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15歳の娘が男だと言い出した。(12、ついにカミングアウト)

「牛乳、ありがとうね、カゴに入れて。」
「アーモンドも、いい??」
「うん、いいけど、2袋もいる?」
「ちゃんと食べるから」

アーモンドを積極的に食べる我が家ではない。
チョコレートに入っていたら食べる程度のSちゃん、単体でなぜ2袋も欲しいのか、わからない。
(ちゃんと食べるから)という言葉に引っかかったが、それよりもS奈ちゃんとのことのを打ち明けてくれたことに私の関心は向いていた。

「まま、私、、男になりたい。」
(「私、、男なんだ」、ではなく、男になりたい、、のね。。。)
視線を合わせずに、はっきりと言った。
「お母さんさ、ここ最近のSちゃんのこと見ててさ、
なんかあるのかなーって感じてはいたの。
打ち明けてくれて、ありがとう。色々話そう。」
私のありがとうに、表情を緩め、少しホッとしている表情をした。
「お母さん、よくわかっていないけど、、、
だけど、きっとLGBTのことなのかな。
頷く彼女。
「ぶっちゃけ、Sちゃんは、どれ?」
と率直に聞いてみた。
「私は、トランスジェンダー」

この時点での私は、トランスジェンダーとやらに漠然としたイメージしか持っていなかった。LGBTは、私にとって、表現は悪いが他人事だった。よくわかっていない、つまり知識も理解も不足。無知であったからかもしれない、
彼女が打ち明けてくれた時、その言葉をすんなり受け止められた。
「えっと、、、お母さん、よくわってないから、教えてほしい。
それは、どういうことなの?」
「15歳だから、何もできないけれど、ホルモン注射したい。」
「ホルモン注射って?」
「テストステロン」
「ああ。。。それかー」
「私は間違えて女の体に生まれてきちゃったの。
生まれた時に、医者が「決めた性別」が間違っているの」

最初の一言は、まあ理解できる、
だが医者が決めた性別っておかしいやろ。
ヒトの性別は、細胞分裂の段階ですでに決定している。
染色体が証明していることであって、医者が決めたってなんだその理論。
ヒトの発生から遺伝の仕組みは、すでに生物の授業で習ったていたはず。
点数もよかったじゃん!
なぜ彼女は、性別は医者が決めたって話を信じ込んだのだろう?
ツッコミたかったが、下手に論破などすれば、
ままには、もう2度と話さない!となり得るため、
打ち明けてくれたことを褒めちぎり、彼女の出した結論を受け止めた。

「お母さん、ちょっと動揺している。よくわかんないんだけど、
なんとなく専門家の支援が必要なのかも、、と、、今、、感じている。
とりあえず、、専門のクリニックとかを探してみようか?

「病院とか必要ない、言っとくけど、カウンセリング?みたいなやつとかも、絶対嫌だからっ。必要ないからそういうの、時期が来たら自分で、ホルモン注射をするから、いい。乳房切除もすると思う」

(はい?)
一体どこで?、どこのソースから?、誰から??、
飛躍した知識を得てきたのか。
医療や、専門家の意見も聞こうとせず、
なんでそこまで信じ込めるのか、、、

たった一言、(クリニックを探してみようか)に、
心のシャッターを下ろしてしまった。

とある新興宗教に洗脳されてしまった成人の娘さんを、
なんとしても、団体から救出しようと格闘した有名なお父さんの手記を
読んだことがある。
自分が、同じ状態に置かれたような気持ちになってしまった。

新興宗教は、教祖と団体がヤバいやつなだけ。
そこには必ず、金儲けに特化した悪者が存在している。

だけど、、、LGBTの場合は、誰も悪いわけではない。
だから、余計に、ややこしい状態だと、感じていた。

続く



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