モヤモヤ母

思春期って本当に難解。 ただでさえ難しい時期なのに、LGBTqに翻弄される毎日が来ると…

モヤモヤ母

思春期って本当に難解。 ただでさえ難しい時期なのに、LGBTqに翻弄される毎日が来るとは、思ってもいなかった! 私が思春期の頃には、まず存在しなかった(学校教育環境では浸透していなかった)LGBTqとやら。 FtM(仮)だと主張する娘との葛藤の日々を綴っています。

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15歳の娘が男だと言い出した。LGBTqなんて、マジでくそ。(その1)

スーパーマーケットで買い物をしている時だった。 「ママ、私、付き合っている人がいるの」 『え!』 (ついにきた!!!赤ちゃんの時から手塩にかけて育ててきた愛娘Sちゃんに、人生初の彼氏ができたのかっー! そーか、そーか。ついに、Sちゃんにも、甘酸っぱい青春が来たのねー! いいなぁ、初恋、実ったのかー。) 思春期真っ只中のSちゃん、中学に上がった途端、学校でのことなんて、聞いても何も教えてくれない。 だからよけいに、彼女から打ち明けてくれた、「付き合っている人がいる」という短いフ

    • 15歳の娘が男だと言い出した。(16)

      カウンセラーからのアドバイス通り、部屋の片付けを始めた。 自分の部屋の掃除は、彼女に任せていたので、ガッツリと部屋に入るのは久しぶりだった。 親が部屋に入ることは、全く抵抗のない娘であるが、部屋の掃除をすることはかなり苦手。この際に、断捨離もしたほうがいいのかなと思いつつ、カウンセラーの指示通り、自傷行為につながる道具を全部整理し始めた。 「先端が尖っているものは、この袋の中に入れてちょうだい」 無言のまま、彼女は、サクサクと袋に入れていく。 画鋲、彫刻刀、油絵用のナイフ

      • 15歳の娘が男だと言い出した。(15)

        クリニックには付き添ったが、診察室は、「自分だけで行ってくる」という彼女の気持ちを尊重して待合室で待つことにした。 診察後、医師から「不安神経症」であると告げられた。 そしてカウンセラーとのセッションを10回受けることを指導され、 その日は帰宅した。 それから何週間か経過したある日、カウンセラーから電話があり、 夫婦二人で来院するようにと告げられる。 入室早々、私たち二人をじっくりと観察していることは、その視線から理解していた。 カウンセラーという職種が、なぜかとっても嫌い

        • 15歳の娘が男だと言い出した。(14)

          『違う、1年半くらい前。。。。』 この言葉が頭から離れなかった。 この時期は、彼女にとって、おそらくとても辛かった時期なのだ。 まさか、あのことが、まだ尾を引いているのか。。。。 原因があるのだとしたら、あれしか考えられなかった。 彼女が自分を男性だと自認し始めたと言った時期、それは中1の最後ごろ。 世界は、コロナ禍の最終段階に入ったところという時期。 中学という新世界がスタートするも、まだまだ世の中の不安度は高く、 授業は開講になったり、オンラインになったりを行ったり来

        • 固定された記事

        15歳の娘が男だと言い出した。LGBTqなんて、マジでくそ。(その1)

          15歳の娘が男だと言い出した。(13)

          会計を済ませ、荷物を車に乗せた。 フードコートで二人座って、ガッツリ話したいという欲求に駆られた。 聞きたいことというより、母親として、彼女に言いたいことが山ほどあった。 だけど、それをぶつけたら、勇気を出して言ってくれたであろう娘の気持ちはどうなる。。。 カミングアウトだけでもきっと相当勇気が入ったはず、今日はそれ以上突っ込まない方がいいのかもしれない。 サラッと流すことも時に必要だ。 だけどどうしても、いくつか確認したい。優先順位を頭の中で急いで整理した。 「今話して

          15歳の娘が男だと言い出した。(13)

          15歳の娘が男だと言い出した。(12、ついにカミングアウト)

          「牛乳、ありがとうね、カゴに入れて。」 「アーモンドも、いい??」 「うん、いいけど、2袋もいる?」 「ちゃんと食べるから」 アーモンドを積極的に食べる我が家ではない。 チョコレートに入っていたら食べる程度のSちゃん、単体でなぜ2袋も欲しいのか、わからない。 (ちゃんと食べるから)という言葉に引っかかったが、それよりもS奈ちゃんとのことのを打ち明けてくれたことに私の関心は向いていた。 「まま、私、、男になりたい。」 (「私、、男なんだ」、ではなく、男になりたい、、のね。。

          15歳の娘が男だと言い出した。(12、ついにカミングアウト)

          15歳の娘が男だと言い出した。(11)

          (第一話のスーパーマーケットに戻る。) 娘Sが、S奈ちゃんと真剣交際をしていると打ち明けられた私は、 彼女に「牛乳を取ってきて」と頼み、その短い間に、今までの一連の彼女の変化を思い起こしながら、どう反応したらいいのか、迷っていた。 女子だけに囲まれて育った私は、部活でテニスが一番上手だった先輩に、恋に似た感情を持ち、バレンタインデーには「好きです」と書いたメッセージと一緒にチョコレートを手渡しするといった青春時代を過ごした。 自分が上級生になった時、後輩女子から「好きです

          15歳の娘が男だと言い出した。(11)

          15歳の娘が男だと言い出した。(10)

          実家の母から、祖母の危篤の知らせが入る。 姪っ子の結婚式の時に、家族全員で祖母とのひと時を過ごすことができていたので、祖母の最期は、私だけで実家に行くことにした。 臨終の祖母の付き添いに疲れ果てていた母や伯父達を休ませたり、お看取り、葬儀の手配、遺品整理などなどやることが多く、あっという間に2週間が経過していた。 その後、残念なことに、祖母の遺した諸々のもので、兄弟間が争うことになった。 母のストレスは相当なもので、独居の彼女を、一人で置いていくことは憚られ、仕事を在宅ワーク

          15歳の娘が男だと言い出した。(10)

          15歳の娘が男だと言い出した。(その9)

          翌朝、男子の制服を着用して一階に降りてきたSに向かって、 旦那は単刀直入に言った。 「なんで、その制服?」 (そりゃそう思うよね、私だってそう思っているんだよ。) 「うちの学校は男女関係なく好きな制服着ていいの! これが着たいだけ」 「俺は、なんでって聞いている。」 再び、旦那が直球を投げる。 Sちゃんは、返答に困っている様子だった。 「男のパンツは、腰回りが女性の骨盤に合わせてないから、女性には不向き。 機能的ではない。」 「大丈夫💢」 「見るからにきつそうだ。」 「きつ

          15歳の娘が男だと言い出した。(その9)

          15歳の娘が男だと言い出した。(ごあいさつ)

          こんにちは。 書き出して日が浅いのに、そして拙い文章なのに読みに来てくださる方、スキを押してくださったり、メッセージをくださったり、皆様、ありがとうございます。 遠い未来、過去の自分が何を考え、その時に大事にしていたことはなんだったのかを振り返る備忘録として始めました。 また、抱えきれない気持ちを文字化することで自分を落ち着かせたいという理由もあります。 自分のことしか考えていなかったのに、暖かい方々と繋がれることに驚きと励ましをいただいています。 タイトルにLGBTを否

          15歳の娘が男だと言い出した。(ごあいさつ)

          15歳の娘が男だと言い出した。(その8)

          ドーナッツ屋さんで、二人向き合い、まだ試していなかった新作を頬張る。 美味しい!やっぱり、甘いものって、気持ちが上がる。 ちらっと彼女を覗き見る。 購買部での心細さは、ドーナッツが見事、追い払ってくれたのがわかった。 ママにできないこと、ドーナッツが、できる!!やってくれた! 「Sちゃんと一緒に食べると、いつもより美味しい気がする。」 ふふっと笑うSちゃん。 「コンファメーションバイヤス」 「何その言葉?」 「思い込みってことだよ」 「へぇ、難しい言葉、知ってるんだねー。」

          15歳の娘が男だと言い出した。(その8)

          15歳の娘が男だと言い出した。(その7)

          二人無言のまま、車に乗り、エンジンをかけた。 Sも私も、何も悪いことなんてしていない。 だけどなんでだろう、この妙な後めたさと、そしてどうしてか、とっても恥ずかしいという気持ちに苛まれ、言葉が出ない。 母親の直感、さっき感じた、何かが起きているという感覚と、 車の中だというのに、購買部の女性達の視線が、未だに絡みついているような感じがして、一体、何から話したらいいのか、混乱していた。 Sちゃんに、聞きたいことは、山ほどある。 でもそれを今…投げて、いいのだろうか。。。 まだ

          15歳の娘が男だと言い出した。(その7)

          15歳の娘が男だと言い出した。(その6)

          約束通り、学校の購買部の前でSと待ち合わせをした。 6時間目の終了と共に校舎中にブザー音が、響く。 それと同時に、生徒たちの声に混ざって、椅子や、足音が溢れ出す。 一斉に降りてくる生徒達に混ざって、笑顔で階段を駆け降りてくるSちゃんの横には、仲良しのグループの一人、S奈ちゃんがピッタリ寄り添っていた。 娘と手を繋いでいた。しかも恋人繋ぎだ。 (今時女子って、中3になっても、手を繋ぐのだろうか? S奈ちゃんは、学校1イケメンと言われているD君と付き合っていると娘からは聞いて

          15歳の娘が男だと言い出した。(その6)

          15歳の娘が男だと言い出した。(その5)

          ドアが勢いよく閉められてから、一体、何週間が経過しただろうか。 本格的に、寒くなったある朝、娘Sは、視線を合わせず横を向いたまま こう言った。 「ママ、サイズが合わなくなったから、新しい制服をかって」 サイズが合わない、という表現に違和感しかなかった。 中2から身長は伸びておらず、完全に成長が止まった彼女に 制服のサイズが合わないという現象が起きるはずがないからだ。 悪戯がバレて、これから怒られることを予感しているかのような表情のSが、 心細そうに突っ立ていた。 ここで余

          15歳の娘が男だと言い出した。(その5)

          15歳の娘が男だと言い出した。(その4)

          10月は衣替え。 冬用の制服を箪笥から出し、アイロンがけをしていた。 用事がある時にしか私の近くに来ない娘Sが、まとわりつくように、体をくっつけて、たわいもない話を喋り出す。 Sちゃんがまだ幼かった頃、家事をこなす私にまとわりついては抱っこを迫り、何も手がつけられず、うんざりしたこともあった。 でもあれは、とんでもなく幸せな時間だったのだと、今になってわかるなんて。。 幼い時のSちゃんの面影を15歳の彼女の顔に重ねた。 可愛くて、、可愛くて、、、涙が溢れそうなのを悟られま

          15歳の娘が男だと言い出した。(その4)

          15歳の娘が男だと言い出した。(その3)

          たかが振袖、されど振袖。。。 それからしばらくは、「着なさいよ!いや着ないから」で散々揉める日々を送った。 現在住んでいる地域から、かなり距離のある土地での結婚式。 母娘間で繰り広げられていた「着る、着ない」攻防戦は、依然と続いていたが、 飛行機の手配をしたり、家族全員、仕事や学校を調整して、結婚式に参列することは、楽しみにしていた。 結局当日は、振袖を着たSちゃんだったが、髪はバッサリショートになっていた。 着付け会場でのメイクもヘアセットも拒否し、着物だけ着て出席し

          15歳の娘が男だと言い出した。(その3)