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さぁ、ワクワクドキドキを探しに行くよ~!創設者が語るまごめの遊び【前編】

1973年、東京都大田区の馬込地域に有志で「保育所をつくる会」が発足され、その2年後の1975年9月に「馬込共同保育所」が開園しました。
それから47年。数度の移転もありながら、現在の「まごめ共同保育所」に、その理念が受け継がれ、今日も子ども達は街中を探検して遊んでいます。

これまでは親からのメッセージをお伝えしてきましたが、ここらで職員からの思いも知っていただきたい!ということで、まずは、創設者の“たえこちゃん”。
今から20年以上前の2000年に綴ってくれた「まごめの遊び」について、前後編に分けてご紹介します!

【今回の語り手】
職員のたえこちゃん。創設から47年間、まごめ共同保育所とまごめっことともに歩んでくれたレジェンド。優しい笑顔とユーモア、行動力にいつもみんな励まされ、鼓舞され、癒されています。まごめをつくり、守ってきてくれてありがとう。

さ~て、今日はどんなおもしろいことが見つかるかな?

まごめてくてく探検隊

「僕たちの保育園には庭がありません。大森の街全部が僕たちの遊び場です。僕たちは大森ジャングル探検隊です。」
これが、私たちまごめ共同保育所のスローガンです。私たちは「大森ジャングル探検隊」を掲げ、「街を遊ぶ」を実践してきました。
注)今は「まごめてくてく探検隊」に変更。

子どもが育つには豊かな自然が必要、と一般に言われています。ウサギ追いしかの山、コブナ釣りしかの川。でも私たちの住んでいる街にはそんな環境はありません。ビルや工場、商店街、びっしり並んだ家々、車がビュンビュン走る道路。理想とはかけ離れた環境です。
でもこの街で子ども達は育つのです。ここが「ふるさと」になるんですものね。自然がないからと諦めてなんかいられません。

どんな場所でも遊びを見つける天才。それがまごめっこ!

親たちと「子どものころ、どんな風に遊んでた?」と話す機会がありました。子どものころ遊んだ思い出を語る大人たちの表情と言ったら、本当に子どもみたいな顔つきになっちゃって、幸せそうに話しますよね。
不十分な環境の中でも、豊かな思い出のいっぱい詰まった子ども時代を過ごしてほしい。そんな思いの中から生まれた「大森ジャングル探検隊」「街を遊ぶ」なのです。
今日もいい天気。さぁ、どこに探検に出かけようか!

乳母車に乗って、チビちゃん達も探検に出発!

はえば立て、立てば歩け!!のまごめっこ!

まごめの散歩はおおむね3グループに分かれて出かけます。
0歳~2歳を含む、赤ちゃんグループ、2歳~3歳を含むチビちゃんグループ、3歳~年長さんまでの大きい子グループ
グループ分けは緩やかで、その日の状態によってもっと細かなグループになることや、全員で一緒に遊ぶこともあります。

「夜中に咳が出ていたので今日は赤ちゃん組と散歩に行かせて」などと親からの希望があったり、「赤ちゃん組と行く~」と子どもからの選択があったりもします。その辺は規模が小さいので、臨機応変に対応できます。

探検のテリトリーも年齢によって違ってきます。
最初は抱っこされたり乳母車に乗ったり。よちよち歩きが始まると、転びながらもいよいよ自分の足で探検開始。「歩く」に「走る」が加わるようになると、加速度的に遊びのテリトリーが広がっていきます。

赤ちゃん組も電車に乗って遠くへ行くことも!どんどん世界が広がります

歩く、走る、バスに乗る、電車に乗る。
年長になるとマイ自転車にまたがってのサイクリングという技も加わり、遊びのテリトリーはどんどん広がっていきます。大田区は多摩川を隔てて隣が神奈川県ですから、ちょっと足を延ばせば豊かな自然に接することができます。
横須賀から船に乗って、かつて海軍の要塞だったという猿島へ。
わーいわーい、山登りだー、と六国峠へ、高取山へ、三浦富士へ。
広がる広がる。夢は広がる。

大きい子チームになると本格的な山登りにも!大したものです。

まごめ流・散歩の仕方

まごめでは「おててをつないで、二列に並んで」という歩き方は基本的にはしません。それぞれが気ままに歩いていきます。

・自販機を見つけると、ボタンを押してジュースを買う(つもり)。
・階段を見つけるとのぼって飛び降りる。
・先に走って行って、建物の隙間に隠れる。
・落ちている宝物を拾う。
・オシロイバナの種を摘んで「お化粧」する。
・花で爪をこすってマニキュアを塗る。
・字が書ける石を見つけて、地面に矢印を書く。

そうやって遊びながらも、車が来ると「ぺったんこー!」と叫んで、道の端に慌てて身を寄せる。「ぺったんこ」の技を身につけること。それが大森ジャングル探検隊の第一条件なのです。車から身を守る術がなければ、「街で遊ぶ」ことはできません。
他にもいくつかルールがありますが、赤ちゃんの時から少しずつ積み重ね、身につけていきます。

小さい子たちも立派な探検隊です!

散歩の行き先はその日の天気次第。気分次第。
「今日はどこへ行って遊ぼうか?」と相談することから始まります。
「あそこ行きたーい!」「これやりたーい!」子ども達は目をキラキラ輝かせて、ピョンピョン飛び跳ねて叫びます。

ときには
子ども「怪獣公園がいい!」
大人「今日はさぁ、チビちゃん組も一緒だよ。そこまで行けるかなぁ」
子ども「むりだねー」
大人「じゃあ今日はプリン公園にしようか」
子ども「そうだね」
などと折り合いをつけることもあります。

そのうち中学生くらいになると、「別にー」とか「どっちでもいいっすよ」とか言うようになるんだから、今、この時期に「やりたい!」を思いっきり主張させてあげたい、と思ってしまいます。

雨が降っても遊びは止まらない!

後編ではまごめてくてく探検隊の宿敵?相棒?“ネコX”のエピソードをご紹介します!あわせて読んでいただけたら嬉しいです。

▼後編はこちら

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