメの形をしていた。2tトラックぐらいの大きさで、空中2メートルくらいのところを飛んでいた。車道の上をスーッと飛んで、車と同じように、曲がり角をゆっくり曲がってやってきた。信号は青だった