15歳の娘が男だと言い出した。(10)
実家の母から、祖母の危篤の知らせが入る。
姪っ子の結婚式の時に、家族全員で祖母とのひと時を過ごすことができていたので、祖母の最期は、私だけで実家に行くことにした。
臨終の祖母の付き添いに疲れ果てていた母や伯父達を休ませたり、お看取り、葬儀の手配、遺品整理などなどやることが多く、あっという間に2週間が経過していた。
その後、残念なことに、祖母の遺した諸々のもので、兄弟間が争うことになった。
母のストレスは相当なもので、独居の彼女を、一人で置いていくことは憚られ、仕事を在宅ワークに切り替え、ことが落ち着くまで、実家に滞在することにした。
実家には6週間ほど滞在したのち、我が家に帰った。
季節はすっかり師走となっていた。
久しぶりに帰った我が家、ご飯の支度やお弁当、毎日の洗濯などなど、
子供たちとパパ3人で、上手に回していたことは聞いていたが、思いのほか、家の中が綺麗で驚いた。
「ままがいなくても、全然大丈夫だね〜!1年くらい、海外旅行に行くかなw」
なんて言いながら、留守中、みんなが頑張ってくれていたことに感謝した。
「まま、週末、Jくん、ウチに来てもいい?」
「うん。お昼すぎくらい?」
「ワンピースの続き一緒に見るって約束してるから、朝からがいい。映画も見るかも知んないし、多分ゲームもする。だからお昼うちで食べると思う」
「はいはい。他には何人来る?」
「Jだけだと思う」
(思う??)
男の子の友達が我が家に来るときは、必ず何人かの男子も女子も混ざって遊びにきていたので、特定の男子が一人だけで我が家に来るのは初めてだった。
数学に苦手意識のあるSちゃんの勉強を、座席が隣だったJ君が、時々助けてくれていたのを知っていただけに、ママは深読みしてしまった。
J君がSちゃんの、気になる人なのかな、、、と。
続く
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