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間法(まほう)の科学 Ⅰ 〜心の距離感をマネジメントする軍師の眼〜/返金可能

この有料ノート(返金可能)の概要 ↓ 


コミュニケーションが上手くいかないのは言葉の選び方や、持って生まれた性格などに問題があるのだと思われがちですが、多くの場合はそうではありません。

そもそも自分と相手を取り巻く心の世界での現状を正確に把握できていないことに原因があります。

自分と相手の心の現状を正確に把握できていないために、せっかく絞り出したあなたの言葉が、まったく相手に響かなかったり、時には逆効果にさえなってしまう。  

言葉を発する以前の一番大切な部分。相手と自分の心の間合いを正確に見極める眼を育てるためのヒントを散りばめたノートです。

また、社交的な人はコミュニケーション能力が高い人で、社交的でない人はコミュニケーション能力が低い人、といった間違った認識を正すきっかけにもなればと思っています。

前書き部分は無料ですので、途中まででも読んで見ていただけましたら幸いです。

また、返金申請にも対応していますのでご満足いただけない場合には遠慮なく申請ください。


はじめに


世の中を憎んでいた10代後半に対人恐怖症に近かった状態から、メディアやイベントに『魔法つかい』として出演したり毎月各方面から人が集まるサロンを主宰し、コミュニケーションに関する講演活動も行うようになるまでの約20年の間に、私自身が苦心しながら試行錯誤と研究を重ねて学んできたことを一度整理したいと思っていたことが本シリーズ執筆の一番の動機です。


同時に、近年若手のマジシャンの方や、フリーランス志望、独立志望の方から様々なアドバイスを求められる機会が増えたこともあり、一度まとめてアウトプットをしておこうと決心し、キーボードを叩き始めた次第です。


本作はその第一弾として、コミュニケーションにおける『間合い』を測ること、つまり『観る能力』というたった1つのテーマに絞って書き下ろしたものです。(2018年にダウンロード販売の電子書籍として発売したものを一部加筆修正してnoteに移行しました。)

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コミュニケーションが思い通りにいかない理由には、様々な原因があります。10のディスコミュニケーションを観察すれば、10の異なる理由が見つかるでしょう。


ただ、ひとつだけ確かなことは、コミュニケーションがうまくいかない場合、そこには必ず何かしらのギャップが存在するということです。


ギャップとは『隔たり』のことであり、相手と自分の『距離』であり、『間』です。


コミュニケーションを円滑にするためには、何らかの方法でこの『間』を埋める必要があります。


逆に、あまり関わりたくない人に対しては程々に『間』を保つことで、自分を守ることができます。また、『間』を保つことは相手の領域に不用意に土足で立ち入らない気遣いでもあります。


コミュニケーションが苦手な人は、この『間』を認識する能力、そして『間』をコントロールする能力が低い傾向にあります。いわゆる『間合い』の技術です。私自身、一時期この感覚が著しく狂っていました。


そういった人はそもそも人との距離感をあまり気にしていません。気にしているとしても、かなり大雑把になんとなく気にしているつもりという程度です。


そういう人が「あの人と距離をとっている」というときは、単に「連絡をとらない」ことであったり、「近くに来たら避ける」という物理的なことだったりします。


コミュニケーションが得意な人になってくると、『間合い』がもう少し繊細な感度になっていきます。

「あの人は仕事でミスをして今落ち込んでいるところだから、しばらくそっとしておいてあげよう。」
「彼女は大親友が遠くに引っ越してしまって寂しそうなので、さり気なくみんなでご飯にでも誘ってみよう。」
「今日は上司の機嫌が悪そうだから、あまり近づかないようにしつつ、仕事は念のため期待以上にこなしておいて、とばっちりを食うリスクを回避しよう。」


など。


とはいえ、コミュニケーションが得意だと言われる人でも、日々意識的にこの問題に取り組んでいない限り、心の『間』を取り巻く現象のごく一部しか見えていないように思えます。


『間合い』に関する能力は大きく二つに分けられます。


一つは

『間の取り方(距離の取り方)』

もう一つは、

『間を正確に把握する能力』


『間の取り方』以前に、まずは正しく『間』を見極めることができないと、如何なるテクニックをもってしても効果的なコミュニケーションをとることができません。


プラモデルの全てのパーツを渡され、組み立てるのに必要な道具がすべて揃っていても全体像を把握できる説明書が無ければ正しく組み立てられないのと同じです。


コミュニケーションの具体的なテクニックは、いわゆる『戦術』にあたります。もう少し大局的な見地からコミュニケーションを捉えた様々なアプローチ方法が『戦略』にあたります。


本書では『戦術』や『戦略』以前の問題を扱います。


つまり大局的に広い視野で心の世界をみる『軍師の眼』 を皆さんに身につけていただく、或いは考えるきっかけにしていただくことを目的としています。


コミュニケーションにおける『戦術』や『戦略』を扱った書籍は星の数ほど出ていますが『軍師の眼』、つまりコミュニケーションにおいて起きている『人の心を取り巻く現象全体』を俯瞰的に捉えて『観る』ことにテーマを絞った書籍はあまり数が多くありません。


良い人なのに誤解されている人。


本来の自分とは全然違うキャラを意図せず演じ続けて生きている人。


本来は握手できるはずなのに、お互いの誤認識が原因で対立している二人。


悪い人ではないのに人との距離感が独特すぎて、煙たがられてしまう人。


世の中を見渡すと、本人の意図とは裏腹に残念な結果に終わるコミュニケーションに溢れています。


どんなに変わっていても、一人ぼっちでも、社交性が無かったとしても、本人が心から望んでそのスタンスを貫いており、その結果に満足しているのであれば、それはコミュニケーションの失敗ではありません。


決して八方美人に誰とでも上手くやることがコミュニケーションの目的ではありません。


自分が望む通りの結果を得るために他者と関わるのがコミュニケーションの目的です。つまり、社交的にコミュニケーションをとらなくても必要な時に必要な人とコミュニケーションが成立するだけで自分自身が楽しめて人生が円滑に回るのであれば、社交的だけれども人知れず悩んでいる人よりもうまくやっているということです。社交的な人がコミュニケーション能力に優れていて、社交的でない方は劣っているという考え方が蔓延しているので念の為触れておきました。


コミュニケーションに関する悩みを抱える人の多くは、コミュニケーションのテクニックに問題があるのではなく、そもそも自分と相手を取り巻く心の世界での現状を正確に把握できていないことに原因があります。


現状が正確に把握できていないために、せっかく立てた戦略が見当違いになり、その戦略をベースに絞り出したあなたの言葉が、まったく相手に響かなかったり、時には逆効果にさえなってしまうというわけです。


『現状を見る力』が育ち、コミュニケーションの質が高まれば、世の中は圧倒的に生きやすくなります。


しかし、これはハッキリと書いておかねばなりませんが、全てのトラブルを解決することはできません。


解決することができないトラブルというものは間違いなく存在します。しかし、解決することができないトラブルも、事前に正しく認識する眼が育てば決定的なトラブルには発展しません。


トラブルには必ず原因があり、それは現状を正しく把握していないことよって見落としてしまった、あるいは対処しなかった小さな認識のズレから始まります。


逆に、現状を正しく把握することができれば、トラブルの芽が大きく育つ前に摘みとることができるのです。


本書で扱うテーマは体系的にわかりやすくまとめるのが困難な領域でしたので、色々な角度から観た『間』に関する私なりの考察をサンプルとして並べる形式となっています。


前半で簡単な概要や特徴をおさえたら、あとは薄皮を1枚ずつ重ねるように様々な視点を擬似体験していただくことで、コミュニケーションに対する認識が少しずつ深まるように設計したつもりです。


世の中は多面的なものです。そのため本書には一見すると矛盾する内容もありますが、それはモノを右から見たり、左から見たりした時に見え方が違うように、様々な視点から捉えてこそ全体の奥行きや真実が見えてくるのと同じことです。


心の世界に絶対的な正解はありませんので、『自分だったらそういう考え方はしないなぁ。こうするだろうなぁ。』という感想がたくさん出てくると思います。


俯瞰で縦横無尽に様々な角度から心の世界の構造を見渡す眼を持つことが本書の目的であり、その先の判断は、むしろ十人十色であるべきです。


そういう意味でも、「こういう時はこう言え!」といった一元的な方向性を示すわかりやすいテクニック本とは違い、抽象的な内容となりました。


先にも触れた通り、本書の中では様々な視点をご紹介していますが、具体的な解決方法(いわゆる戦術や戦略)までは書いておりません。本書のテーマから外れてしまうことと、解決方法は状況次第であるためです。


しかし、自分と相手の心の現状が見えれば、アプローチは自ずと見えてくるものです。そしてそのアプローチはあなたらしくあるべきです。


いろいろな角度から、その都度コミュニケーションについて考察し直しているのでクドイと感じる部分もあると思います。しかし、すべての切り口が『観る能力』という一つの本質に集約されることを伝えたいという思いから、敢えてそうした書き方をしております。


紙媒体で出版しようと思うと諸々の調整に時間がかかりそうなので、今回はダウンロード販売( ← 2018年時/現在はnoteの有料記事)という形をとりました。


プロの編集者の手による編集プロセスを経ていないため、けっして商品としての体裁が優れているとは思いませんが、魔法つかいとして15年間活動をしてきた人間の思考の一端に触れ、少しでも何かを感じていただけましたら幸いです。


多くの方に読んでいただき、率直なご感想などをいただけることを切に願っております。


*本書で一部扱っているコミュニケーションとは主に言語および明示的な態度などによるごく一般的なアプローチを指します。例外となる各種非言語コミュニケーションや洗脳、催眠、サブリミナルメッセージなどについては言及しておりませんが、例外があるということはここに明記しておきたいと思います。


2018.10.25 魔法つかいKOJI

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